夏休みの宿題ができない子どもを見て、「このままで夏休み中に終わるのかな」とヤキモキしていませんか。宿題ができない、なかなか進まないのには理由があるのかもしれません。子どもがやる気になる3つの工夫をご紹介します。
1.夏休みの宿題ができないのはなぜ?
「夏休みの宿題をなかなかやらない…」
「計画的に進めてほしいのに、このままで夏休みが終わるまでに終わるのかな」
とヤキモキしてしまいますよね。
宿題ができない理由は、一つではありません。
宿題の内容が難しかったり、書くことが苦手だったり、見通しが立たず何から始めたらいいのか分からなかったりと、子どもによって理由はさまざまです。
「どうしてやらないの?」ではなく、「どこで止まっているんだろう?」 そんな視点で見てあげることで、子どもが行動しやすくなることがあります。
ママのちょっとした工夫で、「やってみようかな」と動き出せることもあるのです。
この記事では、計画的に宿題ができない理由と、子どもが「やってみよう!」と思えるママの工夫をご紹介します。

「この癇癪、どう対応すればいいの?」と迷ったときに。
泣く・怒る・暴れる…
実は、癇癪には理由があります。
関わり方を少し変えることで、
落ち着いて過ごせる時間が増え、
ママの気持ちもラクになっていきます。
2.夏休みの宿題がたまっていき、親子ゲンカをしていた過去
私の息子は、自閉スペクトラム症(ASD)の傾向があり、夏休みの宿題に苦労した過去があります。
漢字をくり返し書くなど、同じことのくり返しが苦手な息子は、宿題を終わらせるのに毎日時間が掛かっていました。
小学校に入って、はじめての夏休みの宿題を見たとき、「これは少しずつやらないと終わらないかも」と思いました。
そして、息子と一緒にカレンダーにやる日を決めて計画を立てました。
最初のうちは、予定通りに進んでいたのですが、「今日はやりたくない」という日が増えてきて、計画通りにできない息子に私はイライラ…。
「今日もやらないの?!」とついきつく言ってしまうことも。
そんな私に、イライラしながらしぶしぶやり始める息子は、適当に問題を解いたり消しゴムを投げつけたりし、親子ゲンカに…
夏休みの終わりに泣きながらなんとか終わらせた、そんな思い出があります。

3.宿題を計画的に進められない理由とは?
発達障害や発達グレーゾーンの傾向がある子どもの中には、コツコツと計画を立てて宿題を進めることが苦手な子もいます。
それは、
- 見通しが持てない(先のことがよく見えない)
- ワーキングメモリーが弱い(覚えておく力が少し弱い)
という特性があるからです。
♦「見通しが持てない」ってどういうこと?
たとえば、「いつまでに」「どんな順番で」「どれくらい」やればいいのかが分かりにくいのです。
そのため、子どもの頭の中は、
「宿題ってどれくらい量があるの?」
「それを全部やるのには、どのくらい時間がかかるの?」
「学校が始まるまでに、あと何日あるのかな?」
ということを、1つ1つきちんと分かっていない状態であることが多いのです。
やることの量も時間も分かっていない宿題を、計画を立てて毎日コツコツやるのは、むずかしいのです。
♦ワーキングメモリーが弱いってどういうこと?
長いお休みの宿題をやるときに大事なのが、ワーキングメモリー(作業記憶)という力です。
これは、
・今やっている宿題がどこまで進んでいるかを覚えておく力
・いくつかの宿題を、うまく順番にこなす力
のことです。
「あれって、どこまで進んでだっけ?」という記憶力と、「残りをどんな手順で進めたら効率がいいか?」と考える力がワーキングメモリーです。
この力が苦手な子は、いろんな宿題の進み具合を覚えておくのがむずかしいことがあります。
だから、「覚えているうちに一気に終わらせちゃおう!」とがんばりすぎて、かえって大変になることも。
または、夏休みの最後のほうまで宿題をやらずに、溜まった宿題を一気に終わらせなきゃと大変になることもあるのです。
このような特性がある子どもにとって、計画を立てて毎日コツコツ宿題を進めることは、とてもむずかしいのです。
そのため、「やりたくないから」「怠けているから」ではなく、特性によって宿題に取り組むこと自体が大変になっている場合もあります。
叱るのでは無く、お子さんを励ましながら、宿題をやりきった成功体験を作ってあげたいですよね!
では、ママが叱らず、子どもに宿題をやる気にさせるにはどんなサポートができるのでしょうか?

