不登校の子どもへのゲーム・動画は親にとって深刻な悩みではないでしょうか。実は、制限をかけすぎることは脳の成長にとって逆効果の場合もあるんです。上手にツールを活用することで記憶力が鍛えられ、計画的な毎日を過ごすことができるようになりますよ! |
【目次】
1.不登校の娘の癒しのゲームが奪われた結末…
長期休暇中はいつもよりもゲーム時間が多くなりがちですよね。学校が始まってもゲームの習慣から抜け出せず、なかなか以前の生活リズムが取り戻せないお子さんも多いのではないかと思います。
ゲーム依存やゲーム障害になってしまうと大変だから…と心配ですよね。
ですが、禁止!禁止!禁止!と言い続けるのはちょっと待ってください!
お子さんとバトルを起こさず、しかも脳を鍛える方向へ視点を変えてみませんか?
私の娘2人は、小学1年生と4年生から不登校生活をしています。自宅に居るとやることは限られ、唯一の楽しみといえばゲームや動画!
ところが、みんなが学校で勉強をしている時間帯なのに、ゲームをしてワイワイ楽しんだり、だらだらとテレビや動画を見ていたりといいう生活は許せない!! という考えの主人は、のん気に見える娘達に苛立って、次から次へと禁止令を出してきました。
ある日突然、楽しみの1つでもあった有料番組が解約してある。
ある日突然、ゲームの制限時間を1時間に制限されていた。
予想通り、楽しみを奪われた娘の精神状態は悪化。自閉症スペクトラム(ASD)の当時小学1年生だった娘はパニック状態に陥ってしまいました。
物があちこちに投げ飛ばされ、暴言が飛ぶイライラした日々が続きました。
我が家のエピソード、あなたはどう感じましたか?
子どもの楽しみを奪うことに、必死になって否定をする意味は本当にあるのでしょうか?
2.脳が育つメリットがある!制限のしすぎは損!?
私たち親は、ゲームや動画は良くないという考えがいつの間にか染み付いているのかもしれません。
確かに、きちんと時間を決めていないと何時間もダラダラとゲームをしてしまう…不登校だと時間があるのでなおさらゲーム依存が心配です。
だからといって、ゲームやテレビ等を全面禁止!! とすると、弊害もあるということを脳の働きを通じてお伝えしていきます。
新しい知識が入ってくると、 私達の脳は自分で考える能力である思考系の脳のエリアが刺激されます。
例えば、ゲームの中ではステージが上がっていくに連れて新しい敵が出現したりしますが、クリアするためには新たなワザや他の方法を生み出すために探求心が必要になることもあります。
また、動画では優れている情報が嬉しいことにすぐに手に入りますよね!
珍しいものを見ることに触れることで好奇心が広がるきっかけとなるので、知識の幅を広げていくクオリティの高い価値のあるツールにもなります。
このように、使い方によってはメリットのあるゲームや動画なのですが、こういった情報から切り離された状態になってしまうと脳へ入っていく情報が減りますので、残念ながら脳の成長の伸びは減速してしまうのです。
ゲームや動画は、実は脳の思考系のエリアが育む刺激をしてくれていたのですが禁止をするとなると、お母さんやお父さんが動画やゲームの内容に代わるくらいの価値のある情報をお子さんへ与えてあげれることが必要になるのかもしれません。
それくらい、脳の成長面で考えるとゲームや動画、テレビは否定的なモノではないのです。
小学生のまだ脳の思考系のエリアが未熟なうちに、上手にゲームや動画などのツールを使いこなすことはアリなのではないでしょうか。
3.不登校の子へ身に付けたい記憶力
ところで、不登校の子どもに鍛えておいて欲しい脳のエリアがもう1つあります。
それは、記憶系のエリア。
記憶系のエリアでは、「覚えること」と「思い出すこと」を基本に脳が働いていますので、この両方を鍛えることによって記憶力は伸びていきます。
なぜ、不登校の子どもにこの記憶力を伸ばすことがおすすめなのかというと、記憶系の脳のエリアを鍛えておくと、一度聞いた情報がすーっと頭に入るようになるので知識をどんどん吸収することが可能になるからです。
特に、不登校のお子さんに対しての学校の先生や親の心配事の1つは学習面なのではないでしょうか。
ついつい、勉強に遅れをとらないことだけに目が行ってしまいがちなのかもしれませんよね。
しかし、お子さんの様子はどうでしょうか?
