外では問題なく過ごせるのに、家では癇癪。 毎日、余裕がなくいっぱいいっぱいだった私が、長男の描いた絵をきっかけに子どもからのSOSに気づき、関わり方を変えて親子ともに少しずつ変化していった体験と、余裕がなくてもできた関わり方をお伝えします。
1.余裕がない毎日、家では荒れる子どもに悩んでいませんか?
きょうだいや家庭のことで毎日がいっぱいいっぱいで、子どもの様子にゆっくり目を向ける余裕が無い…
そんなふうに感じたことはありませんか?
私も以前は、目の前のことをこなすだけで精一杯で、子どもの出していたサインに気づけていませんでした。
発達に特性のある子どもは、環境の変化や人との関わりの中で不安やストレスを感じやすいと言われています。
そしてその不安を言葉ではうまく表現できず、イライラや癇癪といった形であらわれることもあります。
一方で、外ではがんばって過ごせている子ほど、安心できる家の中で気持ちがあふれやすくなることもあります。
そのため、「どうしてこんなに荒れてしまうの?」と戸惑う場面が増えてしまうこともあるかもしれません。
でもそれは、子どもが困ってるサインでもあり、関わり方や環境を少し整えていくことで変化していく可能性もあると言われています。
この記事では、私自身の体験をもとに、子どもが安心できる関わり方についてお伝えします。

「この癇癪、どう対応すればいいの?」と迷ったときに。
泣く・怒る・暴れる…
実は、癇癪には理由があります。
関わり方を少し変えることで、
落ち着いて過ごせる時間が増え、
ママの気持ちもラクになっていきます。
2.長男の描いた絵を見て、やっと気づいた子どもからのSOSのサイン
私には2人の子どもがいます。
長男は小さいころから、夜泣きや人が多い場所が苦手で行けないなどの感覚過敏の特性をもった自閉スペクトラム症(ASD)グレーゾーンの子どもでした。
この頃はまだ、長男の事を「ちょっと育てにくい」「手がかかる」「怖がりな性格」としか思っていませんでした。
その後、次男が生まれ、体調のことで手がかかる時間が続きます。
私は次男のことでいっぱいいっぱいになっていました。
次男の体調の影響で寝れない日も多く、私も精神的に追い詰められていました。
気づけばいつもイライラし、夫婦喧嘩も多く、家の中はピリピリしていました。
次男が入退院をくり返す生活の中で、長男にはさみしい思いもさせていたと思います。
それでも長男は、わがままも言いませんでした。
けれど、長男が小学校に入学して半年が経ったころ。
長男が、イライラをぶつけるように描いた絵を見てショックを受けました。
怪獣のような怖い絵に、文字にならない言葉を紙一面に書いていたり、ボロボロ泣いている顔の絵の横に「つまんねー」「泣きたい気持ち」と書いていたり…。
ほかにも「くそ―」「むり」など、胸の奥にしまい込んだ気持ちを吐き出すような言葉の数々。
そこで、やっと私は、長男がかなりつらい状況にいることに気づいたのです。
長男は、少人数の保育園に通っていたので、同級生は長男を入れて3人。
そのお友達もそれぞれ違う小学校に進み、友達が全くいない状況から小学校生活が始まりました。
小学生になり癇癪をおこしたり、切り替えがうまくいかず、乱暴な言葉を使うことが増えていました。
それでも私は、その行動を怒ってばかりで、どうしていいかわからずにいました。
きっと長男からのSOSだったのに、そのサインに全然気づかずにいたことを強く反省しました。

3.家で荒れてしまう子は、外でがんばりすぎているのかもしれません
長男は、保育園や学校では問題行動もなく通えていました。
けれど家では、かなりの甘えん坊で離れない時もありました。
ASDやグレーゾーンの子どもは、聴覚や視覚過敏やこだわり、集団になじめないなどの特性から、集団の中で気を張って過ごしていることがあります。
一見、うまくやれるように見えても、実はその分、緊張やストレスなどをためこんでいることもあるのです。
そしてその反動が、安心できるはずの家の中で、癇癪やイライラという形であらわれることがあります。
当時の私は、「どうして家でこんなに荒れるの?」と戸惑うばかりでしたが、振り返ってみると、長男にとって家は気持ちを休めるための大切な居場所だったのだと思います。
ASDやグレーゾーンの子は、不安や緊張を感じる時に働く「扁桃体」という部分が敏感に反応しやすく、その時の体験が「海馬」という記憶の場所に残りやすいと言われています。
そのため、強い不安や緊張を感じた出来事は印象に残りやすく、似た場面で気持ちが揺れやすくなることもあります。
けれど、その頃のわが家は、次男のことでピリピリした空気の時が多く、私もいつも余裕がなく、表情もかたくなっていました。
さらに、時々起きる夫婦喧嘩の声やイライラした空気も、子どもにとっては安心しづらい環境だったのだと思います。
当時はそこまで気づけていませんでしたが、こうした家の中のちょっとした空気や大人の表情も、子どもにとっては安心・不安を左右する大きな要素になります。
だからこそ、「家で荒れている=困った行動」ではなく、「外でがんばってきた分の安心のサイン」と捉えることもできるのです。

4.余裕がない私でもできた、子どもを安心させる「肯定的な注目」
家では、長男が安心できるように環境を整えることを意識しました。
その中でまず取り組んだのが「否定的な注目」を減らして「肯定的な注目」を増やすことです。
肯定的な注目とは、褒めるところを探すのではなくできているところを
「歯磨きできたね」
「宿題はじめたね」
など実況中継したり、笑顔で過ごすことです。
まずは、1日1回、この「できていることに気づいて伝える」関わりから始めてみてください。
そうはいっても、ママだってつらい時はありますよね。
そんなときは
・ジェスチャーでいいね!を伝える。
OKサインでもうなずくだけでも大丈夫です。
・イライラしてしまう時は少しの間その場を離れ、気持ちを落ち着かせる
少しの時間、距離をとるだけでも気持ちは落ち着きやすくなります。
そのおかげもあり、怒りのオーラを出す頻度も減りました。
つらい時は、パパに子どもたちを任せて休むことで気持ちの余裕もできました。
たまに長男と2人で過ごす時間も作り、一緒に出掛けたりすることで、長男も気持ちを伝えてくれることも増えました。
このような関わりを続けていくと、長男の癇癪や気持ちの切り替えも少しずつ落ち着いていきました。
外でがんばっている子どもにとって、お家が安心できる環境であることは、とても大切です。
もし忙しくて余裕が無い日でも、まずは少しだけ関わり方を変えるだけで大丈夫です。
その積み重ねが子どもにとって安心できる時間を少しずつ増やしてくれます。

毎日の癇癪に、どう対応すればいいのか迷っているママへ。
癇癪には理由があり、
関わり方を少し変えることで、
落ち着いて過ごせる時間は増えていきます。
執筆者:もりやまおりえ
発達科学コミュニケーション アンバサダー





