お母さんが大人同士で会話をしていると、発達障害傾向のある子どもが、急に不機嫌になったり、話をさえぎったりすることはありませんか?大事な話をしているときなどは特に困りますよね。ここでは、その原因と対処方をお伝えします。 |
【目次】
1.お母さんの会話中に限って落ち着かない発達障害・グレーゾーンの子ども
2.不安が強いASD児の我が子の場合
3.子どもが不安定になる原因は?
4.会話中でもこれで安心!3つの対応
①スキンシップ
②具体的な時間を伝える
③子どもを交えながら会話する
1.お母さんの会話中に限って落ち着かない発達障害・グレーゾーンの子ども
こんな子はいませんか?
お母さんが子どもと一緒のときに誰かと話し始めると、 機嫌が悪くなり怒り出す子ども。
例えば、幼稚園のお迎えのとき、買い物途中でバッタリ、来客時のおしゃべりのときなどです。
ほんの少しのつもりでも、話し始めるとつい長くなったりして、お母さんの傍で子どもを、ただ待たせてしまうことになり、退屈な子どもの機嫌はどんどん下降。
ついには怒りだしてしまう、なんてケースはないですか? そうなると、そのタイミングでなくてもいいような話をしょっちゅうしてきたり、割り込んできたり。
お母さんは落ち着いて会話を楽しむことができず、イライラしてしまいますよね。
発達障害やグレーゾーンの育児をしているとストレスも多いので、こうしたちょっとしたおしゃべりは、お母さんのストレス発散にもなります。
でも、そこで不機嫌になってしまったこどもの対応で、その楽しみがなくなるなんて事はできるだけしたくないですね。
今回は、 お母さんが会話中に不機嫌になる子どもが落ち着いて待ってられるようになる対応方を3つご紹介します。
2.不安が強いASD児の我が子の場合
ここで私の娘の話をさせてください。
娘には不安が強いASD(自閉症スペクトラム)症状あります。
娘もまさに、私が他人と話しだすと不機嫌になり怒り出す子でした。
状況は幼稚園のお迎え時や買い物で偶然に会ったりしたときなどで、娘も話し相手のことはよく知っているので、人見知りをしているわけでもなさそうでした。
ですが私が人と話し始めると決まって、娘は怒って不機嫌になるので、話の途中で切り上げなくてはならないことは日常茶飯事でした。
初めのうちは娘が怒りだす意味がわからず、娘のイライラに一緒に巻き込まれ、私もイライラしていました。
「〇〇が一緒だとママはお友達とお話しすることもできない!気分が悪いよ!」
と、感情のままに怒鳴り散らして帰ってくることも珍しくありませんでした。
娘に怒る理由を聞いたら、
「つまんない!」
「早く帰りたいから」
これは娘の思いで嘘はないのですが、実はもっと違うしっかりした理由がありました。
3.子どもが不安定になる原因はこれだった
はじめは、子どもの単なるわがままで怒ってくるのだと思っていました。
一般的に子どもが大人の会話に割り込んでくる原因は
「退屈」
「かまってほしい」
「話の内容に興味がある」
などでしょう。
しかし、それに加えて発達障害やグレーゾーン、ASD症状のある子どもは、とにかく見通しが立たない不安定な状況が苦手なので
「いつになったらおわるの?」
「いつまで待てばいいの?」
「お母さんが取られちゃう」
と不安になり、お母さんの話し相手が自分が知っている人だとしても、会話をさえぎって自分の元にお母さんを連れ戻そうとしたり
「私や僕を見てくれていない!」
と、思う気持ちから不機嫌になり怒りだしてしまうのです。
4.会話中でもこれで安心!3つの対応
では、 お母さんの会話中に限って割り込んできたり不機嫌になり怒りだす子どもが、ご機嫌に待てるようになる3つの対応をご紹介します。
◆①スキンシップ
他人との会話中にスキンシップを子どもにします。やり方は簡単。話しているときに子どもの体の一部に触れながら話します。
頭を撫でながら、手を繋ぎながら、肩に手を置きながらなど。 これなら、見通しが立たない状況でも子どもが安心することができますね。
◆②具体的な時間を伝える
時間の感覚がわかるお子さんの場合には、
「5分だけお話しさせてね」
時間がまだわからないお子さんは、
「〇〇のことでお話があるからそれだけお話しさせて」
など具体的に伝えてあげます。
お母さんがお話しするときは、急に話し出す機会も多いと思います。
それに対して、不安が強い発達障害やグレーゾーンの子どもは見通しが立たない状況が苦手な場合が多く
いつ終わるのかわからないことを待つことは、とても不安なのです。
事前に分かっているときは、
「●●さんとお話をしたいから、話の間はお絵かきして待っててくれる?」
というように、お願いしておくといいと思います。
◆③子どもを交えながら会話する
他人と話をしている最中に相槌するタイミングで子どもに話を振ります。
「〇〇もそうだよね〜。」
「〇〇はどう思う?」
などというようにです。
そうすることで「お母さんは私・僕を気にしてくれてる」と感じ安心できます。
それでも話に割り込んできたりするときには、「どうしてそんなことするの!」と叱るのではなく「不機嫌な理由」を探り、
3つの対応をお子さんの状況に合わせて試してみてください。
安心して待つことができた成功体験を積むことで、お子さんの気持ちが不安定になることなく、次回はまた機嫌良く待てるようになります。
お母さんも人と会話をすることは、お母さん同士のコミュニケーションを円滑に進めるためにも欠かせません。
でも、あまり長くなりすぎて子どもを待たせすぎないよう、気をつけたいですね。
ぜひ試してみてください。我が子に行った対応があなたの困りごとの解決のヒントになれば幸いです。
お子さんをついつい叱ってしまった時の対応も参考にしてくださいね!
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執筆者:みずおち梨絵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)