自ら学習をしてどんどん勉強内容を吸収されている場合は安心ですが、ただ鉛筆を持っているだけで勉強内容は全く頭に入っていない場合は意味をなさない時間になります。
また、不登校の子は学校の時間割のように時間管理を求められる生活をしているお子さんは少ないかもしれません。
だからこそ、社会に出るために不可欠な時間管理能力を身に付けておく必要性があるのではないでしょうか。
このような心配ごとを安心へと変えることが可能な脳の働きが、記憶力なのです!
脳の記憶系のエリアの働きである「覚えること」と「思い出すこと」を鍛えていくことで、脳の中で覚える回路(木の枝のようなもの)と思い出す回路がぐんぐん伸びていきます。
ですので、そこの部分の枝を伸ばしておくことができれば、勉強やスケジュール管理をする能力は自然に身に付いていくのです。
覚える働きと思い出す働きの両面が鍛えられると、知識が豊富に!
そしてスケジュールの記憶も頭に入れることができるので、計画的な行動をすることができたり見通しを立てることもできるようになっていきます。
もしも、生きていく上で身に付けておきたいこの記憶力を、お子さんが喜ぶゲーム・動画によって鍛えることが可能だとしたら、
これらのツールを味方にして使わない手はないのでは?と私は思っています。
4.親子で記憶力を鍛える楽しいゲーム・動画の活用法とは!
そこで、ワンランク上のゲーム・動画の活用法をご紹介させていただきます!
ゲームでは、コントローラーで指を使うので運動のエリアも鍛えられているのですが、特にテレビや動画は一方的に見るという受け取る情報が多いと思います。
そこで、INPUTした情報の記憶をOUTPUTできるように、お子さんから動画の内容を引き出すことで脳の記憶する力を高めることができるんです。
例えば、
・どうやってこのステージをクリアできたの?
・〇〇ちゃん笑っていたけど、何か面白いこと話してたの?教えて?
・このキャラクターのどんなところが好きなの?
・動画の〇〇ちゃんの洋服、今日は何色だった?
など、あなたのお子さんに合わせた質問をすることで、脳の記憶力をさらに鍛えることができますよ!
うちの不登校の娘は、一時は主人からゲームの時間制限を強いられた時もあったのですが、今は子ども自身がゲーム時間の管理を自分でしています。
高学年の上の子は、気づけばスケジュールを自ら立てるようになっていました。
時にはゲームにハマリ過ぎて勉強には全く手をつけない時期や、私から言われて仕方なく勉強をしていた時もあります。
ですが、朝の1、2時間は勉強の時間、昼食後は絵を描く時間、15時から16時までゲームの時間…のようにスケジュール管理を進んでするようになったのです。
娘は二次障害にまで陥っていた時期もあり、私に言われたことでなければ何でもきなかった程に判断力も無かったのですが、このように計画を立てる事ができるようになったのは何でだろう?
と、不思議なほどの成長ぶりへの変化の過程の中で私の思いつくことは、どう考えてもゲームや動画のお陰でした!
普段の生活の中で娘が頭を使いこなしていたことと言えば、唯一それしか思いつかなかったのです。
さて、ここまで読み進めてくださり、もしかするとゲーム・動画への捉え方が少しでも変わったという方はいらっしゃいますでしょうか?
是非、お子さんと一緒に楽しみながら成長できるツールとして上手にゲームや動画を活用していただけたら嬉しいです。
こちらも参考になります!
もしかすると親が知らない!? 非常識な脳の発達の方法を毎日配信しています!
執筆者:おおむらさえ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)