好きなことへ熱中しがちな子どもは多いですよね。肝心な予定をすっぽかしてまで今という瞬間へ目が行きがちなお子さんに困っていませんか?その悩ましい行動は脳に関係があるんです!スムーズに行動できるようになる非常識なご褒美の活用法をお伝えします。 |
【目次】
1.衝動性を持ち合わせたのんびり屋さんの切り替え下手な娘
気になったことや思いついたことに関しては物凄いスピードで取り掛かる!という、衝動的な特性があるけれどマイペースな小学3年生の娘に悩んでいることがあります。
本人のやりたい!という思いへの行動はまさに瞬間的!しかし、その反面にとにかく行動の切り替えが苦手なんです。
本を読んでいたら、本に夢中。動画を見ていたら動画に夢中。常に目の前の事のみを意識してそこから動けない…。
予測できないことへの不安も抱きやすいので、出掛ける予定がある際には必ず前もって娘へ事前にお知らせするように心がけています。
1週間前、数日前、前日、当日、3時間前、1時間前、30分前、10分前、5分前…このようにこまめな予告をしています。
しかし、娘は「今」という瞬間に夢中になっているので、動画の切りのいいタイミングを見計って声かけをしても、ついつい次の動画を見たくなっちゃうんです。
例え娘から「行きたい!」と言いだしたお出かけにも関わらず、このような事は日常茶飯事に起きる悩み。
予定通り気持ちよく準備をすませている周りにとっては、毎回待ちぼうけ状態でせっかくのスケジュールが後ろ倒しになることの方が当たり前になっていました。
2.今この瞬間だけを見がちな子どもの脳のしくみとは
娘のように、衝動性がある子どもは「目の前」のことに目が行きやすいという特徴があります。
そのため、今という瞬間を楽しむことができるのならそれで満足!数時間後や数日後まで我慢できないという衝動性があるのです。
ですから、猫ちゃん大好きな娘がネコカフェに行くことを楽しみにしていたハズだったにも関わらず、
「やっぱりマンガを読みたい気分になっちゃったから、今日は行かない。」
なんてことが起こってしまうのです。
先にある喜びよりも、今この瞬間を大事にしてしまうんですね。先のことを考えられず「今が良ければいい」とわがままにも見えるお子さんの様子に心配になっているお母さんも多いと思います。
ですが、その原因は本人がわがままでやっているわけではなかったのです!
実は脳の作業台がまだ狭いため、先にあるスケジュールが作業台から落ちてしまいやすいんですね。
子どもの脳はまだ未発達なため、目先ばかりをみがちになります。また、発達障害の子もそのような傾向を持ち合わせている子どもが多いのです。
そのために、先の楽しみのことよりも今の目先にある事へ着目してしまいがちだったのです。
じゃあ、このままあきらめるしかない?という訳ではありません。
大丈夫です!まだ狭い脳の作業台でも、お母さんの対策次第でスムーズに行動していくことは可能なんです!
これから私が実際に娘に行った非常識にも思える方法が効果抜群だったのでお伝えしていきますね。
3.すんなり行動できる!ご褒美のあげ方の秘訣
せっかく立てたスケジュールは、切り替えが苦手な娘によってほぼ後ろ倒し状態へ。
こんな状態からでも、ある対策をしたことで娘は随分とスムーズに動けるようになりました!
それは、ご褒美を2回あげるんです!
では、「ゴールは自宅から外へ出て車に乗り込む」ことに設定してお伝えしていきます。
◆1回目のご褒美
1回目のご褒美は、切り替えスイッチ用に先にあげちゃいます。
え!?いきなりご褒美を先にあげるの?なんて思われました?
はい、まだ動き始める前ですが苦手な切り替えをして目的をこなすことへの習慣づけをすることが課題です。
ですから、行動を切り替えることが難しい子どもにとっての肝は最初のスタートダッシュなんです!
スタートの部分でパワーとなるご褒美があることで、スムーズな切り替えとその後の行動へもすんなりと移ることができるのです。
ご褒美へ抵抗がある方はこちらも参考になりますので、併せてお読みくださいね!
ソーダ好きな娘は、ソーダのグミやアメのご褒美を先にあげることでずーっと熱中していた動画を切り上げることができるようになりました!
ちなみに、心配しなくても脳が行動を習慣づけることができれば、ご褒美なしでも活動することができるのでご安心くださいね。
切り替えができた後でも支度がまだのパターンが多いので、ゴールはまだまだ先ですが初めの一歩の切り替えの動きをすることはできましたよね!
ここからはお母さんの声かけテクニックを使って、自宅から外へ出て車へ乗りこむまでをゴールへと掲げて進めていきますよ!
お母さんが声かけ上手になれるポイントはこちらを参考にしてくださいね!
いよいよ、車に乗り込む手前まできました!娘は動画を見ることをやめることができ、玄関から外へ出ることができ、車に乗るところまで頑張れました!!
ここまでに、きっと私は数えきれないほどの回数の褒め言葉を娘へ浴びさせています。
何回位褒めてるのでしょうか?感覚的には1分間に数回は褒めているかもしれないです。
なぜ?って、靴下を片方履く。そしてもう片方も。トイレへ行く。手を洗う…。1つ1つの作業毎の1つ1つのできた!の数だけ細かく褒めています。
褒め言葉があることで、娘は行動することができるからです。逆に、褒め言葉のシャワーがなければ途中でエネルギー切れの可能性大だからです。
◆2回目のご褒美
さて、もうゴール直前!
ここで!車に乗り込むゴールを達成することができたことへの2回目のご褒美です!!
娘の場合は、2回目のご褒美は最大の褒め言葉!
「〇〇ちゃん、よくがんばったね!!ついに!車まで到着できたァー!よくできましたっ!」
と、いう感じで満足してくれます。
お子さんによって、まだ習慣づいていない行動をする時や初めてすることなどの状況に合わせて、言葉のご褒美+お子さんの喜ぶものをプレゼントしてあげてはどうでしょうか。
娘は家から一歩外へ出る迄に今まで2時間もかかってしまうこともありましたが、今では30分もあれば余裕をもって外出することができるようになりました!
スタートの1回目のご褒美で切り替えスイッチ
+
<行動する→できた!>
+
2回目のゴールご褒美
このようにできた!の前後にご褒美を挟んであげることで、衝動性を持ち合わせたのんびり屋さんの切り替えが苦手な娘のような子どもでも、
すんなり行動することは可能になるのです!
いかがでしたか?ご褒美を上手に活用しながら、フォローの声かけをしなくても自分でできた!となる日を目指して、今日も子どもへの声かけを一緒にとりくんでいきましょうね!
切替えが苦手な子への対応を多数掲載しています!
執筆者:おおむらさえ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)