不安が強い子の怒りは、わがままや反抗ではなく「困っている」というサインかもしれません。本記事では、怒りが起こる脳の仕組みや本当の理由、親が避けたい関わり方、そして気持ちを言葉にできる子へ育てる関わり方を実体験を交えて紹介します。
1.癇癪を起こしている子に「また怒ってる…」そう思っていませんか?
思い通りにならないと大泣きする。
癇癪を起こしてママを叩く。
兄弟を押してしまう。
パパに手を出してしまう。
少し注意しただけなのに怒り出す。
こんな姿を見て、
「どうしてそんなに怒るの?」
「もっと落ち着いて話してよ。」
「わがまま言わないで!」
そう声をかけてしまっていませんか?
毎日のように癇癪が続けば、ママも心に余裕がなくなります。
「また始まった…。」
「今日は何が原因なの?」
とため息をつきたくなる日もありますよね。
ですが、不安が強い子どもの怒りをよく見てみると、実は怒っているのではなく、「困っている」というサインであることが少なくありません。
怒りという行動だけを止めようとしても、親子ともに辛くなってしまいます。
だからこそ、怒りの奥に隠れている本当の気持ちに目を向けることが大切なのです。

「この癇癪、どう対応すればいいの?」と迷ったときに。
泣く・怒る・暴れる…
実は、癇癪には理由があります。
関わり方を少し変えることで、
落ち着いて過ごせる時間が増え、
ママの気持ちもラクになっていきます。
2.息子もそうでした。怒りの奥にあった本当の気持ちとは?
私の息子も以前は癇癪がとても多い子でした。
思い通りにならないと大声で泣き、地団駄を踏んだり、私に怒りをぶつけたりすることもありました。
当時の私は、
「落ち着いて!」
「そんなことで怒らないの!」
「なんで話を聞いてくれないの?」
と、なんとか癇癪を止めようとしていました。
しかし、その対応は息子を更に興奮させ逆効果、私も感情的になっていました。
まさに火に油を注ぐような状態で、毎回のように親子バトルになっていました。
私は、発達科学コミュニケーションで、子どもは「怒っている」のではなく、「困っている」のかもしれないという視点を学びました。
そこから息子の怒りを見る目が少しずつ変わっていったのです。

3.不安が強い子の癇癪はなぜ起こる?
心理学では、怒りは二次感情と呼ばれています。
つまり、最初に生まれる感情ではなく、その前に別の気持ちが隠れているということです。
例えば、
- 悔しい
- 不安
- 悲しい
- 恥ずかしい
- 分からない
- 助けてほしい
こうした気持ちが言葉にならないとき、人は怒りとして表現することがあります。
不安が強い子は、危険や変化を感じ取る脳の働き(扁桃体)が敏感なため、小さな出来事でも強いストレスを感じやすいと言われています。
例えば、
- 授業で分からない問題があった
- ゲームで負けた
- 兄弟がおもちゃを触った
- 急に予定が変わった
- 先生に注意された
大人には些細に見えることでも、本人の心の中では大きな出来事になっていることがあります。
すると、
「失敗した…」
「どうしよう…」
「怖い…」
という気持ちでいっぱいになります。
しかし、その気持ちをうまく言葉にできません。
その結果、
- 泣く
- 叫ぶ
- 叩く
- 物を投げる
- 怒鳴る
という行動になってしまうのです。
つまり、癇癪や怒りは困っていることを伝えるためのSOSなのです。

4.不安が強い子には「叱る」よりも大切な親の関わり方
もちろん、人を叩いたり物を投げたりする行動は止める必要があります。
ですが、
「怒っちゃダメ!」
「泣かない!」
「そんなことで怒らない!」
と言われても、子ども自身はどうしたらいいのか分かりません。
なぜなら、本人も困っているからです。
まずは安全を確保し、落ち着ける環境を整えましょう。
そして気持ちが落ち着いてから、
「悔しかったのかな?」
「分からなくて困ったんだね。」
「怖かったのかな?」
と、怒りの奥にある気持ちを代弁してあげます。
「これで合っているかな?」という気持ちで十分です。
正解を当てることではなく、「分かろうとしてくれた」という安心感が、子どもの心を落ち着かせます。
そして、その積み重ねが感情と言葉を結び付け、「怒る」ではなく「伝える」力を育てていくのです。

5.息子が少しずつ変わった!「怒る」から「伝える」へ
私も最初から上手くいったわけではありません。
それでも、怒りを止めようとするのではなく、「何に困っていたのかな?」という視点で息子を見るようにしました。
癇癪の最中は無理に理由を聞かず、落ち着いてから一緒に振り返る。
そして、
「悔しかったね。」
「急に変わってびっくりしたね。」
「分からなくて困ったんだね。」
そんな言葉を少しずつ積み重ねていきました。
すると息子は少しずつ、
「分からなかった。」
「やりたくない。」
「手伝って。」
「ちょっと休みたい。」
と、自分の気持ちを言葉で伝えられる場面が増えていきました。
もちろん、息子は今でも怒ることはあります。
しかし、以前のように怒りだけで終わることは少なくなり、「困っていること」を伝えられるようになったことで、親子で一緒に解決策を考えられる場面が増えました。
子どもは、大人とのやり取りの中で、「これは悔しい」「これは不安」「助けてほしい」という言葉を覚え、少しずつ自分の気持ちを整理できるようになります。
不安が強い子の癇癪や怒りは、「困らせたい」「反抗したい」という気持ちから起きているわけではありません。
その奥には、言葉にならない不安や悲しさ、悔しさが隠れていることが少なくありません。
だからこそ、怒りという行動だけを見るのではなく、その前にどんな出来事があり、どんな気持ちがあったのかを一緒に探してあげることが大切です。
子どもの「困っているよ」という小さなサインに気づき、その気持ちを言葉にしてあげる経験を積み重ねることで、子どもは少しずつ「怒る」のではなく、「伝える」方法を身につけていきます。
その変化は、子どもだけではなく、親子の関係も少しずつ穏やかに変えてくれるはずです。

毎日の癇癪に、どう対応すればいいのか迷っているママへ。
癇癪には理由があり、
関わり方を少し変えることで、
落ち着いて過ごせる時間は増えていきます。
執筆者:たるみ あや
発達科学コミュニケーション アンバサダー




