「トイレは不安でムリ…」そんなASDの子どもがトイレトレーニングに成功!ママの関わり方のヒント

ASD,トイレ,トレーニング
いつ終わるの?と、トイレトレーニングに悩む毎日を過ごしていませんか?本記事では、ASDの子どもがトイレトレーニングに時間がかかる理由やわが子の成長の記録や親としてできる工夫をお伝えします。
 
 

1.いつ終わるの?と、トイレトレーニングに悩む毎日を過ごしていませんか?

 
 
・なかなかオムツが取れない
・もうすぐ小学生なのに、一人でトイレに行けない
・「焦らずゆっくりでいい」と思いながらも、ついイライラしてしまう
 
トイレトレーニングの悩みは、多くの親が通る道。
 
 
でも、周りの子が次々とできるようになる中で、「うちの子だけ、なんで…?」と不安になることもありますよね。
 
 
この記事では、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもがトイレトレーニングに時間がかかる理由と、わが子ができるようになるまでに親として工夫したことや成長の様子をお伝えします。
 
 
トイレ
 
 
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2.年長さんになってもトイレに座れない息子に、不安な気持ちが募っていました

 
 
息子はASDのグレーゾーンといわれています。
 
 
当時、年長だった息子は立っておしっこはできるけど、トイレに座ってうんちをすることができませんでした
 
 
うんちをする時は、必ず部屋の隅に隠れてオムツでしていました。
 
 
何度もトイレでしてみようと声を掛けてきましたが、「やだー!」と怒って逃げてしまう
 
 
もう少し幼い頃は、トイレトレーニング用のシールを貼ったり、携帯のアプリなどを使って、褒めながらできていましたが、そういったモノも効果が無く「嫌だ」と言われるだけ…
 
 
「来年から小学生だし、学校でしたくなった時困るだろうし…」
「周りの子はほとんどトイレトレーニングが完了しているのに、我が子はなんで?」
 
不安な気持ちでいっぱいでした。
 
 
嫌になる
 
 

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3.ASDの子どもがなかなかトイレに慣れないのは、どうして?

 
 

♦ASDの特性による「感覚の敏感さや鈍感さ」や「こだわり」

 
ASDの子どもには、感覚がとても敏感な子がいます。
 
例えば…
・トイレのにおいがイヤ
・水を流す音が怖い
・トイレの暗さや狭さが苦手
 
こうした感覚の違いから、トイレの環境そのものが「こわい場所」に感じてしまうことがあります。
 
 
逆に感覚が鈍感な子どもは、おしっこが溜まる感覚に気付きにくかったりすることもあります。
 
 
また、筋力の弱さから、うんちのときにトイレに座った姿勢だとうまくいきめなかったりすることもあります。
 
 
・おむつを履いていないと排泄できない
・カーテンの後ろに隠れながらでないとできない
 
といった排泄する場所へのこだわりがあることも考えられます。
 
 
便座に座るのが嫌だったり、足がぶらぶらしているとうまく力が入らず排泄ができない子もいるようです。
 
 

♦ASDの特性による「強い不安」

 
ASDの子どもは「不安を感じやすい」タイプの子も多いです。
 
 
これは、脳の中にある扁桃体(へんとうたい)という場所の働きが未熟なことと関係しています。
 
 
ここで大事なのは、「不安」と「恐怖」は違うということ。
 
 
恐怖は、「こわいものが目の前にある」ときの気持ち(例えば、知らない犬が吠えている)
 
不安は、「何がこわいかは分からないけど、なんとなく怖い」という気持ちです
 
 
不安は、頭の中でどんどんふくらんで、実際には何も起きていないのに、強いこわさを感じてしまうこともあります。
 
 
ASDの子は、この「ふくらんだ不安」を強く感じやすい子も多く、大人が見て「そんなに怖がることじゃないよ」と思うことでも、本人にはすごく大きな不安になっているのです。
 
 
だからこそ、「こわくないから大丈夫!」と声をかけるだけでは子どもの気持ちはおさまりません
 
 
不安を感じている理由に寄りそいながら、少しずつできることを増やしていきましょう。
 
 
不安
 
 

