寝起きが悪い発達障害・グレーゾーンの子ども。朝起きない子どもにイライラしているお母さんが多いのではないでしょうか?そんなお悩みを解消するのは、前の晩からの仕込みがポイントなんです。 |
【目次】
1.お母さんがイライラしても子どもは起きられるようにはならない
限られた時間でやることがいっぱいある朝。
あれもこれもやらなきゃ!と思うと心も体も忙しいですよね。
さらに子どもがなかなか起きてくれないとなれば、お母さんとしてはイライラしてしまうのは仕方ないことかもしれません。
いよいよ夏休みが終わり、2学期が始まります。朝のバトル再開は目前に迫っています!
どうしても「いつまで寝ているの!」と叫んでしまったり、力ずくで布団をはいだりして、朝から親子バトルになってしまう…
そんなお悩みを持つお母さんが多いのではないでしょうか。
でも実は、お母さんの「起きなさい!」の声、子どもに届いていなかったかもしれないんです!
この事実、毎日イライラしたくないのにイライラしながら子どもを起こしていたお母さんにとっては衝撃かもしれませんね。
でもそれには理由があるんです。
2.発達障害・グレーゾーンの子どもは朝が苦手
発達障害、特にADHD傾向にある子は、朝が苦手な子が多いです。
夜遅くまで起きていたり、熟睡できなかったりするので、スパッと起きられないんですね。
抑うつや不安などの心理的ストレス、社会的コミュニケーションの不足などが、睡眠の質や量の低下、体内時計の調節不全などをもたらしているのではないかと言われています。
また、記憶をつかさどる脳の「海馬(かいば)」という場所の発達が未熟な場合、睡眠にまつわるトラブルが多くなるようです。
起きようと思っても、起きられないというのは、海馬が未熟なために脳の覚醒にとても時間がかかるのが原因なのです。
脳が覚醒していない状態の子どもにいくら「起きなさい!」とお母さんが言っても、目覚まし時計で大きな音を鳴らしても、子どもにその声や音は聞こえていないのです。
子ども自身も「起きたいのに起きられない」と思っているとしたら、朝はつらい時間になってしまいます。
お母さんの声や音が子どもにしっかり伝わり、「起きたい朝」にするにはどうしたらいいのでしょうか?
実は、夜からの仕込みをしておくことがポイントなんです!
3.朝の目覚めは夜から仕込む!子どもを朝起きたい気持ちにさせるマル秘テク
スッキリと目覚めるためには、脳を覚醒させるための刺激を与えることが必要です。
起床後に子どもの好きなものや好きなことを用意しておき、「起きたい!」というモチベーションを高めるのです。
そこで、子どもが夜スムーズに寝て朝もスパッと起きられる方法がコレ!
「夜のうちから、ご褒美をチラつかせる!!」
つまり、前の晩から仕掛けをしておくんです。
たとえば、甘い物が大好きな子どもだったら、
「○時になったら寝ようね。ちゃんと寝て、朝○時に起きられたら、明日の朝食はパンケーキにしよう!」
と言って気を引きます。
「えっ!パンケーキ?いいの?」
なんて反応してきたら、
「ちゃんとできたら、ご褒美にね」
といったように、子どもの好きなもので誘導してあげます。
食べ物でなくても、テレビやゲームでもいいです(この場合は、時間配分を考える必要があります)。
お子さんが大好きなもの(こと)であれば何でもOKです。
目的は子どもが気持ちよく行動できるようにすることです。
ただし、ここで忘れてはならないことがあります。
起きられないということは、「夜ぐっすりと眠れていない」ということです。
質の良い睡眠を手に入れるためには体内時計を整えると良いと言われていますが、
発達障害・グレーゾーンの子どもは脳の発達が未熟であったり、不安を強く感じやすいという特性のために夜寝つけないことが多く、体内時計を整えようと思ってもうまくいかない場合があります。
そんなときは、「睡眠時計」をつけて、子どもの体内時計が現在どういう状況なのかを把握することからはじめましょう。
体内時計が把握できたら、お母さんが子どもの時計にできるだけ合わせてあげてください。
体内時計で寝る時間が一般的に考えて遅い時間であっても、無理に寝かさずに、絵本を読んであげるなど、子どもが眠くなるまでつきあってあげましょう。
お母さんがそばで見守ってくれる安心感で嫌な気持や不安な気持がなくなるだけでもぐっすりと眠れるようになり、ご褒美作戦がより効果的に働きます。
朝、なかなか起きられないことって、大人にもありますよね。
でも、好きな物が食べれる!好きなことができる!と思ったら、起きる気力がわきませんか?
だから、ご褒美で子どもの気力をアップさせてあげるのは、子どもとお母さん双方にとってストレスがなくスムーズにいく方法なのです。
ここで注意したいのが、お子さんが行動できたら、しっかり褒めることです。
行動してご褒美をあげたら、それでおしまい!だと、ご褒美目当てで行動するようになってしまいます。
「がんばって起きられたね!」
「起きられたから、一緒にごはんが食べられてお母さんうれしいな!」
ご褒美はあくまで付属品です。
自分ががんばったことを、お母さんが褒めてくれた!お母さんが喜んでくれた!とお子さんが感じることが大事です。
ご褒美を上手に使ってぜひお子さんのやる気アップにつなげてくださいね。
子どもをスムーズに行動させる親子のコミュニケーションを多数お伝えしています!
執筆者:須藤ゆかり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)