ネガティブな思考がぐるぐる止まらない…。ASDの子どもが反芻思考になってしまう理由と改善方法

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反芻(はんすう)思考とは、過去のことやまだ起こっていない未来のことを繰り返し考えてしまうことで、ネガティブな思考がぐるぐる止まらなくなってしまう状態のことを言います。本記事では、ASDの子どもがこの思考になってしまう原因と、ご家庭でできる改善方法をご紹介します。
 
 

1.ネガティブ思考がぐるぐる止まらなくなってしまう子どもの様子が心配…。

 
 
✔️ネガティブな思考が止まらなくなる
 
✔️まだ起きていないことに対して不安が膨らんでいる
 
✔️過去の嫌な記憶が強く残っていて、よく思い出している
 
✔️あの時こうすればよかった…。と後悔ばかりしている
 
 
このようなお子さんの様子を心配に感じている親御さんはいらっしゃいませんか?
 
 
親としては、よかれと思い
 
「そんな些細なことに悩まなくていいのに…。」
 
「くよくよしないで!嫌なことなんて忘れちゃえばいいよ!」
 
なんて励ましたりしますが、なかなかお子さんには伝わらず、さらにネガティブ思考を増長させてしまうなんてこともありますよね…。
 
 
ネガティブ思考が止まらなくなってしまうお子さんにどう対応したらいいのか。
 
 
本記事ではASDのお子さんの特性と『反芻思考』について考察し、ネガティブ思考の原因と改善方法をご紹介したいと思います。
 
 
 
 
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2.ネガティブ思考がぐるぐる止まらない『反芻思考』とは?

 
 
『反芻(はんすう)思考』とは、過去のことやまだ起こっていない未来のことを繰り返し考えてしまうことで、ネガティブな思考が止まらなくなってしまう状態のことを言います。
 
 
ネガティブな思考がぐるぐると止まらなくなってしまうので『ぐるぐる思考』と言ったりもします。
 
 
反芻思考は、自発的な思考ではなく、ぐるぐると自動的にネガティブな思考が止まらなくなってしまう状態です。
 
 
自分で止めたくても、止めることができず、ネガティブ思考が自動で次から次へと湧き上がってきてしまいます。
 
 
この状態になってしまうと、起きてもいないことに不安になったり、思い込みが激しくなったりしてしまいます。
 
 
子どもの場合、まだ脳の発達が未熟なため、癇癪や暴言、イライラなどが攻撃性として表れることもあります。
 
 
 
 

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3.ネガティブ思考が止まらない息子にどう対応したらいいかずっと困っていました…。

 
 
小学校3年生の私の息子は、ASD傾向の特性を持っており、ネガティブ思考がとても強いタイプです。
 
 
少しでも何か失敗をすると、一人反省会が始まります。
 
 
「あの時こうすればよかった」
 
「自分のせいでこうなった」
 
「次も失敗したらどうしよう」
 
 
その日でこれが終わればいいのですが、数日経ってからも、ふいにネガティブな記憶が蘇り、また一人反省会が始まるのです。
 
 
処理できないことに関しては、ネガティブな記憶がぐるぐると止まらなくなってしまい、内容によっては寝付けなくなってしまうことも…。
 
 
理由を聞くと、忘れ物をしたとか、時間に少し遅れてしまったとか、友達と言い合いになったとか…。
 
 
そこまで悩むほどのことではないことが多いのです。
 
 
ネガティブ思考な息子に対して、少しでもポジティブに物事を考えてもらえるように
 
「そんなこと誰も気にしていないよ!」
「思い込みすぎだって!気にしない方がいいよ!」
「適当でいいんだって!」
 
なんて言葉をかけるのですが、私の無神経なこの言葉がさらに息子のネガティブ思考を加速させてしまい…。
 
 
息子はイライラが止まらなくなってしまいます。
 
 
息子のネガティブ思考が止まらなくなる状況にどう対応したらいいか、私自身もずっと困っていました。
 
 
ポジティブとネガティブ
 
 

4.ASD傾向のある子どもが反芻思考になる原因

 
 