4.ASDの子どもが「トイレ怖い」を克服するための2ステップ

 
 

♦カウンセリングモードで子どもの不安な気持ちを受け止める

 
子どもが「トイレでしたくない!」と嫌がったら、「そっか。いやなんだねー」と子どもの言ったことを受け入れます
 
 
この時、ママの意見や気持ちを言わず、子どもの感情に流されないよう様子を見ます
 
 
トイレから逃げてしまって拒否反応が強いようなら、無理にトイレに誘わないようにしましょう
 
 
子どもが落ち着いてる時に、「トイレでするのはなんで嫌かな?」と聞いてみます
 
 
「やだー」「わからない」などすぐに答えてくれないこともあると思いますが、子どもが落ち着いてる時、機嫌が良い時などに話してくれることもあるかもしれません。
 
 
他には、お子さんの様子を観察し、ママが考えられる理由を聞いてみるのもお勧めです。
 
 
自分の嫌なことを上手く伝えられない子でも、ママが聞いてくれたら気付くことができるかもしれません。
 
 
この方法で息子がトイレで嫌なことが少しずつ分かることができました。
 
 
「トイレ怖くないよ!大丈夫だよ!」と言うよりも、 「そっかー。そうなんだね。」と気持ちを受け止めてあげ、子どもの不安な気持ちを全部聞いてあげる
 
 
そして、「そっかー匂いが嫌だったんだねー」「穴が怖かったんだねー」と理解を示してあげる
 
 
そうすることで、「ママが分かってくれた!」と安心し、次の一歩に進めます。
 
 

♦スモールステップで進める

 
理由が分かったら、子どもと一緒に何ができるかな?と考えます
 
 
我が子の場合の対応
・トイレの匂いが嫌→消臭剤を一緒に選んで好きな香りにする
・足がブラブラする感じが嫌→子どもの高さにあった踏み台を買う
・トイレの穴が怖い、うまく力を入れられない→おまるから試してみる
 
など、できることから始め、少しずつトイレへの不安を解消することから始めました
 
 
息子は、私の提案に「一秒だけならやる」とやってくれることがありました。
 
 
「(オムツだけど)おまるに触りながらできたね!すごい!」「一秒だけ、おまるに座れたね!」と少しでもできたことを褒めることで、成功体験が積み重なって自信につながります
 
 
できたら、ニコニコ笑顔で褒め、成功体験の記憶を作っていきましょう。
 
 
この時、できた経験が記憶に残りやすいよう、ハイタッチなどのボディタッチをして褒めるのもお勧めです。
 
 
OK
 
 

5.息子がトイレトレーニングに成功!

 
 
私や兄が実際にトイレに座り、「穴に落ちないよ。大丈夫だよ。」という姿を見せ、理解させるようにもしました。
 
 
理解ができると不安は少しずつ解消されていきます
 
 
トイレでうんちができるようになるまでには時間がかかりましたが、
 
「おまるにちょっとだけでも座ってみない?」
「できたら好きなお菓子を1つ買えるよ!」
 
など、息子がやってみたくなるような声かけとご褒美で、やる気を引き出しました
 
 
ご褒美は、言葉の褒めとセットであげることで、ご褒美をもらわないとやらないということが防げます。
 
 
できるようになるまで、やる気を引き出すのにご褒美は有効です!
 
 
息子の不安を聞きながら、スモールステップで少しずつ進めていくと、「トイレ=こわい」という気持ちがだんだんと薄れていきました。
 
 
小学校に入る前には、家でも外でも、ひとりでトイレに座ってうんちができるようになりました
 
 
お子さんによってトイレが苦手な理由はそれぞれ違うと思いますが、まずは「トイレが怖い・不安」を取りのぞいてあげることが大切だと感じています。
 
 
トイレトレーニングは、子どもによって進み方も違います。
焦らず、ママも肩の力を抜いて取り組めるといいですね。
 
 
わが家の経験が、同じように悩んでいる方の参考になったら嬉しいです。
 
 
男の子
 
 
 
 
 
執筆者: 木村 まい
発達科学コミュニケーション アンバサダー
 
 
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