打ち上げ花火の音が苦手で全力で花火へのお出かけを拒否する!なんてお子さんはいませんか?そんな子どもが「花火、キレイだね」と楽しめるようになった対応をご紹介します。
1.打ち上げ花火が「怖い‼︎」と泣き叫ぶ我が子
現在私には小3の娘と小5の息子がいます。
娘を初めて打ち上げ花火を見せてあげようと連れていった時のことです。
喜んでくれると思っていたのに、娘はまさかの大泣きで帰りたいと訴えました。
周りの目線も気になり、結局、花火をほんの5分も見ずに帰ったのです。
「まだ早かったかな?」
「ちょっとびっくりしたかな?」
とその時は深く考えずに、いずれ楽しめるようになると思っていました。

2.家族みんなで花火大会が楽しめなかった過去
成長とともに「今年はいけるかな?」と何度か花火大会にトライしました。
ですが、そのたびに娘は、全力で「無理!帰りたい!」と拒否し、家族みんなで引き返すことに。
兄にも我慢させてしまったことがありました。
私自身も夏の思い出作りとして家族で花火にいきたかったので、
「大丈夫!怖くないよ!」
と説得したこともありましたが、
「イヤだ!、行かない!」
その言葉に私はイライラさえもしていました。
「あんなにキレイなのに、なにが一体怖いの?」
その時は理由が全くわかりませんでした。
花火大会に兄は行きたがるので、お父さんと兄だけが花火大会を見に行き、私と娘はお留守番という状況に私はとても不満でした。

3.ASDの子どもは音に対する感覚が過敏だった
私が発達科学コミュニケーション(発コミュ)を学んだことで、娘が聴覚過敏であることを知りました。
ASDの子どもは聴覚の刺激に強く反応しやすい傾向にあり、普通の人が 「少しうるさい」と感じる程度の音でも、ASDの子どもにとっては 「痛い」、「怖い」といったことを感じるようでした。
他の音に対する子どもの反応を振り返ってみると確かに、人混みのガヤガヤした状況や、赤ちゃんの泣き声などに耳を塞ぐ様子があったことにここで初めて気がつきました。
また、ASDの子どもは「予測できないこと」に不安を感じやすく、 突然の大きな音(チャイム・雷など)に強いストレスを感じているということを知りました。
私自身が娘のつらさを今まで気づいてあげられていなかったことにとても申し訳なさを感じ、
「花火の音がイヤだったんだね。無理に連れて行こうとしてごめんね」
と本人にあやまりました。

4.「花火キレイだね」と言えるようになった子ども
それからは、無理に花火大会の会場に出向くことはしませんでした。
まずは地元で開催される大きな花火大会をテレビ画面越しに見てみたり、遠くから車で眺めてみたりと、音の影響のない状況で花火を楽しむようにしてみました。
すると本人の口から
「花火、キレイだね」
という言葉を聞くことができました。
耳からの音にストレスを感じていたのが、目で見てキレイと感じることができてるんだと嬉しくなったことを覚えています。
今では
「ちょっとうるさいけど、花火は好き」
と言うようにまでなり、自分なりの付き合い方を見つけることが出来ています。

5.無理に慣れさせようとしないで!
娘のことを知る中で、私たちにとっては何気ない音でも、ASDの子どもにとっては大きな負担になっていることがあるのだと知りました。
チャイム、誰かの笑い声、予期しない突然の大きな音。
周りの人には気にならない音でも、その子には全てが同じボリュームで押し寄せてきて、ストレスに晒されている状態になることもあります 。
もしイメージしづらいと感じたら、参考として川崎フロンターレ公式チャンネルの「感覚過敏の擬似体験」VR映像をご覧になってみてください。
▶ 【感覚過敏の擬似体験】VR映像(川崎フロンターレ公式YouTube)
※聴覚過敏の子の音の感じ方を知るきっかけになればと思います。
「こんなふうに聞こえることもあるんだ」と知るだけでも、子どもの見え方や感じ方を想像するきっかけになるかもしれません。
だからこそ私に必要だったのは、「慣れれば大丈夫」と無理に我慢させることではなく、娘が安心できる方法を一緒に探していくことでした。
私が心がけたのは、次のようなことです。
①「これから、すこし大きな音がするよ」と事前予告
日々の生活の中で、避けては通れない音ももちろんあります。
事前告知があるだけでも、本人の心の準備ができます。
また、イヤーマフを使用することでも、本人のお守りとなって安心に繋がります。
②「静かな場所」を作ってあげる
外出先や学校など、音の多い場面では子どもが一時的に避難できる静かな場所を作ってあげる。
③「無理に慣れさせよう」としない
「慣れれば大丈夫」と思いがちですが、無理に我慢させると、不安や恐怖が積み重なってしまうことがあります。
大切なのは『この子のペース』で安心できる経験を重ねていくこと 。
テレビで見る、少し離れた場所から見る、イヤーマフを使うなど、花火の楽しみ方はひとつではありません。
「今日はがんばったね」と受け止めることで、子ども自身が安心の記憶を増やしていけます。
耳をふさいでいる時、泣いている時、ママがそっと寄り添ってくれるだけで子どもの安心につながり、子どもの心も少しずつ穏やかになっていきます。
それはママの優しさと理解があるからこそのサポートです。

執筆者:まさき つむぎ
発達科学コミュニケーション アンバサダー




