新学期を前に新しい環境への期待と不安が入り混じる時期。すぐ手が出るなどお子さんの問題行動にお困りのお母さんも多いのではないでしょうか?そこで、私が実際に取り組んだお家でできる対応を3つご紹介します。 |
【目次】
1.すぐ手が出る子どもの問題行動に困っていませんか?
2.息子のSOSに気づけず悪化させてしまった過去
3.すぐ手が出る幼児には早めの対応で進級進学に備えよう!
①子どもが落ち着ける環境をつくる
②寝る前の親子の時間をつくる
②良いところに注目する
1.すぐ手が出る子どもの問題行動に困っていませんか?
立春が過ぎ、まもなく進級・進学の時期が近づいてきました。
お子さんにとっては大好きな先生やお友達と離ればなれになり、なんだか寂しさを感じる季節でもありますね。
また、新しい生活が始まることへの期待と不安からお子さんの様子も「朝の支度が進まない」「登園しぶりがある」「お友達とすぐトラブルになってしまう」など手を焼いているお母さんはいませんか?
このままだと、新学期から我が子は新しい環境になじめるんだろうかとドキドキする方も多いのではないでしょうか。
特に発達障害のお子さんの場合、環境の変化が苦手だったり、ネガティブな思考を溜め込みやすく、そのため不安が強い子が多いと言われています。
ですから春は、卒業、入学入園、進級進学等、イベントが増えるといった外的環境の変化が、いつも以上に不安を強くさせてしまうんです。
朝の支度にダラダラしたり、登園をしぶったりといった行動に繋がっていきやすくなる要注意な季節でもあります。
じゃあ、季節的なものなら、しばらく様子見たら落ち着くのかな?と考えがちですが、答えは、NOです!
「不安が強い」という特性は後々、メンタル症状へ進みやすい傾向があるため、むしろ放っておかないほうがいいんです!
発達障害の中でも特に幼児期のお子さんは、まだ言葉で自分の感情を伝えることができません。
不安を発散させる場所がない状態が続くと、どんどん不安の強さが増し、登園しぶりやぐずりから次第にすぐ手が出る、不登校になったりと二次障害へ発展してしまう危険もあります。
そのため、環境が変わる前からしっかりとお家でケアをしてあげることがとても大切なんです。
2.息子のSOSに気づくことができなかった過去
我が家には自閉症スペクトラム(ASD)傾向のある年中の男児がいます。
元々こだわりと不安が強く、とても敏感だったため、ちょっとした周りの変化にも気付くような子でした。(先生が挿しているペンがいつもと違うと2歳の頃から指摘するような子です)
もともと朝の送迎は保育園に置いて行かれるのを嫌がる子でしたが、年少のタイミングで転園したことがきっかけで登園しぶりと攻撃性の強さが顕著に表れてきました。
最初は、まだまだ身体も小さいためイヤイヤ期かな?程度で済ませてしまい、本人のSOSに気づくのがずいぶん後になったことも悪化させる原因の一つだったかもしれません。
今思えば突然、慣れない環境に置かれたこと、コロナの影響で何度も自粛があったことなど彼の不安の強さを助長するような外的環境が揃ってしまっていたんです。
どんどん登園渋りが強くなり、園に連れて行ってもちょっとしたことで大暴れし、癇癪を起こしてはすぐに手が出る、叩いたり噛みついたりと相手を攻撃するようになっていきました。
いざスイッチが入ると手が付けられなくなるほどの暴れように、この子はもしかして二重人格なのでは?と疑ったほど、感情の波が激しかったんです。
そんな息子ですが、私の対応を変えたことで1年近く出ていた人への攻撃が2週間で激減し、問題行動は3ヶ月でほぼなくなりました。
登園しぶりに関しては半年近くかかりましたが、今では「保育園楽しい!」と毎日元気に登園できています。
3. すぐ手が出る幼児には早めの対応で進級進学に備えよう!
では、私が変えた対応とは何だったのか?3つの対応策についてお伝えしますね。
◆① 子どもが落ち着ける環境をつくる
不安の強い子は自分のテリトリーというものをとても大切にします。
特にASD傾向の子は、こだわりを持っているため、自分が作った世界観を壊されることを極端に嫌がります。
そのため、本人だけがいられる場所を家の中に取り入れました。
そこで取り入れたのがゾーニングです。
※ゾーニングとはどの場所で何をするのか一目でわかるよう工夫することを指します。
児童発達支援教室ではパーテーション等を活用することもあります。
発達障害の子どもは目からの情報処理が得意な子が多いため、情報が溢れている煩雑とした部屋にいると落ち着かなかったり情報過多に疲れてしまうことがあります。
我が家は小さな子ども専用スペースを確保するようにしました。 この中であればその日に片付けない日があってもOK!
ブロックなど本人が作り上げた作品を飾って置けるなど最後まで楽しめるというルールを決めたんです。
広さは決して広くないものの、子どものものだけが配置されるため集中して遊べる時間が一気に増え、家でのそわそわする様子がどんどん減っていきました。
◆②寝る前の親子の時間をつくる
本人にとっては外での活動はとても疲れるもの。
大人でもそれは同じだと思いますが、外的刺激に弱い発達障害子どもは環境の変化に敏感なため疲れやすいという特徴があります。
そのため、夜は特に本人の心が安らぐ環境を整えてあげることが大切です。
我が家はしっかり睡眠をとって翌日に備えられるよう、20時過ぎると照明をダウンライトに変えます。
それまではテレビ等、本人が好きなことをさせますが時間になると「ムーディタイムだよ~」と言って明かりを落とすんです。
そこからは親子のまったり時間として絵本を読んだり、本人が好きなおもちゃで遊んだり、今日のできごとを振り返ったりしながら眠くなるまで過ごします。
そして布団に入ってから「今日も花マルだったね。大好きだよ。また明日ね」と頭をなでるなどスキンシップをしながら伝え、眠るようにしています。
◆③良いところに注目する
環境だけでなく、もちろん声かけも意識して変えました。
悪いところではなく良いところに目を向けるよう意識付けました。
例えば、いつもよりちょっと早く着替え始めたりいつもよりちょっと挨拶が元気だったり本人の世界観満載なロボットを作っていたり、ちょっとでもプラスに感じたことをどんどん肯定するようにしたんです。
「もう着替え始めてるんだ!」
「元気に挨拶うれしいな!」
「かっこいいロボットだね!なんて名前?」
こんな風に声をかける量を増やしたことで、信頼関係を少しずつ構築することができていき、私の声が息子に届くようになっていきました。
不安が強い子にとって、すぐ手が出るといった二次障害は自分の身を守るための防衛反応と私は考えます。
最大のSOSなんです。
そのSOSが強くなればなるほど心の壁をどんどん厚くしていってしまいます。
これは年齢に関係なく幼児でも大いにあり得ることです。
もし少しでもそのような前兆を感じたら、これから増えてくるイベントなどの外的要因が発生する前にぜひ対応を変えることをお勧めします。
新学年が始まる前のこの時期にしっかりと原因を理解して、お子さんと関わることができたなら進級進学も怖くありませんよね。
ご参考になれば嬉しいです。
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執筆者:仲田なぎさ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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