「好きなものしか食べない。」「食に対してこだわりが強い。」などの子どもの偏食で悩んでいるママはいませんか?偏食を改善するための1番の近道はママと一緒に楽しく食べること!食に対してポジティブなイメージを持てるよう、さっそく環境作りにチャレンジしてみましょう。
1.食事に関するママの悩みは尽きない
「なんでも食べれるようになってほしい」
「栄養のあるものを食べてほしい」
「野菜を食べてほしい」
「たくさん食べてぐんぐん育ってほしい」
子どもの健康のことを思えば、ママが食に対してこのような思いを持つのは当然のことです。
しかし、ママの思いが強ければ強いほど、「食」に対しての悩みは尽きないのが現実。
・好きなものしか食べない。
・食に対してこだわりが強い。
・苦手なものばかりで、ほとんど食べれるものがない。
・少食である。
子どもの偏食で悩んでいるママも多いのではないでしょうか?
2.息子の偏食をなくすために努力するも報われず…
私も子どもの偏食で悩んでいたママの1人。
私の息子は、母子分離不安症で不安がとても強い子です。
そして、偏食があります。
特に朝食の献立は、同じメーカーの同じ冷凍パンケーキじゃないと絶対ダメで…。
朝にパンケーキがないと、それだけで癇癪を起こし、一日中調子が悪くなることもありました。
子どもの発達のためにも、一日の始まりである朝食で栄養をきちんと摂取することが理想的。
「朝食が一日の食事の中で一番大事」とよく言われますよね?
私も息子の栄養を心配して
「毎日同じパンケーキを朝食に食べさせることは、息子の健康によくないのではないか!」と
息子の食生活を改善しようと努力していました。
ワーママの朝はとにかく忙しいので、栄養を考えた手の込んだ料理を作るとなると、私は普段よりも早起きをしなくてはなりませんでした。
眠たい目をこすりながら毎朝早起きして、息子に栄養のある朝食を作ることに必死になっていました。
しかし、どれだけ努力して朝食を作っても、息子は「パンケーキがいい!」の一点張り。
お弁当が好きだから、朝お弁当を作ってみても「パンケーキがいい!」
好きなキャラクターを飾ってみても「パンケーキがいい!」
せっかく努力して作った朝食を息子は食べてくれない。
しかも、メニューを変えると、癇癪を起こしてしまい、学校に行けなくなってしまう日もありました。
どれだけがんばっても私の努力が報われることはなく…。
息子の朝食作りに振り回され、私は次第に朝の時間を憂鬱に感じるようになっていました。
3.子どもが偏食になる原因
しばらくして、息子は発達検査を受け、自閉症スペクトラム(ASD)の傾向があることがわかりました。
ASDの特徴でもある「強いこだわり」。ASDの傾向があるお子さんは、食生活においてもこの「強いこだわり」が原因で偏食になる子が多いようです。
息子のように毎回同じタイミングで同じ食べ物を食べることを好んだり、中には同じメーカーのものしか食べない、同じ環境でしか食べないなど、個々の特性によって偏食の原因となるこだわりも様々です。
また、初めて食べた時に、味覚や食感が合わなかったり、食べた時の状況にネガティブなイメージがあることで、その後強い嫌悪感を抱いて、一切食べれなくなることがあります。
また、こだわり以外にも感覚過敏という特性によりどうしても特定のものを拒否するお子さんもいらっしゃいます。
感覚が過敏なお子さんは、ドロドロしたものが嫌だったり、ぶつぶつしたものが嫌だったり、冷めたものが嫌だったり、その子によって過敏の症状は様々です。
2つ以上の食感が混ざっていると、不快感を感じて食べられないという子も多いようです。
このように、脳の特性がお子さんが偏食になっている場合、本人の努力だけでどうにかなる問題ではありません。
4.偏食を改善する1番の近道はポジティブな環境を作ること
偏食で困っているお子さんに対して、食べることができないことを「わがまま」だと捉え、無理やり食べさせようとすることは絶対してはいけないことです。
なぜなら、無理やり食べさせることは食べることに対してネガティブなイメージを残してしまうからです。
偏食があるお子さんには、食べることに対してポジティブなイメージを持つことができるような環境作りがとても大切です。
我が家では、栄養あるメニューを提供することよりも楽しく食事をすることに重点を置き、朝は食べたいものを食べさせることに基本方針を変更しました!
このことで私自身もずっと悩んでいた食の悩みから解放され、気持ちが楽になりました。
朝の献立で悩まずに済むし、子どもたちは喜んで食べてくれるので朝の時間にイライラすることがほとんどなくなりました。
そして、手の込んだ栄養満点の料理を作らない代わりに、私も子どもたちと一緒に食卓に座り、楽しく会話をしながら食事をするようにしました。
「このパンケーキ、バナナと一緒に食べたら美味しいよ!」
「このパン、○○ちゃんのママが作ったパンだよ!めちゃくちゃ美味しいよ!」
など、食事中は息子が食に対してポジティブなイメージを持てるような会話を心がけ、とにかく私が美味しく食べるようにしました。
その結果、朝食の時間は子どもたちにとっても私にとっても、親子のコミュニケーションを深めるとっておきの時間となっていきました。
そんな朝食の時間を持つようになってからしばらくすると、パンケーキしか食べなかった息子は、パンケーキにバナナをプラスするようになったり、パンケーキに味噌汁をプラスするようになったり…
少しずつパンケーキ以外にも朝食に食べられるものが増えていったのです!
今でもまだパンケーキは大好きですが、朝食に対するこだわりはほとんどなくなりました。
「ママも一緒に朝食を食べる」という環境作りが、こんなにも子どもたちにとってポジティブなイメージを残すことになるなんて、私自身とても驚いています。
お子さんの偏食で悩んでいるママ。
まずはママも一緒に食事を楽しむことから始めてみてください!
きっと、ママの笑顔が子どもたちにとって何よりの栄養になりますから。
執筆者
発達科学コミュニケーション リサーチャー
月野志保