自分に自信がなく、失敗を恐れ、新しいことにチャレンジできない子どもたち…。発達障害アスペルガータイプの子どもたちには、チャレンジできない理由がきちんとあるんです。その理由を理解し「やってみよう」のチャレンジっ子になるためのポイントをお伝えします! |
【目次】
1.否定ばかりで自信がなかった娘
2.新しいことにチャレンジできないのには理由があるんです
3.「やってみよう」のチャレンジっ子になるポイントはこの2つ!
◆「肯定」にはタイミングが大事!
◆「肯定」はただ褒めるだけではなく、実況中継をしよう!
1.否定ばかりで自信がなかった娘
わが家の長女は、1年ほど前までは何をするのも失敗を恐れ、とにかくチャレンジすることが苦手な子でした。
家でお友達と絵を書いていても、「失敗しそうだからしない…」と言ったり、「私はどうせ下手だからできない」と言うような子でした。
宿題をしていても、問題を間違えることを恐れて、鉛筆が進まない…1問1問必ず私に確認するほどでした。
「失敗してもいいんだよ」
「間違ってもいいんだよ」
「みんな失敗したり間違ったりしながらうまくなって、覚えていくんだよ」
といくら話をしても、失敗することに恐怖感があったのです。
これやってみない?の提案にもかならず拒否、否定から入っていたのです。
完璧主義でもあり、手を抜いていいことでも周囲の目が気になって手を抜くこともできません。いつも追い込まれるくらい頑張りすぎて爆発してしまっていました。
わたしは娘に色々な経験をさせたくて、たくさんの提案をしながらも、できない、やらない娘にどうしてもイライラしてしまう…そんな日々を送っていました。
2 新しいことにチャレンジできないのには理由があるんです
長女のこの行動は、実は発達障害の子どもの脳の特性が関係していたのです。
発達障害アスペルガータイプの子どもは、ネガティブな記憶が残りやすく、一度失敗したり、周りから笑われたり、怒られるなどの経験をしてしまうと、その記憶が強く残ってしまいます。
それ以外にも、元々周りの目を気にしすぎるのにも理由があるのです。
アスペルガータイプの子どもは、人の気持ちや感情を察知することがとても苦手な場合が多くあります。
人とのコミュニケーションを図ることが苦手な子どもも多いため、周囲の友達が自分をどう思っているのか、そのことを考えることが得意ではありません。
また、思春期前のプレ思春期(小学校中学年~高学年)の子どもは、この時期に社会的スキルを徐々に身につけていきます。
その中で、自分と他人は違う考えを持っていることや、他人ができているのに自分にはできないことがあるということを認知していく時期でもあります。
このような特性や経験からも、周りの目が怖くなり、自分に自信がなくなり、新しいことにチャレンジすることができにくいのです。
3.「やってみよう」のチャレンジっ子になるポイントはこの2つ!
そんな娘でしたが、このままではまずい!と思い、私がコミュニケーションを変えていくことで今までとは別人のように行動ができるようになってきました。
ここで私が大切にしたことは、徹底的に「肯定」することです。
ここでは「肯定」のポイントを2つお伝えします。
◆「肯定」にはタイミングが大事!
もちろん、今までもできたことはしっかり見落とさずに肯定していたつもりの私でしたが、今は「肯定」をするタイミングをいちばん意識しています。
発達障害アスペルガータイプの子どもは、何かやろうとしてもなかなか最後までスムーズにできないことも多くあります。
そんな時、できた結果だけを褒めようとすると、褒めるチャンスを逃してしまいます。
これはもったいない!
そんな時は、何かを始めようとしているタイミングでまずはしっかり「肯定」しましょう。
それだけでは終わらずに、子どもが何かしている際の途中経過もしっかり観察し言葉にしていきましょう。
例えば、「ランドセル直そうとしてくれてるんだね。もうプリント出してくれたの?ありがとう。」
こんな風に、当たり前のようなどんな小さなことでもしっかりタイミングを逃さずに「肯定」しましょう。
◆「肯定」はただ褒めるだけではなく、実況中継をしよう!
私が「肯定」する際に褒めること以外に意識しているのが、実況中継することです。
子どもは、やはりお母さんからきちんと見てもらえていることに安心感を抱くものです。
特にアスペルガータイプの子どもは、察することが苦手なため、言葉で伝えられることで安心します。
子どもがやっていることに対して、お母さんはちゃんと見てるよ!が伝わるように、「○○してるんだね!」と子どもを実況中継してみましょう。
時には解説者のようにしてみると、子どももゲーム感覚で楽しくできるかもしれませんよ。
プレ思春期の子どもは、徐々に手は離れていきますが、そんな手が離れた時期こそ、しっかりとお母さんが見ていることを伝えることが必要です。
そうすることで、自分は認められているんだということが自信につながり、小さな「できた」が、「できない」ネガティブな記憶を上塗りしていきます。
そんな1つ1つの経験が子どもの自信につながり、行動を加速します。
わが家でもこの2つのポイントを意識するようになり、子どもは一つ一つの行動に自信を持てるようになりました。
娘も最初はすべてに「肯定」の言葉が必要でしたが、徐々に見ていることが分かるだけで、安心して自信を持って行動できるようになってきました。
ぜひ、皆さんも今日からちょっとだけ意識をしてお子さんへ声をかけてみてくださいね。
自信がない子どもの行動を促すにはこれ!
執筆者:はただようこ
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)