我が子が教室でひとりでいる姿に「このままで大丈夫なのかな」と不安を感じていました。 一人でいる理由やその子なりのペースを知り親子の関係を大切にする中で、子どもが自分のペースで少しずつ成長していく姿をお伝えします。
1.ひとりでいる我が子を見て不安になるとき
小学校に入ると「友達はたくさんいたほうがいいよね」ってなんとなく思ってしまいますよね。
周りの子は楽しそうに遊んでいるのに、自分の子だけ教室の隅っこに一人でいると、
「うまくやれていないのかな。」
「このままで大丈夫なのかな。」
って、胸がざわっとすること、ありませんか。
先生に聞くほどでもない気がするし、でも気になってしまって、つい子どもの様子を探るように見てしまう。
「もっと友達と遊べばいいのに」
そんなふうに思ってしまう自分に、少しだけ罪悪感を感じることもありますよね。

2.どうしてうちの子は教室でひとりなのかと感じていた頃
私も、同じことでずっと悩んでいました。
うちの子も、小学校に入ってから一人で本を読んでいることが多く、休み時間にみんなが外で遊んでいる中で、ぽつんと教室にいる姿を想像しては、胸がぎゅっと苦しくなっていました。
「どうして輪に入っていかないんだろう。」
「友達とうまく話せていないのかな。」
「自分の言いたいこと、ちゃんと言えてるのかな。」
そんなふうに心配ばかりが膨らんでいきました。
先生に子どもの様子を聞いても
「みんなと同じように行動できているので問題ないですよ。」
と言われるだけ。
子どもに学校の様子を聞いても
「別に…。」
「わかんない。」
と言うだけ。
ある日、「遊ぶ約束したよ。」と嬉しそうに話してくれたのに、遊びに行って帰ってくると、「本当は遊びたくなかったんだよね。」と言うことがありました。
その言葉を聞いたとき、
「この子は無理して友達に合わせているのかもしれない。」
そう思ったら、すごく切なくなったのです。
このままで大丈夫なのかな。
どうしたらいいのだろう。
私の関わり方が悪いのかな。
気づけば、子どものことなのに、どこかで
「友達ができないのは私がちゃんと子育てができていないのではないか」
と責めるような気持ちになりました。

3.その子なりのペースと大切な土台を知ったとき
少しずつ気づいたことがありました。
今振り返ると、私はどこかで
「友達がたくさんいる=安心」
「みんなと一緒にいる=良いこと」
と思い込んでいました。
だから、一人でいる姿を見るたびに不安になっていたのです。
けれど、本当に大切なのは友達の数ではなく、その子が安心して学校生活を送れているかどうかでした。
そう考えられるようになったとき、少しずつ見える景色が変わっていきました。
誰かと一緒にいると人と合わせることに気を使って疲れてしまうから、一人でいることが好きな子もいます。
誰かと過ごすよりも、自分の好きなことに集中している時間が心地いい子もいます。
そして、思っていることを言葉にするのが少し苦手だったり、人と関わるときに「何を話せばいいんだろう。」と戸惑ってしまう子もいます。
一人でいるからといって、必ずしも困っているサインとは限りません。
選んで一人になっている場合もあります。
それは決して「できていない」のではなくて、その子なりの感じ方やペースがあるということ。
中には、人との関わり方や社会性がゆっくり育っていく子もいます。
ただ少し慎重で、繊細で、自分の世界を大切にしているだけなのかもしれません。
私は、「慣れればきっと大丈夫なはず。」「もっと友達と関わったほうがいいはず。」と思っていました。
だから「お友達と遊んだら?」とか「みんなと一緒に行けばいいのに」という、そんな私の思いの押し付けた言葉を何度もかけてしまっていました。
けれど今思えば、それは私の不安から出た言葉だったのかもしれません。
子どもにとっては、その言葉が少しずつプレッシャーになっていた可能性もあります。
発達科学コミュニケーション(発コミュ)を学ぶ中で、社会性の発達がゆっくりな子ほど、まずは安心できる親子関係を土台として育てていくことが大切だと知りました。
外の世界でうまくやることを目指す前に、まずは
「ママといると安心できる」
「自分の気持ちをわかってもらえる」
という感覚を育てていくこと。
それが、その子らしい人との関わり方を育てる第一歩だったのです。

4.外の関係より先に、親子の関係を整える
発コミュを学び、「まずは親子の関係を整えることが大切なんだ」と気づいた私は、関わり方を少しずつ見直していきました。
「友達の輪に入れなきゃ」
「もっと積極的にならなきゃ」
そんなふうに外の世界ばかりを気にしていた私でしたが、まず大切なのは、子どもが安心して気持ちを話せる親子関係を育てることでした。
外での人間関係よりも先に、ママとの1対1の関係をしっかり作ること。
そこがすべての土台になると学んだのです。
毎日寝る前にほんの数分でもいいから、「今日、楽しかったこと」を話す時間をつくるようにしました。
無理に話させるのではなくて、娘から出てくる言葉に耳を傾けるだけです。
お互いに報告することが日課になりました。
そして、今日はどんなことを話してくれるのか楽しみの時間にもなりました。
娘がどんなことに興味を持ち何が楽しいのか嬉しいのかが分かるようにもなりました。
それだけで、少しずつ心を開いてくれるようになりました。
友達の中に無理に輪に入らなくてもいい。
その子に合った関係の築き方があると知ったから。
それに、人と関わる力や感情の部分は、これからもゆっくり育っていくもの。
今すぐ完璧じゃなくていいのです。
そして何よりも「一人でいたい時間もあるよね」と、その気持ちを受け止めて認めるようにしました。
それだけで、子どもの表情が少しやわらいだ気がしたのです。

5.少しずつ見えてきた子どもの変化
そんなふうに関わり方を少しずつ変えていく中で、子どもにも変化が見えてきました。
前は一人でいることが多かったのに、自分が「遊びたい。」と思ったタイミングで、 自然と友達と関われるようになっていったのです。
無理に合わせるのではなくて、「今日は遊ぶ。」「今日はやめておく。」
そんなふうに自分で選び決めて行動できるようにもなりました。
そして何より、少しずつ自分の気持ちを言葉にしてくれるようになりました。
以前は戸惑いや不安からか、癇癪のように気持ちがあふれてしまうこともあったのですが、それもほとんどなくなっていました。
気づいたら笑顔でいる時間が増えて親子の関係も良くなりました。
「この子はこの子のペースで、ちゃんと育っているんだな」
って、心から思えるようになったのです。
だからもし今、同じように悩んでいるなら焦らなくて大丈夫です。
その子のペースを信じて、少しだけママの関わり方を変えてみてください。
きっと、少しずつ変化が見えてくるはずです。

執筆者:おやいづ さおり
発達科学コミュニケーション アンバサダー