反芻思考は自閉スペクトラム症(ASD)の子どもたちによく見られると言われています。
 
 
その原因として2つのことが考えられます。
 
 

①ネガティブな記憶を残しやすいという脳の発達特性を持っている

 
 
一般的に、嫌なことは記憶に残りやすいと言われています。
 
 
特にASD傾向のあるお子さんは、ネガティブな記憶を忘れにくいという特性を持っているお子さんが多いようです。
 
 
「記憶」は身を守るための本能で、脳の機能として危険や不快感を忘れないように進化してきました。
 
 
ASD傾向がある人は、この身を守る本能の部分が敏感に働くため、ネガティブな記憶を脳に溜め込みやすいと言われています。
 
 
このように、ネガティブな記憶を残しやすいというASDの特性が、反芻思考の原因になっていることが考えられます。
 
 

②ネガティブな気持ちを言葉で表現できず、自分の中で抱えこんでしまっている

 
 
ASD傾向のある子どもの中には、自分の気持ちをうまく言葉で表現できないタイプのお子さんも多いですよね。
 
 
自分の中のネガティブな思考を誰かに吐き出すことができれば、少しは楽になるのでしょうが、それができないために、苦しんでいることが考えられます。
 
 
また、ようやく言葉にして悩んでいることを話せたとしても、他者からすると些細なことで悩んでいたりすることもあるので、
 
「そんなこと気にしなくていいよ!」
 
「そんな小さなことで悩んでいたの?」
 
なんて言葉をかけられたりしてしまい、さらにそれがネガティブな記憶として残って反芻思考が止まらなくなってしまうこともあります。
 
 
幼い子どもの場合は、そもそも、自分の中のネガティブな思考がなぜ起こっているのか理解できていないお子さんも多いかもしれません。
 
 
学校行かない
 
 

5.反芻思考を和らげる親の関わり方

 
 
お子さんが反芻思考で苦しんでいる時には、まずは頭の中のモヤモヤをアウトプットさせてあげることが必要です。
 
 

◆お子さんが思いを言葉にして伝えることができない場合

 
 
お子さんが思いを言葉にして伝えることができない状況の場合は、まずは体を動かして嫌な気持ちをアウトプットしてみるのもおすすめです。
 
 
体を動かすことで、気が紛れ、反芻思考がストップする効果があります。
 
 
体を動かすと言っても、様々な方法があります。
 
 
ポイントは『子どもが好きなことを楽しんですること!』それだけです。
 
 
体を動かすことが好きな子は公園で思いっきりサッカーを楽しむのもよし!
 
 
料理が好きな子は親子で一緒にお菓子を作るのもよし!
 
 
ゲームが好きな子はきょうだいでゲームバトルをするのもよし!
 
 
親子やきょうだい、お友達と一緒にできる遊びをまずは楽しんでみましょう。
 
 

◆お子さんが思いを言葉にして伝えることができる場合

 
 
体を動かしてある程度、発散することができ
 
 
お子さんが悩んでいることを話し始めたら、どんな些細なことでも、まずはどんどん思いを吐き出させて、受け止めてあげてください。
 
 
「そっかー」
「そうだったんだね。」
「苦しかったね。」
「伝えてくれてありがとう」
 
 
肯定的な言葉で、全ての思いをまずは包み込んであげましょう。
 
 
ある程度、思いを吐き出せたら、次は内容を一緒に整理していきましょう。
 
 
・今、どんな気持ちがするのか
・今、悩んでいることは、いつのことなのか(過去のこと?未来のこと?)
・今、悩んでいることは、事実なのか
 
 
親御さんがお子さんの気持ちを整理し、それを言葉にしていくことを習慣にしていくことで、子ども自身も自分の中で気持ちを整理する練習になります。
 
 
どんな理由であれ、反芻思考になってしまっているお子さんは一人で悩みを抱え苦しんでいる状態です。
 
 
ネガティブな思考が脳を支配してしまう前に、まずは一番近くにいる親御さんが思いを受け入れることから始めてみましょう。
 
 
癒す
 
 
 
 
 
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