吃音(どもり)の子どもの前で夫婦喧嘩を見せたことはありますか?吃音の有無に関わらず、子どもにとって両親の存在は絶大です。両親が仲たがいしていると不安になり、なかなか吃音がよくなりません。子どもを安心させて吃音をよくする土台を築きましょう。 |
【目次】
1.子どもの前で夫婦げんかしてませんか?
子どもの前で夫婦喧嘩はよくないとわかっていても、ついつい夫との会話がヒートアップして喧嘩になってしまうことありませんか?
実は夫婦喧嘩は、子どもの不安を大きくさせ、吃音に影響する可能性大なんです!
喧嘩するつもりで始めた会話ではなかったのに、話の流れがおかしなことになり、些細なことから言い合いになってしまうこともあると思います。
また、積もり積もったものがあり、ある朝、我慢の限界が来てプツリと切れて言い放ってしまい、喧嘩になることもあるかもしれません。
または、子どもが寝たことを確認してから話し合っていたのに、ついつい声が大きくなり子どもが起き出して喧嘩している場面を見られてしまったということもあると思います。
世の中には仲良し夫婦で喧嘩は一度もありません、というご家庭もあると思いますが、初めての子育てで、まだまだ家庭内で新しい変化が起きている間は、喧嘩の一つや二つはあるものです。
ただ、吃音の子がいる場合、そんな夫婦喧嘩が吃音に影響することがあるので、そのことだけ気を付けていただきたいと思います。
2.夫婦喧嘩をみた吃音(どもり)の子が感じること
夫婦喧嘩そのものがそれほど深刻な内容ではなかったとしても、家の中の空気がとげとげしく張り詰めたようになると、子どもは不安や緊張を感じます。
吃音(どもり)の子に限らず、子どもにとって両親はよりどころです。精神的な柱です。
その柱が不安定なものだと子どもはストレスを感じ、不安定になります。
喧嘩をしていた親同士はそのことを引きずっていなかったとしても、一度でも両親の仲の悪さを不安に思い、今後どうなるかわからない、と子どもが疑いを持つようになると、
その不安な気持ちの状態が子どもの中でずっと続くことになります。
吃音は不安やストレスによって影響されます。不安な状態を抱えた子どもは頻繁にどもるようになります。
もうすでに夫婦仲はよくなっていたとしても、子どもが両親の関係に疑いを持つようになると、その後も吃音が続くこともあるのです。
3.吃音を克服するために必要なマインド
吃音は言語障害なのですが、心の病で生じる症状だと勘違いされる理由は、ストレスにさらされるとどもる頻度が増えるからです。
これは成人の吃音の方でも同じです。緊張する場面、何かストレスを抱えている時などに、普段はどもらなくなっていたのに、再びどもりやすくなるということがあります。
吃音を持ったままある一定の年齢(小学3年生9歳頃)になると、親の関わりだけでは吃音を乗り越えることができなくなります。
本人が吃音を自覚し、受け入れ、どもる度に自分を責めることをやめるようマインドチェンジするためのトレーニングが必要になります。
「どもることを気にしているのは自分だけだ。
他人はそれほど気にしていない。
どもることを責めるのはやめよう。」
と決断してもらいます。何度もその決断がゆらぐので、何度もトレーニングを重ねます。
そして、どもる度に自分を否定し、責めたら、それ以上に自分を肯定するセラピーをします。
それてとても大変ですよね。そして、吃音の幼児にそんなトレーニングはできません。
幼児のうちは、親が子どもの環境を整えることで吃音を克服できるチャンスがあります。
子どものうちはどもる頻度を最小限に抑えるためにも、子どもをストレスにさらさないことです。
そのために重要なことは、何か不安なことがあってもここに戻れば安心だ、と思える
「安心の地」
と言われるような場所を子どもの心の中にしっかり築くことです。
それが、「自分は両親から愛されている」、「家族と家にいると安心だ」、という経験で築かれる「安心の地」です。
4.夫婦喧嘩はよそでする!見られたら挽回する!
夫婦喧嘩をしない!というのが無理なら、する時は子どもにみられないところでするようご夫婦でしっかり取り決めをしておいてください。
ママだけが意識していても、子どもの前でパパがキレてしまったら実現できません。
少なくとも吃音が出ている時期は絶対に子どもの前で夫婦喧嘩をみせないようにしよう、と話し合っておくことです。
ギスギスしそうな話は、子どもが寝た時間、子どもが園に行っている時間、誰かにみてもらっている時間にするようにします。
我が家は取り決めをしていても、子どもの前で夫が不機嫌になり、ギスギスした雰囲気になることがありました。
そんな時はその状況を打破するべく、無理やり空気を変えました!
夫の機嫌をすぐに治すのは難しいと思ったら、私は子どもとふざけて笑い合うようにしていました。子どもが安心したところで、夫も巻き込んで笑いに変えて空気を変えました。
また、ついうっかり夜中の口論で子どもが起き出してしまった時は、「仲悪そうにしていたのは誤解だよ!ちょっと白熱しちゃっただけ。」と説き伏せます。
子どもが「誤解だったのか〜」と思うように仲良くみせかけたこともありました。
うっかり喧嘩をみられたら子どもの記憶を塗り替えるつもりで挽回してください!
ご主人の協力が得られない場合は、「パパってなんでもできてすごいんだよ〜」とパパがいない時に子どもに向かってパパを褒めておくのもおすすめです。
不本意な方もいらっしゃるかもしれませんが、我が家はこの方法でなんとか幼児期を乗り切りました。
子どもは、「ママがパパを信頼してる〜!」と思いますし、パパが一緒の時に何かあると、「パパってなんでもできてすごいんでしょ?ママが言ってたよ」と言ってくれます。
そして、何かあると子どもがパパに頼るようになります。
私が直接的に夫を褒めなくても、子どもを介して間接的に褒めることで、夫の機嫌もよくなります。
子どもにとっては両親からの温かい愛情と温かい家庭の雰囲気が、精神的な安定剤になります。
どもる頻度が増える原因は徹底的に排除したいので、ご家族皆さんの協力で原因となるものを一つずつなくすようお願いしたいところです。
夫婦で取り組むパステルキッズの子育てのヒントは他にもあります!
執筆者:おざわ つきこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)