同じ服しか着ない。同じ道を通りたがる。決まったものしか食べない。そんなこだわりの強い子どもの対応や声掛けはどうしていますか?この記事では、こだわりの強い子どもの「えっ、それでいいの!?」の対応や声掛けを紹介します。
1.こだわりが強い子どもの対応に困っているママはいませんか?
毎日同じ服しか着ない、同じ道を通りたがる、決まったものしか食べない、物への執着が強かったり、マイルーティンがあるといったこだわりが強い子どもの対応に困っているママはいませんか?
強いこだわりが徐々に和らぐ、そんな対応や声掛けを紹介します。

2.毎日同じ服を着たがる…ASDの子育てで感じた壁
私には、自閉スペクトラム症(ASD)と診断された息子がいます。
小さい頃は朝私が選んだ服を、何も言わずに着ることができていました。
大きくなるにつれて、朝自分で服を選んで着ることも増えていきました。
ある時から、私が選んだ服を着る時もあれば、自分で選び直してその服に着替えているという姿を目にするようになりました。
最初は、私が選んだ服が気に入らなかったのか…と軽く考えていましたが、見るたび見るたび息子が選んでくる服は同じ服ばかり。
「今日は違う服をきてみたら?」
「こっちの服着てみない?」
と提案しても、「ううん。こっちでいい」と私が選んだ服は着てもらえませんでした。
新しい服を買ってきても着ようとせず、毎日毎日同じ服ばかり。
洗濯して乾いてなくても、「この服がいい」とこだわりが強く、似たような柄・似たような色・似たような生地の服を用意しても、1回着てみて「これはやだ」と脱いでしまうこともよくありました。
特に困ったのは、その服のサイズが合わなくなったときでした。
袖が短くなっても、丈が短くなってもその服を着たがり、同じ服を探すのに苦労したこともありました。

3.強いこだわりは脳の特性にあった!
なぜ、そんな困り事が起こってしまうのか、それは自閉スぺクラム症(ASⅮ)の脳の特性にあったんです。
ASⅮには、こだわりが強いという特性があります。
こだわりが強い=同じことを繰り返すという特性があり、いつも同じことを繰り返すことで、脳が安心感を得ようとしていると言われています。
こだわりの原因として感覚が過敏すぎること、逆に感覚が鈍感なことが主な原因だと言われています。
何ともない刺激でも、感覚が敏感すぎるためにすごく不快感を感じてしまうんです。
例えば、服のタグが当たっただけでチクチクして痛みを感じてしまうとか、ちょっとの汗でも、ベタっとするのが嫌で何回も着替えてしまうといったこともあります。
子どもによって、不快に感じるものや不快に感じるレベルは様々ですが、不快に感じるということは脳がストレスを感じているということになります。
息子がなぜそこまでして同じ服を着たかったのかは脳の特性を学び、感覚が過敏すぎたのが原因だったとわかりました。
いくら似たような服でも、着る本人からしたら生地感が嫌で、それが脳のストレスになっていたのです。

4.こだわりをやわらげる対応と声掛け
こだわりが強い子どもの脳のストレスを少しでも軽減させ、安心する脳にしてあげる対応や声掛けはとってもシンプルなんです。
それは、どっしり構えてスルーすることです。
「えっ、そんなんでいいの!?」と思うかもしれませんが、放っておいたほうが脳が慣れていき、いろんな服が着れたりするようになります。
脳が成長しいろいろな刺激を受け取れるようになってくると、こだわりは自然と和らいでいきます。
また、こだわりが強い子は、「まぁ、いいか!」を知りません。
ママが「まぁ、いいよね!まぁ、いいよね!」の声かけで乗り切ることで、子どもも「まぁ、いいか」を知り、徐々にできるようになっていきます。
なので基本的には無理やりこだわりをやめさせようとしないことが大切です。
ママがこだわりについて口にすればするほど、そのこだわりはどんどん強化されていき、ストレスも強くなってしまいます。
どっしり構えて、「まぁ、いいよね!」の声掛け、参考にしてみてください。

執筆者:北の 香
発達科学コミュニケーション トレーナー