「うちの子どもは大人しい!」と、大人しい子どもを一括りにしていませんか。性格だけではないかもしれません。特定の人としか話せないことを大人まで引きずると日常生活で困るケースもあります。まずは子どもに自信をつけてもらうところから始めましょう! |
【目次】
1.ただの大人しい性格の子どもだと気にしていないのは、要注意!
生まれてから、大人になるまでずっとついてまわる人間関係。この人間関係は、発達障害やグレーゾーンでなかったとしても苦手な方って多いですよね!
大人になっても人と目が合わせられなかったり、人と接する度に不安と緊張で汗が出たり、特定の人としか話せなかったりする状態…。
私もはっきり言って対人関係が苦手な一人です。ただし私自身は、苦手とはいえ人と話すことは嫌いではないので、今までなんとかやって来ることができました。
ですが、子どもの時から何か対策してもらっていたら、「子どもの頃はもちろん、大人になってからもラクだったののではないか?」と感じます。
子どもの性格が大人しいこと自体は、もちろん悪いことではありません。子どもたち全員がグイグイと前に出るタイプではないのは、当然のことです。
ただし、「うちの子は、大人しい性格の子どもなんだ!」と思って安心していたら…「大人しい子ども」で終わるだけではない場合もあります!
人によっては、対人関係が苦手なことが原因で、不安や緊張が極度に高まり、かんもく症状を発症してしまうこともあるのです!
かんもくは、あまり知られていませんが、一般的には学校などの社会的状況や特定の場面で「話せない」という状態が続くことを言います。
不安障害の一つとされており、教育現場においても、合理的配慮を求められる支援の対象となっています。
実は数字的には、「200人に1人の割合で存在するのではないか?」と言われるほどなんです。
親が気づかないことも多く、その人数を考えるともっと多く存在する可能性があります。なかなか大きな割合ですよね。
「いつか話せるだろう!」と言う考え方や、特定の人としか話せないので「おとなしい子ども」という括りで片付けられてしまいやすいのです。
しかし、そのまま見過ごしておくと悪化してますます長期化することもあるので、早めの支援が功を奏すとも言われています。
発達障害・グレーゾーンの療育などの支援と同じで早ければ、早いだけ効果が出るのも早い。
子どものうちに緩和させてあげられたら大人になるまで引きずらないで良いこともあります!
今回は、発達障害やグレーゾーンではないけれども、不安や緊張が高く「かんもく」の症状が考えられる子が、先々に困らないように今できる関わりについてお伝えします。
2.特定の人としか話せない子どもが日常生活で困ること
かんもくのある子が先々抱える懸念材料は多岐に渡ります。
話せない場面で困るというと、学校や会社を思い浮かべることも多いかと思います。もちろん、その通りです。
しかし、もっと身近な日常生活でも困りごとは発生するのです!
今回は自立に向けてできるようになることとして、 「買い物」にフォーカスしていきます。物を買うことは生活していくために必須なスキルとも言えます。
この大人しい子どもの中には、なんと買い物で困っている人が少なからずいるんです!
例えば、コンビニエンスストアには、レジ横に並んでいるホットスナックやおでんがあります。これらを購入する際には、店員さんにお願いする必要がありますよね。
しかし、例えば特定の人としか話せないような子どもだと、自分が買いたいものですら我慢することになります。
我慢すればそれで済むような話ではあります。しかし、とても不憫に感じませんか?
「店員さんと話すなんて、たった一言のもんでしょう!」と思われるかもしれませんが、かんもく傾向のある人にとっては、たった一言のことではないのです!
まだ幼いうちは親と一緒に買い物をする機会の方が多いでしょう。しかし、年齢が上がるにつれて一人で買い物に行く必要が出てきます。
子どもでも、大きくなれば一人で買い物はしますよね。
いずれそうなるときに、幼いうちに買い物の経験があるのとないのとでは土台が違ってきます。
次に、実際に我が家が行っている対策をお伝えしますね!!
3.スモールステップで、子どもに自信をつけていきましょう!
我が家では一緒に行く買い物では、子どもの物を含めて、簡単なものであれば自分で買い物をさせるようにしています。
幼児なのでまだまだ機会は少ないですが、段階的に進めています。
初めての買い物のときには、大人しい子どもでも会話をしなくて良いよう、お釣りなしでピッタリのお金を持たせます。そして、親は隣で見守りながら買い物をします。
その状況に慣れてきたら、次はお釣りをもらう金額を渡し、金銭授受のやりとりにステップアップです!
しかし、ここからは子どもの様子を見ながら進めてくださいね。決して無理強いはしないようにしてください。
無理矢理嫌々やらせて買い物自体を嫌いになってしまったり、本人が自信を失ってしまっては、逆効果ですから。
買い物という状況に慣れたら、少々やりとりが必要な買い物にしていきます。再びステップアップ!
例えば、アイスの種類を伝えるなどです。
我が子は公園の売店でソフトクリームを購入し、味を聞かれ頷くなどの表現で買い物をしました。
買えたあとはもちろん褒めのシャワーです。
それに慣れてきたら、少し離れたところから見守り、お金を渡し買い物をしてもらいます。我が家では今この段階を行ったり来たりしています。本当にスモールステップで進めています。
買い物をする=少しお姉さんになった気分、となるようで戻ってくる顔には誇らしい感じが見て取れます。
どうだった?と我が子に聞くと、「自分で買い物できて嬉しかった〜!」と返ってきます。
かんもく症状には自信をつけることが必要不可欠とは言われますが、どんな角度からも自信をつけることは可能です。
実際に、少し挑戦をして乗り越えたときにつく自信は揺るぎないものだと思っています。
どうしても、我が子が「大人しい!」「特定の人としか話せない!」「不安が強い!」となると、挑戦することを諦めたりしてしまうこともあると思います。
大きな変化は求めなくていいんですよ!子ども本人に無理のないように、段階的に進めましょう。
子どもの様子を見て、どこの角度から自信をつけてあげられるかを探し、効果的にアプローチしていきたいですね。
ここでご紹介したのは我が家で行っているものです。一言でかんもくといっても、子どもの症状は各々で違っています。
気を付けることは、
・絶対に無理強いをせずに、安心というベースをしっかり守って行う。
・小さな挑戦を繰り返してあげる。(スモールステップ)
・できても、できなくても、共感と挑戦したことへの褒めのシャワーを忘れない!
かんもくが、この社会でたくさんの理解が得られますように、これからも一緒に頑張りましょう!
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執筆者:みずおち梨絵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)