小学4年生からぐっと難しくなる算数。なかでも割り算の筆算はつまずくことが多い単元です。これまで算数が得意だった我が子がつまずいた原因は〇〇の力が足りなかったから!我が家で挽回できた方法をお伝えします! |
【目次】
1.4年生で割り算の筆算につまずいた?!
小学4年生で習う算数は、3年生までに比べてぐっと難しくなると言われています。
我が家でもそれを痛感する出来事がありました。
割り算の筆算を家で勉強していた娘がぼやいていました。
「なんなの、これわかんない」
ちょうど体調を崩して1週間ほど休んでいた間に授業が進んでいたため、家でたくさん勉強しようとしていたようなのですが…
「どれどれ?」
と問題を見せてもらうと、三桁÷二桁の割り算の筆算でした。
3年生までは特に苦手意識もなくできていた算数。筆算しない割り算もまぁまぁできていたと思います。
今回は、なぜ我が子がここでつまづいてしまったのか検証して乗り越えたエピソードをお伝えします!
2.どうして筆算になるとできないの?
3年生までの算数は、目で確認できる数を扱う勉強や、暗記で覚えてしまう勉強でした。
そのため、瞬時に答えを出すことができました。
ところが、4年生以降は数の数量が増えていき、指やブロックだけでは扱えきれない問題や、何度も試行錯誤しながら答えを出していく必要がある問題にレベルアップしてくるのです。
割る数が一桁で割られる数が二桁程度なら、九九を覚えていれば簡単に解くことができますが、割る数が二桁、割られる数が三桁になってくると九九を覚えているだけではできなくなってきます。
桁数の多い割り算の筆算に必要な力は大きく2つ。
・仮説を立て検証する力
・およその数の見積もる力 です。
順番に説明していきますね!
◆①仮説を立てて検証する力
まずは、仮説を立て検証する力についてお伝えします。
例えば、930÷25という問題。
93には25が何個入るかな?
ちょっとやりにくいから、90に20は何個?
20×4は80だから、4個かな?
25×4は…100!93を超えちゃうじゃん。
じゃあ、3に減らせばいいか。
25×3は75、93を超えない。うん、大丈夫。
まず、十の位の答えは3だな!
というように、割り算の筆算の桁数が多くなってくると、自分なりの仮説を立て検証して考え、答えを導き出す必要があるのです。
◆②およその数を見積もる力
では次におよその数を見積もる力についてです。
先程の仮説を立て考える場面で、90に25は何個入るかな?3個だね!と瞬時に分かる能力があれば、何度も商を立て直す必要はないですよね。
この、『だいたい何個かな〜?どれくらいかな〜?』と瞬時に感覚的にわかる力があれば、複雑な問題に進んでいっても楽に解くことができるようになるのです。
先日、発達科学コミュニケーションの上級講座の発達科学講義でこんなことを教わりました。
およその数の把握を司っているのは脳の右側。
九九を覚える、単純な掛け算、割り算をするときに必要な能力を司っているのは脳の左側。
我が家の娘は、ぱぱっと覚えることは得意です。左側の脳で単純な計算をすることはできていたものの、右側の脳がイマイチ育っていなかったんですね。
また、不安が強い子どもの場合、学校のような多くの子ども達と一緒に学ぶ場では正解がぱっとわかる問題の方が安心して授業を受けれる場合が多いのではないかと思います。
試行錯誤を繰り返さなければならない問題になったときに、
「間違っていたらどうしよう」
「本当にこれで合ってるか心配」
と、心配事を考えるのに余計に脳を使わなければならず、一旦算数が苦手になってくると、「あー疲れる、面倒くさい、算数きらい」という風に考えてしまいがちです。
3.苦手感を払拭するためには楽しくが大事!
「算数が苦手になったら今後もずっと苦手になるかも!しかもテストの日がもうすぐ⁈」という母親の内心の焦りは置いておいて…
多少時間がかかってもいいから子どもが嫌がらずにわかるようになる方法を考えました。
近々テストの予定がありましたが、テストのためだけに無理に勉強させて算数嫌いになってしまったら大変です。
苦手な原因がわかったら、得意になるようにお母さんが関わってあげればいいんです。机に向かってガリガリ勉強させずに苦手を克服することができますよ。
◆①算数の楽しさを伝える
まずは算数の問題で試行錯誤することを面倒に思っている娘に、こんな話をしました。
「5+6は10とか、4×6は24みたいに、覚えてしまえば簡単に答えが出る問題ばっかりだったよね?一旦間違えたらバツがついたよね。」
「でもね、これからの算数は、試してみて違ったら直せばいいし、覚えていなくても考えて答えを出していくことができるんだよ〜」
と、単純にただ答えるだけが算数の勉強ではないことを伝えてみました。
「え〜、なんかめんどくさいじゃん」
と答える娘。
「でも途中まで考え方が合っていたらテストで○もらえるんだよ!忘れちゃってもなんとかなることが多いよ!」
「わからなかった答えがわかるようになるとスッキリして楽しいよ〜」
とすぐに納得してくれなくてもいいのでコツコツと伝えていきました。
◆②見積もる体験をお家遊びに取り入れる
お菓子作りが好きだったら、小麦粉や砂糖、牛乳などを目分量で測ってみましょう。
「小麦粉200グラムってどのくらいかな?」
「はかりにドバッと入れてみよう!」
「まだまだ足りないんだね。あと120グラムだよ。どのくらいかな?入れてみよう!」
と、数を見積もり正解を確認する、修正するという手続きを何度もやる経験をします。
見積もることに面倒だと感じてしまうことがなくなりますし、およその数量を把握する力もついていきますよ。
お菓子作り以外でも、
「レゴ50ブロックはどのくらい掴めばいいかな?」とか、
ご飯を食べるときに、
「ごはんはお茶碗一杯に大盛りで盛ったら200グラムなんだって。」
「盛って測ってみようよ!」と、
色んなことを実際にやってみます。うまくいったら、
「よくわかったねー!うまく当たったね!」
見積もりがはずれたら、
「おしいね、あと少しだね。何回やってもいいよ。ピッタリになるまでやってみよう!」
と声かけをしていきましょう。
このように、毎日の生活の中で取り入れて遊びにしてしまうと見積もる習慣がつくのは簡単です。
学校の勉強じゃなければ子ども達は嫌がらずに楽しく考えてくれるものです。
算数が苦手だからといってドリルをひたすらやらせるよりも、楽しく見積もる力がつき、算数が好きになる力が身に付いていきますよ。
我が家の娘も、夏休み中に対策できたおかげで、夏休みの間に桁数の多い割り算の筆算もできるようになりました。
勉強の苦手な原因を理解し、そのポイントを生活の中でトレーニングするだけの簡単算数!
ぜひ皆さんもお子さんと算数の力をおうちでレベルアップさせてあげてくださいね。
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執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)