おしゃべりなのに会話が噛み合わない…。そんな悩みの背景には、ASDグレーゾーンの子どもならではの言葉の受け取り方が関係していることがあります。子どもに伝わる話し方のコツを、わが家の体験を交えながらご紹介します。
1.おしゃべりなのに、会話が通じないのはなぜ?ASDグレーゾーンの子どもの落とし穴とは
言葉は普通に話せる。
こっちが言っていることもわかっている。
でもなぜか会話が通じない?!
そんな悩みを持っているママはいませんか?
日常会話の能力は一見すると問題ないように見えるので、どこに原因があるのかがわからず、対応に困ってしまいますよね。
実は、こういったお悩みは自閉スペクトラム症(ASD)グレーゾーンの子どもを育てるママあるあるなんです!
特に、ASD(アスペルガータイプ)傾向の子どもは言葉を覚えるのが早かったり 、言語発達も普通よりはやいように見えるため、「どういうこと?」と周りの大人が困惑してしまいます。
「空気が読めないから仕方ない」と諦めるのはまだはやい‼︎
お家で適切にサポートすることができれば、ASDグレーゾーンの子どもであってもコミュニケーション能力を育てることはできるのです。
今回は具体的な対応についてお伝えしていきますね。

2.息子との意思疎通がスムーズにできず、お互いにストレスを感じていた日々
私にはASDグレーゾーン(アスペルガータイプ)傾向の4歳の息子がいます。
言葉の発達に遅れはなく、日常会話は普通にできるのですが、
- なぜか指示が伝わらない
- 傷つけることを言ったつもりはないのに、急に怒り出したり泣き出したりする
- お願いをしても思うように伝わらない
このようなことが頻繁に起こるので、意思の疎通をスムーズにすることができず、お互いにストレスが溜まっていました。

3.ASDグレーゾーンの子どもは、言葉の受け取り方に特徴があることも
ASDグレーゾーンの子どもの中には、言葉を話す力は育っていても、言葉の裏にある意味や相手の気持ちを読み取ることが苦手な子がいます。
そのため、日常会話はできているように見えても、「話が噛み合わない」「思いが伝わらない」と感じる場面が生まれることがあります。
子どもによって特徴はさまざまですが、わが家でもこうしたやり取りが多く見られました。
こうした会話のすれ違いには、いくつか共通して見られる特徴があります。
◆言葉の裏の意味を読み取ることが苦手
例えば、
「その素敵な服は、なかなか着こなせる人がいないだろうね」
という言葉を聞いたとき、私たちは
①「個性的な服を着こなしていて素敵だね」 という意味にも、
②「その服はTPOに合っていないね」 という皮肉にも受け取ることができます。
どちらの意味なのかは、その場の雰囲気や相手の表情、声のトーンなどから自然に判断しています。
一方で、ASDグレーゾーンの子どもの中には、こうした言葉の裏にある意味を読み取ることが難しい子もいます。
そのため、遠回しな表現や皮肉、「察してほしい」という言い方は伝わりにくく、会話がすれ違ってしまうことがあります。
日本語には「言わなくてもわかるよね」という文化がありますが、それが子どもにとっては混乱につながってしまうこともあるのです。

4.ママとの会話で子どものコミュニケーション能力は育つ!具体的な対応
では、ASDグレーゾーンの子どもとコミュニケーションを取るときに、一番意識してほしいことがあります。
それは、「子どもがわかる言葉で伝えること」です。
遠回しな言い方や、「これくらいわかるよね」という伝え方ではなく、「どうしてほしいのか」を具体的に言葉にすることが大切です。
例えば、ママが何気なく言ってしまいがちなこんな言葉。
「今日は荷物が多いんだよね〜!」 この言葉をかけるとき、多くのママは 「重たいから少し持ってほしいな。」 という気持ちを伝えたいのではないでしょうか。
ですが、ASDグレーゾーンの子どもには、その気持ちまでは伝わらないことがあります。
子どもには「今日は荷物が多いんだ。」という事実だけが伝わり、「へぇ〜、荷物たくさんあるんだ」と思って会話は終わってしまいます。
実際にこういった状況になると、「こんなに大変そうにしてるのに、どうして助けてくれないの?!荷物多いって言ったよね?!」 と思ってしまいますよね。
ですが、子どもからすると「なんで怒ってるの?!」と戸惑ってしまうのです。
だからこそ、意識してほしいのは、「〜してほしい」をそのまま伝えること。
例えば、
「荷物多いんだよね」→「荷物を運ぶの手伝ってほしいな」
と伝えてみてください。
たったこれだけですが、子どもは何をすればいいのかがわかり、安心して行動できるようになります。
わが家でも、この伝え方を意識するようになってから、息子が突然怒ったり泣いたりすることがぐんと減りました。
以前の私は、「なんでわかってくれないの?」とイライラしていました。
でも振り返ると、わからない伝え方をしていたのは私の方だったのです。
日本語には、「察する」ことを前提にした表現がたくさんあります。
だからこそ、ASDグレーゾーンの子どもには、「ちょっとストレートすぎるかな?」と思うくらいが、ちょうどいい。
まずは今日から、「察してほしい言葉」を「伝わる言葉」に変えること。
そこから、お子さんとのコミュニケーションは少しずつ変わっていきます。

執筆者:中谷 そら
発達科学コミュニケーション トレーナー





