「子どもに触れたくない」時期を経て、動きっぱなしの子どもがスキンシップと声かけで落ち着く!ナビゲートタッチと声かけを専門にお伝えしているトレーナーにお話を聞きました。どのようにスキンシップと声かけをしたら子どもが変わるのかをお伝えします!
【目次】
1. 子どもが言うこと聞かなくて子育てに悩むお母さんでした
子どもが何度言っても言うことを聞かない
思うように動いてくれない
こんな風に悩まれている方は多いのではないでしょうか。
パステル総研の発達科学コミュニケーションで活動しているトレーナーやリサーチャーも同じように自分の子育てに悩み、苦しい思いをしてきたお母さんたちです。
今回は、よく動くお子さん子育てに悩み、その苦しい子育てを乗り越えて、今は自分の子どもの専門家となって子どもを伸ばしながら、同じように悩まれているお母さん達をサポートしている発達科学コミュニケーション(発コミュ)トレーナーをご紹介します。
2.3歳からのナビゲートタッチと声かけで動きっぱなしの子どもが落ち着く!
今回は発コミュトレーナーの岩下まいさんにインタビューをしました。
岩下さんのご専門とどのような思いで発コミュでの活動をしているのかなどについて伺っていきます。
ーーー岩下さんよろしくお願いします。まずは岩下さんについて教えていただきたいので、簡単な自己紹介をおねがいします。
「私は3歳からのナビゲートタッチと声かけで動きっぱなしの子どもが落ち着く!発達科学コミュニケーショントレーナーの岩下まいです。
私は、落ち着きのない我が子にイライラガミガミの毎日に疲れて自己嫌悪に陥っているママに向けて、声かけだけでなく触れ合いやスキンシップを増やしながら促したい行動をたくさん引き出して、お子さんの発達を加速させるお手伝いをしています。
やる気ばかり空回りしちゃう子どもが心折れずに楽しくチャレンジし続け自立できちゃう子育てのできるママを声かけとスキンシップでどんどん増やしていきたいと思っています」
ーーー特に低年齢だと、子どもの落ち着きのなさに悩んでいるお母さんは多いと思います。この「落ち着きのなさ」について、専門家である岩下さんはどう見ていらっしゃいますか?
「子どもが落ち着きがないというのは、子ども自身が自分の体を知らないことが原因だったり、空回りなやる気も別の視点で見ると、チャレンジする行動力を持ち合わせていることの表れだったりもします。
子どもって自由気ままに行動したり感情を爆発させたりするので、ママ達は困りたちとして目について仕方がない、「なくそう!」って努力されると思います。
しかし、実は子どもの落ち着きのなさや空回りなやる気こそ、才能の花開く未来の自立の芽なので、本来チャームポイント、素晴らしい個性にすべきものなんです!
脳を成長させるには、行動し続けることが必須なんですね。つまり自ら楽しみながらチャレンジをし続けられる子には、自然と不可能を可能にしていける夢をかなえる能力がついたり、将来自立できる力が備わります。
落ち着きは無いけれど、やる気は人一倍あるみたいな好奇心旺盛な子どもは、叱られ慣れにしないこと。そして、親子の触れ合いというのが何よりも大切です。大人との関わりを心の栄養剤として成長していくのです。
コミュニケーションを変えて心の栄養を与えて、子どもがチャレンジし続けられるような親子を増やしていきたいと思っています。」
◆ポイント解説
子どもが落ち着きがないと「静かにしなさい!」と注意したり叱ったりして落ち着かせようとするのが普通の対応。
しかしそれで子どもが落ち着くことって、ほとんどないですよね。最後には大声をあげて叱らないといけなくて親子ともに気持ちが落ち込んでしまうことにもなりがちです。
そんな子どもの落ち着きのなさは、実は、子どもが自分の体を知らないことが原因だということ。また、空回りなやる気もチャレンジする行動力を持ち合わせていると、別の視点からは見ることができるということ。
「なんで落ち着いてくれないの?」と悩んでいたママにはもっと詳しく岩下さんのお話を聞いてみたくなったのではないでしょうか?
続いて、親子のスキンシップについてお話を伺っていきます。
ーーースキンシップについてはどうお考えですか?
「幼い頃のスキンシップが少ないと、子どものコミュニケーション能力が育ちにくくなると言われています。
その意味でも子どもの成長には親子の触れ合いは外せないと強く感じています。
子育てに悩むママほど手が出てしまったり、子どもに触れたくなくなったりというマイナスな現象が起きてしまうので、そういったものをなくしたいとも思っています。
なぜなら、子育ては期限に限りがあるのが理想で、できるだけ早い段階で自立させてあげたいですし、その中でママが子どもに触れられるのはもっと限られた時間なんですね。
その限られた時間を温かい触れ合いで子どもの心を満たしてあげたいのと親子の触れ合いはママの心も癒すので、マイナスの現象をなくして一分一秒早く長くハッピーな親子時間にシフトしたいなと思っています」
ーーーそもそも岩下さんがスキンシップに注目されたのはどうしてなのでしょうか?
「私は、発コミュに出会う前にセラピストをやってまして、人に触れることがすごく好きだったんです。
私自身は触れるのが好きだけれど、子どもに触れたくない時期を経て今があります。
それは、子どもが言うこと聞かないとか自分が思うように動いてくれないということがあったので、触れるような余裕もないし、一人になりたいといった思いの方が強かったのです。
発コミュを学び、自分の子育てがうまくいくようになって、改めて子どもとのスキンシップ、マッサージだとかを増やしていくと、すごく子どもは触れられることが好きだと分かりました。
スキンシップで子どもの感覚を呼び覚ましてあげることができると知ってから、スキンシップについてお伝えしたいと思って今に至ります。」
◆ポイント解説
元々はセラピストさんで人に触れるお仕事をされていた岩下さん。
触れることが大好きなのにも関わらず、子育てがうまくいかずにお子さんに触れたくないと思われていた辛い時期を経験されているとのこと!
