小学生のお子さんの字が汚いことにお悩みのママはいませんか?お子さんが字を書くことが苦手で、漢字練習の宿題などを嫌がったりするのは、実は発達の特性が隠れていることがあります。そんなお子さんのやる気を引き出す声かけのコツをご紹介します。
1.なんでうちの子、こんなに字が汚いの?
「うちの子、字が汚くて…。」
「もっと丁寧に書けないのかな?」
「書き順、めちゃくちゃなんだけど…」
普段、お子さんの学習を見ていて、こうしたことが気になっているママはいませんか?
または、お子さんが文字の書き取りの宿題が苦手でやりたがらなかったり、
ママが良かれと思ってアドバイスをしようとすると宿題の途中で癇癪を起こしてしまう、そういったことで悩んでいるママはいませんか?
小学校の宿題で漢字の書き取りは、学年を問わず毎日出されるものの一つですよね。
そんな毎日の宿題に苦手意識があるとお子さんも、それをチェックするママも辛いですよね。

2.練習させようとすればするほど書けなくなる
私も子どもの字が汚いことが気になっていたママの一人です。
うちの次女はお世辞にも字が上手とは言えません。
基本的に書き方が雑で、止め、はらいなども気にせず、書き順もめちゃくちゃ、字のバランスも悪いです。
漢字練習帳で薄い線の上をなぞる練習では、きちんと線の上をなぞることができず、その上、筆圧が弱いので、薄くひょろひょろとした文字になっていました。
また、小学1年生のころから習字を習わせていましたが、お友達がどんどん昇級していくなか、うちの子だけ全く級が上がりませんでした。
「どうしてお手本を見て丁寧に書こうとしないんだろう?」 「どうして先生に直されたところを直そうとしないんだろう?」と 次女のやる気のなさを残念に思っていました。
そんな次女に対して、私はなんとか字をきれいにかけるようにしてあげたいと思い、
宿題をやっているのを横で見ながら、「鉛筆の持ち方がちがう!」とか「書き順が違う!」とか「もっとお手本、ちゃんと見て!」などと口うるさく教えていました。
そうすると、子どもはイライラし始め、怒ったり泣いたりして癇癪を起こし、宿題が中断してしまうということがありました。
こんなことを繰り返しているうちに、「宿題やりたくない!」、「漢字嫌い!」となっていってしまったのです。
そして、習字教室も嫌がって行かなくなってしまいました。

3.「字を書くのが苦手」の裏には、発達の特性があるのかも…
発達に特性のある子たちの中には、脳機能の偏りにより、字を書くのが苦手という子がいます。
代表的なものは、学習障害(LD)の一つで書字障害(ディスグラフィア)というものです。
これは、知能の遅れはなくても文字を書こうとすると時間がかかったり、正しい形に書くことができないという困難があります。
他にも、発達に特性のある子どもたちによくある特徴として、
・ものを見ながら手を動かすなど、手や目を同時に使う協調運動(目と手の協応)が苦手で、手の動きをうまくコントロールできない。
・自分の興味のない活動(特に繰り返し練習するようなもの)はやりたがらず、集中力が続かない
・感情のコントロールが苦手で、癇癪を起こしやすい
といったようなものがあります。
このように、字が上手に書けないのは、本人が怠けていたりやる気がないというわけではなく、発達の特性が隠れていることがあるのです。
そのため、いくら「もっと丁寧に書きなさい」と言われても、発達特性によるもののため、本人もどうすることもできないのです。
私の次女も小学3年生で不登校になったことをきっかけに受けた発達検査で、発達の凸凹があることがわかりました。
うちの娘の場合は、ワーキングメモリーの数値が低く、黒板を見ながら板書をとるなどのマルチタスクが非常に苦手ということがわかりました。

4.字を書くのが苦手な小学生のやる気を引き出す声かけのコツ
こうした字を丁寧に書くのが苦手な子どもに対してどのように接すればいいのでしょうか?
私が実践したのは2つです。
①できているところにだけ注目する!
②できていないことはスルー!
ご説明しますね!
①できているところにだけ注目する!
一文字でもいいのです。 少しでもうまくかけている字があれば、それを見つけて褒めてあげましょう!
「この”れ”、丁寧にかけてるね!」
「ここのハネがかっこよくかけてるね!」
文字の形以外にも、 「漢字の宿題やってるんだね!」 「たくさん書いたね!」 など、できていることをそのまま肯定します。
②できていないことはスルー!
ママが気になることはたくさんあると思います。
・書き順がめちゃくちゃ!全然違う!!
・バランス悪すぎ!
ついつい、言いたくなってしまうと思います。
でも、我慢です!
できていないところはスルーしてOKです!
あれこれ言って癇癪を起こしてしまってやらなくなるより、下手でもやることが大事だからです!
私がこのような関わり方に変えたことで、うちの次女は漢字の練習を嫌がったり途中で癇癪を起こすようなことが激減しました。
そして、丁寧に文字が書けることが増えました。
宿題をやっている途中に、「お母さん、見て!この字、すごくきれいに書けたよ!」と見せに来てくれるようにもなりました。
そんなときは、「本当だ!ここのはらいがいい感じに書けてるね!」などと褒めてさらにやる気アップにつながるようにしています。
ぜひ、みなさんもこのテクニックを試してみてくださいね!

執筆者:中川 まさみ
発達科学コミュニケーション トレーナー