我が子に「友達がいないかも…」と思うと、とても心配になってしまいますよね。この記事では、友達がいないことを必要以上に心配しなくてもよい理由と「人と会話することは楽しい」と感じられるようになるためにおうちでできる関わり方についてお伝えします。
1.「友達がいなくて大丈夫?」と心配しているママへ
小学生の我が子に 「友達がいない」「友達が少ない」。
そんな様子を見て、不安になるママはいませんか?
友達をたくさん作って、楽しい毎日を送って欲しい。
そう願うのは、親としてとても自然な気持ちですよね。
でも実は、子どもによっては「友達と遊ぶことよりも一人の時間を大切にしたい」 そんなタイプの子もいます。
特に、自閉スペクトラム症(ASD)の特性をもつ子の中には、
・気持ちをうまく言葉にできない
・友達同士の会話のテンポについていけない
・そもそも友達を強く必要としていない
・一人で過ごす時間が好き
といった理由から「誰かと話すこと」を楽しいと感じにくい子がいます。
そのため、「友達ともっと遊びなさい」「お友達作らないとだめだよ」と無理に促してしまうと、かえって負担になってしまうことも。
この記事では、友達がいない・少ない子どもを必要以上に心配しなくてもよい理由と、そんな子どもが「誰かと話すのも悪くないかも」と感じられるようになるために、おうちでできる関わり方をお伝えします。

2.友達が少ない息子を心配する日々
私の息子は、幼稚園の頃から特別仲の良い友達がいない様子でした。
小学生になって、やっと気の許せる友達が一人できましたが、その子以外とはほとんど関わることがないようでした。
「もっとたくさんの友達を作って、楽しく過ごして欲しい」
そう思っていた私は、つい息子にこんな声をかけていました。
「話しかけてみたら?」
「あの子、気が合いそうじゃない?」
でも息子は、自分のスタイルを変えることはありませんでした。
休み時間は一人で過ごすことが多く、登校も一人。
下校時は、仲の良いお友達と二人で帰ることもありましたが、あまり面識のない子が加わるのは苦手なようで、気づけば一人でそっと帰ってくることがほとんどでした。
「複数人の友達と関わる」ということが息子には難しいように見えました。
また、登校時や休日にクラスメイトに会っても、自分から挨拶をすることはほとんどありません。
話しかけられれば答えるけれど、自分から話しかけることはほぼない。
そんな様子を見ていた私は「このままで将来大丈夫なのだろうか?」と本気で心配していました。

3.友達よりも大切なママとの関係
そんな中、Nicotto講座の学びの中で、私はこんな言葉を聞きました。
「友達がいなくても、大丈夫」
この言葉を聞いた時、私は驚きと同時にふっと肩の力が抜けるような安心感を覚えました。
ASDの子どもには「気持ちをうまく言葉にできない」という特性があることがあります。
「友達になりたい」という気持ちがあっても、何を話せばよいのかがわからず、黙ってしまうことも少なくありません。
だからこそ、まず大切なのは「お母さんとの1対1のコミュニケーション」。
1対1の安心できる関係の中で、感情のやり取りや共感の経験を積み重ねていくことで、その力は少しずつ他の人との関係にも広がっていきます。
誰かひとりでも、たとえそれが家族であっても「安心して関われる相手」がいれば大丈夫。
小学生のうちは、無理に人間関係を広げる必要はないのだと知りました。
また、人はテンションが上がった時、自然と「誰かに話したい」という気持ちになります。
それは、ASDキッズでも同じです。
特に、自分が好きなことやハマっていることについては、驚くほどたくさん話してくれることもありますよね。
もし、家でASDキッズが楽しそうに話してくれる場面があるのなら、それはすでに「話すことが楽しい」という感情が育っている証拠です。
その時間をたっぷり受け止めてあげることが、テンションを上げる練習であり、 誰かと話す練習にもつながっていきます。
一方で、やってはいけないのは見知らぬ子どもの輪に無理に入れたり、本人の気持ちを置き去りにして関わりを強制すること。
「たくさんの人と付き合えれば良い」というわけではないのだと私は学びました。

4.「誰かと話すことは楽しい」を息子に伝えるために心がけた2つのこと
そこで私は「自分が息子の一番の親友になろう」と決め、2つのことを心がけました。
① 毎日向き合って話す時間を作ること
これまでの私は、忙しさを理由に息子の話を真剣に聞けていないことがありました。
とりあえず相槌を打ったり「その話長くなる?」などと先を急かしてしまったり…。
そこで1日に1回、とことん息子の話を聞く時間を作ることにしました。
ただ聞くだけでなく、質問を投げかけながら会話のキャッチボールを意識しました。
そして息子の話に共感する。
「誰かと話すことは楽しいんだ」
「気持ちは、ちゃんと伝わるんだ」
そう感じてもらえるように、息子の話を受け止めることを大切にしました。
② 「一緒に楽しく行動する」機会を増やすこと
以前の私は「息子の遊びに付き合ってあげている」という感覚で過ごしていました。
お出かけも「本当は行きたいわけじゃないのに…」と思っていたこともありました。
私に足りていなかったのは「一緒に楽しむこと」。
ただ「一緒に出かける」のではなく「自分自身も楽しむこと」を心がけました。
トランプ、レゴ遊び、ぬいぐるみ遊び、お出かけ…。
楽しい体験を共有することで、自然と共通の話題が増え、会話もはずむようになっていきました。
この2つに共通しているのは「共感」です。
これまでの私は「共感」が足りていなかったのだと思います。
共感すること、 共感してもらうこと。
その心地よさを体験することで、息子は少しずつ「誰かとコミュニケーションを取るのは楽しい」と感じられるようになっていきました。

5.息子に起こった変化
私との会話が徐々に良いものになっていくと、息子は私なしでも夫や他の家族とも話が上手にできるようになりました。
話しをするだけでなく、相手の話を聞いたり、質問をすることも少しずつできるようになってきました。
以前は話が長くなりそうな場面になると、あからさまに嫌そうな表情をしていましたが、そうした態度も次第に減ってきたように感じます。
息子のコミュニケーションは、ゆっくりではありますが確実に変わってきています。
私や家族との関係をしっかり結んだ先に「友達」という存在がいるのだと思います。
そう思いながら、これからも息子との日々の関わりを丁寧に続けていきたいです。
もし、お子さんに「友達がいない」「友達が少ない」と悩んでいるママがいたら、心配しすぎなくて大丈夫です。
まずは、ママが一番の親友になって、お子さんとの安心できる関係を結んでいってくださいね。

執筆者: 三谷 のぞみ
発達科学コミュニケーション アンバサダー




