雷が怖い子どもへの対応は?ASD・感覚過敏の子が安心できる声かけと対策

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子どもが雷を怖がるのはなぜ?雷の音で泣く、耳をふさぐ、「落ちたらどうしよう」と不安になる…。ASDや感覚過敏の子どもが雷を怖がる理由と、安心できる声かけや家庭でできる対策を、不安が強い子の子育てをサポートする発コミュトレーナーが、実体験を交えて紹介します。

 
 

1.雷が怖い子どもにどう対応したらいい?

 
 
お子さんが雷や雨を怖がる姿を見て、どう対応すればいいか悩んでいませんか?
 
 
雷の音が聞こえただけで耳をふさいだり、泣いたり、「雷、落ちない?落ちたらどうしよう…」と何度も不安を口にしたり…。
 
 
「大丈夫だよ」と声をかけても怖がり続ける様子を見ると、どうしてあげたらいいのかわからず、戸惑ってしまいますよね。
 
 
特に、自閉スペクトラム症(ASD)発達障害グレーゾーンのお子さんは、感覚過敏や先の見えないことへの不安が影響していることがあります。
 
 
だからこそ、無理に「怖くないよ」と言い聞かせるのではなく、子どもが安心できる関わり方を知ることが大切です。
 
 
この記事では、雷を怖がる理由と、恐怖を和らげるために家庭でできる具体的な声かけや対策を、我が家の体験を交えながらご紹介します。
 
 
 
 

2.雷を怖がるのはなぜ?ASDの子どもが抱えやすい3つの理由

 
 
ASDの子どもが雷や雨を怖がるのは、単なる「怖がり」だからではありません。
 
 
その背景には、ASDの特性による感じ方や、不安の強さが関係していることがあります。
 
 
ここでは、雷を怖がる子どもによく見られる3つの理由をご紹介します。
 
 

◆① 聴覚過敏|雷の音が強い刺激になっている

 
感覚過敏とは、視覚・聴覚・触覚などから入る刺激を、脳が人一倍強く受け取ってしまう特性です。
 
 
雷が鳴ると、
  • 突然の大きな音
  • ピカッと光る稲妻
  • 気圧の変化
  • 雨に濡れる感覚
など、さまざまな刺激が一度に押し寄せます。
 
 
私たちには「少し大きな音」と感じる雷でも、聴覚過敏のある子どもにとっては、耳元で爆発したように感じたり、一瞬の稲光が目に焼き付き、必要以上に不安を感じることもあります。
 
 
たとえ「大丈夫だよ」「我慢しよう」と励まれても、恐怖を自分の力だけで抑えることは難しいのです。
 
 

◆② 予測できないことへの不安|「落ちたらどうしよう」が止まらない

 
ASDの子どもの中には、先の見えないことや予測できない出来事に強い不安を感じやすい子がいます。
 
 
雷は、
  • いつ鳴るのかわからない
  • どこに落ちるのかわからない
  • いつ終わるのかわからない
というように、予測しにくい出来事です。
 
 
そのため、「雷、落ちない?」「落ちたらどうしよう…」と、まだ起きていないことを何度も心配してしまいます。
 
 
これは考えすぎなのではなく、不安を感じやすい特性が影響している場合もあるのです。
 
 

◆③ 過去の経験|「また同じことが起きるかも」と感じてしまう

 
ASDの特性として、印象に残った出来事を鮮明に覚えている子もいます。
 
 
例えば、
  • 雨の日に転んでしまった
  • 雷で停電して暗闇が怖かった
  • 突然の雨でびしょ濡れになって不快だった
 
 
そんな経験があると、「雨=嫌なこと」「雷=怖いこと」という強固な記憶となって、「また同じことが起きるかもしれない」という気持ちが強くなり、雨や雷そのものが怖くなってしまうことがあります。
 
 
大切なのは、「そんなに怖がらなくても大丈夫」と気持ちを打ち消すことではありません。
 
 
「この子なりに怖い理由があるんだ」と理解することが、安心につながる関わり方の第一歩になります。
 
 

 
 

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3.雷を極度に嫌って、学校に行けなくなっていた息子の話

 
 
我が家のASD傾向の息子も、雷を極度に嫌っていました
 
 
雨が降るだけでも家中のカーテンを閉めたり、遠くで小さな雷の音が聞こえただけで泣いてしまったりするほどでした。
 
 
幼稚園までは送り迎えがあったため、雨の日もなんとか乗り越えられましたが、小学生になるとそうはいきません。
 
 
雨の日や雷が鳴る日は登校しぶりがひどくなり、
「雷が落ちたらどうしよう…」
「大丈夫かな?」
と、不安そうに何度も聞いてくることもありました。
 
 
その頃の私は、「どうしてこの子はこんなに怖がるんだろう」「このままでは学校へ行けなくなってしまうかもしれない」と焦るばかり。
 
 
「大丈夫だから」「怖くないよ」と励ましたり、「学校へ行かなきゃダメだよ」と背中を押したりしていました。
 
 
当時の私は、雷への恐怖の背景に感覚過敏や予測できないことへの不安があるとは思ってもおらず、息子の苦しさを全く理解してあげられていなかったのです。
 
 
発達科学コミュニケーション(発コミュ)を学び、「子どもの行動には必ず理由がある」と知ってから、私が変えるべきだったのは、息子ではなく私の関わり方だったのだと気づきました。
 
