「そろそろ勉強させた方がいい?」迷ったときに知っておいてほしい、不登校の子の回復サイン

タブレットを見る男の子
不登校の子どもが少し元気になってくると、勉強を再開させるタイミングに悩みますよね。実体験をもとに、見た目だけでは判断できない回復の段階と、子どもが自分から学びに向かえるようになった関わりをお伝えします。
 
 

1.元気になってきた今、動いていいのか迷っているママへ

 
 
不登校期間が長くなってくると、
 
「前より笑顔が増えた気がする」
「少し安心して過ごせているかも」
 
と、子どもの変化を感じることがあります。
 
 
それは、回復が進んでいる大切なサインです。
 
 
一方で、元気そうな姿を見て「そろそろ勉強させた方がいいのかな?」と、次の一歩に迷い始めるママも少なくありません。
 
 
勉強をきっかけに、また子どもの笑顔が消えてしまったら…。
 
 
そう思うと、声をかけること自体が怖くなり、なかなか動けずにいることもあるかもしれません。
 
 
この記事では、不登校の子どもが勉強に向かえるようになる回復のサインと、回復のサインが見られたときにママにできる関わりについてお伝えします。
 
 
悩んでいるママ
 
 

2.元気そうに見えた息子に、無理に勉強させようとしてしまった私

 
 
私自身も同じ迷いの中で、判断を間違えた経験があります。
 
 
私の息子は不登校になってから、全く勉強をしなくなってしまいました。
 
 
「不登校の子どもがこれまで通り勉強に向かうのは難しい」ということは知っていました。
 
 
しかし、「息子だけ遅れてしまう」という焦りから、不登校初期の頃はよく「勉強」させようとしていました。
 
 
今考えるとそれが、息子の回復を遅らせてしまっていたように思います。
 
 
その失敗から「勉強は回復が進んでからにしよう」と決め、勉強よりも安心して過ごせるよう意識して関わっていました。
 
 
すると半年くらい経った頃、前よりも笑顔が増え、元気になってきたように感じる場面が多くなってきました。
 
 
ここで私は、「そろそろ勉強しない?」と、息子の状態をきちんと確認することなく声をかけてしまったのです。
 
 
今振り返ると、この時の息子は前よりは元気そうに見えても、まだ勉強に取り組める状態ではありませんでした。
 
 
楽しそうだった息子が急に黙って、「どうして勉強させようとするの?」と言ったのです。
 
 
「元気そうに見えても、勉強に向かえるわけではない」ということに気づいた瞬間でした。
 
 
俯く男の子
 
 

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3.見た目と心の状態のギャップ

 
 
その後、Nicotto講座で不登校について学ぶ中で、「見た目」だけでは回復の段階は判断できないことを学びました。
 
 
いくら見た目が元気そうでも、心の中の状態は違うことがあります。
 
 
日中は元気でも、寝る前にふと悲しい記憶を思い出す子もいます。
 
 
元気そうに見える姿だけで「もう大丈夫」と判断することはできないのだと、後になって気づきました。
 
 
この時の息子もまだ、「心のエネルギーを少しずつ取り戻している途中」だったのです。
 
 
息子は不登校初期の頃、自信をなくし、食事や睡眠も十分に取れないような状態でした。
 
 
とても深く傷ついた息子が勉強に向かえる段階まで回復するには、私が想像していたよりももっと長い時間が必要だったのです。
 
 
また、不登校の子どもの中には「学校」に対して持っているネガティブな感情が強く残ってしまう子がいます。
 
 
息子の場合も、学校でつらかったことを寝る前に思い出すことが度々ありました。
 
 
ですから、「勉強しよう」という学校を連想させる誘い方ではない方法を考えるようになりました。
 
 
手のひらにいっぱいのハート
 
 

4.「楽しい」と勉強をセットにする「自信と好奇心を育む関わり」

 
 
そこで私は「勉強させる」のではなく、「学ぶことは楽しい」という気持ちを育むことを目標にすることにしました。
 
 
そのために「楽しい」と勉強をセットで考えるようにしました。
 
 
まずは、息子が興味のある分野の図鑑を一緒に眺めたり、その内容についてたくさん話したりすることから始めました。
 
 
話すときには、
 
「ママ、知らなかった!」
「そんなこと知ってるんだね」
 
こんなふうに、息子の自信を育むことができるような声かけを意識しました。
 
 
また実際に、動物園や科学館などに出かけ、好奇心が刺激される体験を増やすことも大切にしました。
 
 
実際に出かけて、色々な生き物や展示物に触れる中で、息子の興味は少しずつ広がっていったように感じます。
 
 
以前は、ほとんど説明書きに目を向けることのなかった息子が、展示の説明を自分で読んだり、係の人の話をじっと聞いたりする姿も見られるようになってきました。
 
 
そうした様子を見ているうちに私は、「今度こそもしかしたら、少しずつ勉強に誘ってみてもいいのかもしれない」と感じるようになりました。
 
 
そこで、息子が興味を持っている動物や宇宙の漢字だけを書く家庭学習ノートを作り、
 
「〇ページやったら、ご褒美がもらえるんだけど、やってみる?」
 
と、そっと声をかけてみました。
 
 
すると、息子は「やってみたい」と言ったのです。
 
 
その後、息子は興味のある分野や、小さなご褒美とセットであれば、少しずつ勉強に向かえるようになってきました。
 
 
勉強に対して抱いていたネガティブな気持ちも、だんだんと薄れていったように感じます。
 
 
ただし、心がまだ十分に回復していなかった時期には、どれだけ「楽しいこと」とセットにしても、息子が勉強に向かうことはありませんでした。
 
 
苦手だった勉強に「楽しい」がプラスされることで、机に向かえるようになる。
 
 
それは、心の回復がある程度進んだからこそ現れたサインだったのだと、今では思います。
 
 
自信の文字を持つ手
 
 

5.自分から机に向かうようになった息子

 
 
不登校になってから、半年以上勉強に向かうことができなかった息子でしたが、興味のあることをきっかけに、少しずつ机に向かえるようになってきました。
 
 
最初は、2学年下くらいの内容から始めた勉強でしたが、今では現在の学年の内容に取り組めるようになっています。
 
 
私が一番嬉しかったのは、私が無理にやらせなくても、息子が「やろう」と決めて、自分から机に向かう姿が見られるようになったことです。
 
 
振り返ってみると、一番大切だったのは、息子のペースを大切にすることだったのかもしれません。
 
 
勉強をする時間も、量も、内容も、息子が決めていい。
 
 
勉強するタイミングは子どもの中にあるのだと思います。
 
 
私は、勉強を「させる」のではなく、息子が「やる」と決めたときに、そっと支える立場でいたいと思うようになりました。
 
 
不登校のお子さんを見ていて、
 
「いつ勉強させたらいいのだろう」
「このまま勉強しなくて大丈夫なのだろうか」
 
と悩んでいるママに、私が一番伝えたいことがあります。
 
 
それは、まずは子どもの心の状態を、よく観察してほしいということです。
 
 
「楽しいこと」とセットなら勉強に向かえるのか。
 
 
それでもまだ向かうことができないのか。
 
 
もしどれだけ工夫しても辛そうなら、まだ勉強のタイミングではないのかもしれません。
 
 
焦らなくても大丈夫です。
 
 
子どものペースを見ながら、一歩ずつ進んでいってほしいと思います。
 
 
タブレットを見る男の子
 
 

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執筆者:三谷 のぞみ
発達科学コミュニケーション アンバサダー
 
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