そんな岩下さんが発コミュを学び実践することで、子育てがうまくいくようになって、お子さんが実はスキンシップが大好きだったことがわかったのですね。
そんな経験をお持ちの岩下さんだからこそ、子育てがうまくいかなくて悩んでいるお母さん達に声かけとスキンシップで力になりたいと思われている熱い想いが伝わってきました!
3.スキンシップと声かけはどうやるの?
さらに岩下さんのご専門である、【3歳からのナビゲートタッチと声かけ】ことについて伺っていきます。
ーーーナビゲートタッチが3歳からというお話がありましたが、「3歳」と言う年齢に込められた意味を教えていただけますか?
「はい。赤ちゃんの時にベビーマッサージに通われるママって結構多いかと思うんですけども、3歳ごろになってくるとイヤイヤ期に入りますよね。魔の3歳児って言われたりします。
また、下の子が生まれて抱っこが減ったり、集団生活が始まったりして、ママのコミュニケーションも口で指示や命令が増える時期。つまり、親子の触れ合いが減ってきてしまう時期に入ると思っています。
幼い頃のスキンシップが少ないと子どものコミュニケーション能力が育ちにくくなると言われていますし、感覚が未熟な子も多いので子どもの感覚を目覚めさせる意味でもスキンシップは欠かせないものだったりします。
3歳の頃から、スキンシップを増やすことで発達と行動を促していきたいと思っています。」
ーーーなるほど、ありがとうございます。ナビゲートタッチについても教えていただけますか?
「ナビゲートタッチは、子どものことを一番わかっているお母さんが、『伝わらない』を『伝わる』ように、『できない』を『できる』ように導く、行動を促す触れ合うスキンシップです。
スキンシップというとマッサージのようなイメージを持たれませんか?
マッサージやハグはもちろんですが、ハイタッチや肩をポンって叩いたり、頭を撫でたり、握手、抱っこ、ふれあい遊びみたいなものも立派なスキンシップなんです。
スキンシップには自分と他人との区別のほかに、自分自身を知ることだったり、ふれあいから他人への安心感を得たり、社会性を身につけられる効果もあります。
そして触覚を処理する脳のエリアは、感情を処理する脳のエリアとつながっているので、スキンシップで触覚を刺激してあげることで思いやりの心を養うことも可能です。
スキンシップをするといわゆる幸せホルモンというオキシトシンが分泌されると言われているんです」
ーーーやっぱりスキンシップの効果って絶大なんですね!たくさん触ってあげるといいんですね。
「スキンシップは触覚を刺激して触れている間は、常に脳に情報が届いている状態です。ですからここで注意が必要!
そもそも、刺激を与える人と受け取る側との元々の信頼関係が築けていないと触れることがただの不快な刺激になってしまう場合があります。
オキシトシンどころか本来のスキンシップ効果が子どもに不安や恐怖を与える形でストレスとなって逆効果になり得るんですね。
ですのでスキンシップは受ける側が触れることにオッケーを出すところ、例えば、
『手をつなごうか』『抱っこしてもいい?』
こんなコミニケーションで『やだっ』とNGの場合も、それを受け入れてあげること。本人の意思を尊重して対応することがとても重要です」
ーーーなるほど、たくさん触ってあげることは大切だけど、触ればOKってものでもないんですね。
「スキンシップ一つにも親子のコミュニケーションが欠かせないんですね。
会話で信頼関係を強化しながら、触れ合いで子どものありのままを受け入れることで、子どもに安心感を授けていくことが子どもの自信にもつながります。
ママとべったりすることに安心感を覚える子、特に感覚面が未熟だったりすると触れること自体を好まない子、それぞれいると思います。
ですが本来、親子の触れ合いを好まない子はいないと思っています。
お母さんがお子さんを知るところから始めれば、言葉でのコミュニケーションが取りづらい子でも、お子さんの表情や態度から、少しずつまずは声かけ、そして正しい触れ方というのを身に付けることで誰でもスキンシップが可能になると思っています。
言葉と触れ合いで行動をナビゲートしながら子どもに自信を授けていく自立へのメソッドになります!
スキンシップ好きなお子さんには”スキンシップしなくて大丈夫だよ”と意思表示されるまでは、小さいうちから積極的に毎日のスキンシップを続けてあげて欲しいなと思っています。 」
◆ポイント解説
3歳ぐらいから子どもは集団生活に入り、お母さんも口で指示することが多くなりがちで、ふれあいが少なくなりがちだからこそ、スキンシップが大事になるとのこと。
スキンシップとコミュニケーション能力が関係していて、スキンシップで感覚の発達がゆっくりなお子さんの感覚を伸ばすこともできると、スキンシップの重要性が理解できました。
スキンシップは、マッサージやハグだけではなくて、抱っこや、ハイタッチ、肩をポンと叩いくだけでもいいとのこと。それなら気軽にできそうですね。
また触られるのが苦手な子には、コミュニケーションをしっかりして、安心感を育んでいくとスキンシップも楽しめるようになるのであれば、諦めないで取り組んでいこうと希望が持てます!
次回は、岩下さんの発コミュとの出会いから現在までについてお話を伺っていきます。お楽しみに!
執筆者:山田ちあき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)