4.夏休みの宿題をスムーズに終わらせるための工夫
①週ごとの計画を立てる
おすすめなのが、1週間ごとに締め切りを作ることです。
夏休みの最後だけを締め切りにすると、「まだ大丈夫」と思っているうちに時間が過ぎてしまうことがあります。
かといって、毎日「今日はここまで」と決めると、窮屈に感じてしまう子もいます。
だから、「今週はここまでできたらOK!」くらいの、ゆったりした締め切りがおすすめです。
お子さんによっては、やる気になった日に一気に進めることもあるかもしれません。
1週間の帳尻が合っていれば大丈夫。
その子に合ったやり方を、一緒に見つけていきましょう。
それも、その子に合ったやり方の一つです。
どんな進め方が合うのかは、実際に試してみないと分かりません。
大切なのは、「こうやれば僕にもできた!」という成功体験を積み重ねることです。
夏休みなどの長期休暇の宿題は、社会に出てから求められる段取り力(やることを順番にうまく進める力)を発達させるのによい機会にもなります。
②ご褒美で行動するきっかけを作ってあげる
ご褒美は子どもを行動させるきっかけとしてすごく効果的なんです。
ここで大切なのは、ご褒美とママの肯定的な声掛けとセットで行うことです。
モノのご褒美ばっかり欲しがるという状態にならないよう、 ママの「褒め言葉」をしっかり伝えることが大切です。
脳の回路は、行動することで少しずつ育っていきます。
行動しなければ、その回路はなかなか育ちません。
だからこそ、「行動のきっかけ」として、ご褒美を上手に取り入れてみてください。
「期限までに宿題をやりきれた!」 そんな小さな成功体験を積み重ねることが、お子さんの「できた!」という自信につながっていきます。
③宿題を見える化する
宿題がどれくらい残っているのか分かるようにすると、子どももゴールをイメージしやすくなります。
宿題プリントが何枚あるか一目で分かるように、紙に①から最後の枚数までを書いて、息子の目につく場所に貼っておきました。
さらに、1週間ごとの締め切りも書いておくことで、「今週はここまで」という見通しを持ちながら取り組めるようになりました。
決めたところまで終わったら、ご褒美ポイントがもらえるようにしたことで、「やってみよう!」という気持ちにつながりました。

5.親子ゲンカせずに夏休みの宿題を終えられた、わが家の工夫
去年の夏休み、息子と一週間ごとの宿題の計画を考え、進めることにしました。
週末にはよく家族でお出かけすることが多いので、「土曜日にプールに行く」「日曜は水族館」など楽しみな予定をご褒美にして、その前に宿題を終わらせることを目標にしました。
ご褒美ポイントを取り入れながら宿題を進めていくと、「お出かけのお土産を買う!」という楽しみができ、宿題へのやる気につながりました。
やる気になった時は、一週間分の宿題を集中して一気に終わらせることも。
雑に書いてしまう日もありましたが、できているところだけを褒めるようにしていました。
宿題が終わったら、 「この漢字、お手本とそっくりに書けたね!」 と、よくできたところをしっかり褒め、ご褒美シールを貼りました。
そんな工夫のおかげで、親子ゲンカになることもなく、夏休みの宿題を無事に終わらせることができました。
夏休みを笑顔で過ごすためにも、親子の宿題バトルはなるべく避けたいですよね。
宿題が進まないときは、「どうしてやらないの?」ではなく、「どこで止まっているのかな?」と、お子さんの様子を見てみてくださいね。
理由に合った工夫をすることで、親子で穏やかに夏休みを過ごせるかもしれません。
わが家の体験が、お子さんに合った関わり方を見つけるヒントになればうれしいです。

執筆者:木村 まい
発達科学コミュニケーション アンバサダー