 
そして、雷を怖がらせないことよりも、「怖い」と感じたときに安心できる経験を積み重ねることを意識するようになると、少しずつ息子の反応にも変化が見られるようになりました。
 
 
そこで次に、我が家で実際に取り入れて効果を感じた、雷が怖い子どもへの関わり方をご紹介します。
 
 
泣いてる子ども
 
 

4.今日からできる!雷が怖い子どもの安心を育てる4つの関わり方

 
子どもが安心できる状態を少しずつ増やしていくためには、ただ「大丈夫だよ」と励ますだけではなく、
 
  1. 気持ちを受け止める
  2. 不快な刺激を減らす
  3. 「分からない」を減らす
  4. 安心できた経験を積み重ねる
 
という関わりが大切です。
 
 
ここからは、我が家で実践して効果を感じた4つの方法をご紹介します。
 
 

①「怖いね」と気持ちを受け止める

 
まず大切なのは、子どもの気持ちを否定しないことです。
 
 
「今の雷の音、すごく大きかったね。びっくりしたね。」
「怖かったね。お母さんがそばにいるから大丈夫だよ。」
 
 
そんなふうに気持ちを受け止めてもらえるだけで、子どもは「分かってもらえた」と安心できます。
 
 
我が家でも、「大丈夫だから」と励ますより、「怖いよね」と気持ちに寄り添うようになってから、息子も少しずつ落ち着いて話を聞けるようになりました
 
 
反対に、 「大したことないよ」 「我慢して!」 という言葉は、子どもにとっては「分かってもらえなかった」という気持ちにつながってしまうことがあります。
 
 

② 音や光など、不快な刺激を減らす

 
雷そのものをなくすことはできませんが、不快な刺激を減らす工夫はできます。
 
 
例えば、
  • イヤーマフやヘッドホンを使う
  • カーテンを閉めて雷の光を遮る
  • 好きな音楽を流して雷の音が気になりにくい環境をつくる
などです。
 
 
我が家でも、「我慢する」ことを目標にするのではなく、「安心して過ごせる環境づくり」を意識するようになりました。
 
 

③ 「分からない」を減らして安心につなげる

 
「雷、ここに落ちない?」「落ちたらどうしよう…」と、まだ起きていないことを何度も心配してしまうときは、ごまかしたりせず、雷の仕組みを子ども向けの本や動画で一緒に学んだり
 
 
「今は雨雲が通っているところだから、しばらくしたら落ち着きそうだよ。」
「雷は雲の中の電気が集まって鳴るんだよ。」
 
など、子どもの理解に合わせて説明してあげることも安心につながります。
 
 
また、『だるまちゃんとかみなりちゃん』や『かみなりなんてこわくない』など、雷が登場する絵本を読むことも、雷への「怖い」イメージを和らげるきっかけになるかもしれません。
 
 
もちろん、一度知っただけですぐに怖くなくなるわけではありません。
 
 
それでも、「分からない」が少し減ることで、不安が和らぐこともあるます。
 
 

④ 「雷の日でも大丈夫だった」という経験を積み重ねる

 
怖い気持ちが少し落ち着いたら、「雷の日でも安心して過ごせた」という経験を少しずつ増やしていきましょう
 
 
例えば、
  • 普段は食べない特別なお菓子を用意する
  • 雨の日だけのお楽しみのおもちゃを出す
  • 好きな歌を一緒に歌う
  • 雷が鳴っている間は、いつもは制限しているゲームを解禁し、一緒に楽しむ
  • 「今日は雷が鳴ったけど、おうちで落ち着いて過ごせたね」と一緒に振り返る
などです。
 
 
我が家でも、このようにして「雷の日=怖い日」ではなく、「雷の日でも安心して過ごせた日」という経験を少しずつ増やしていくことができました。
 
 
雷への恐怖心は、子どもの成長とともに少しずつ和らいでいくことが多いです。
 
 
すぐに怖くなくならなくても大丈夫。
 
 
無理になくそうとするのではなく、焦らず子どものペースに合わせて、安心できる経験を積み重ねていきましょう。
 
 
 
 

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執筆者: 豊泉 えま
発達科学コミュニケーション トレーナー
 
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