母子分離不安っ子の子育てについてパパに理解してもらえず、対応に困っているママはいませんか?特にパパが母子分離不安に対して「甘え」だという認識があるのであれば…子どものためにも、パパに「母子分離不安」について正しく理解してもらうことが重要です。本記事では、夫に「母子分離不安」を理解してもらうために私が実践した方法をご紹介します。
1.パパに母子分離不安について理解してもらえず、困っているママはいませんか?
あなたはパパに母子分離不安症のことや、子どもの特性について理解してもらっていますか?
パパの理解がないため、せっかくママが母子分離不安っ子の特性に合った対応を勉強して、実践しても、パパの何気ない対応でコミュニケーションが台無しになってしまったことはありませんか?
例えば
・母子分離不安っ子の朝の登校拒否に対して、ママが肯定的な声かけを心がけているのに、理解のないパパが「学校に行きたくない理由はなんだ!」などと威圧的に理由を問ただしたり「甘えるな!」などと怒鳴ったりしてしまう。
・パパに「甘え」ではないこと、今は肯定してあげることが重要な時期であることを説明しても理解してもらえず、「お前が甘やかしたせいだ!」とママが責められて、嫌な雰囲気になってしまう。
1番理解してほしいのはパパなのに。
パパに理解が得られず、一人で母子分離不安っ子の問題を抱え込んでしまっているママも多いのではないでしょうか?
2.息子の母子分離不安が原因で家族の心がバラバラになりかけた我が家
私の息子は5歳の時に、体調を崩したことをきっかけに、ママから一時も離れることを嫌がり、突然「ママべったり」=母子分離不安の状態になりました。
夫は子どもの発達の特性や母子分離不安の理解が全くなく、ママべったりの息子に対して、よく「甘えんぼ」や「甘えるな!」などの言葉かけをしていました。
息子が癇癪を起こしたり、登校拒否をした時は厳しい言葉で「甘えるのもいい加減にしろ!」と怒鳴ることもありました。
また、ママの言うことしか聞かない息子に対しては、特に厳しい態度をとっていました。
自分に心を開かない息子を前に、夫にも父親としてのもどかしさがあったのだと思います。
また、夫は息子がママべったりになってしまったのは、私の育て方のせいだと思っていました。
ですので、夫は息子の前で、私に対して「甘やかせすぎだ!」と責めることもよくありました。
私自身も「子どもが母子分離不安になったのは私のせいだ」と思っていましたし、私の育て方を改めていかなければと、自分を責めてばかりいました。
このようなことが続き、息子はパパを拒否するようになっていきました。
夫も、息子と関わることに自信を持てなくなり、あまり関わりを持たないようになってきたのです。
家族の心がバラバラになり始めていました。
3.なぜパパは母子分離不安を理解できない?
そもそもなんでパパは母子分離不安を理解できないのでしょうか?
◆子どもと接する時間が少ない。
パパは子どもと接する時間がママと比べると少ないですよね。
特に母子分離不安っ子はママにべったりなので、ママは子どもの些細な様子や成長を毎日近くで感じることができているので、成長も困り事も気づくことができます。
しかし、仕事が忙しいパパは特に、週末の子どもの様子しか知らない場合もあります。
ママが「今日はこんなことがあったよ!」とパパに報告しても、パパにとってはそこまで深刻なものと捉えることができていない場合があります。
◆パパとしてのプライドが許さない。
母子分離不安っ子は基本ママが絶対です。
ですので、パパがいても常にママを求めますし、ママの方が好きだという態度を全面に出します。
きっと、そんな様子を見ているパパは、寂しいでしょうね。
そして父親としての威厳を保つために、甘えを許さない厳格な態度をとったりします。
特に子どもが男の子であった場合は、尚更だと思います。
自分の育ってきた環境を重ね合わせ、「自分はこう厳しく育てられた」と厳しくしつけをしてしまうパパも多いのではないでしょうか。
4.パパに母子分離不安を理解してもらうためにママができるコト
母子分離不安を卒業させるためには、パパの協力が必須です。
せっかくママが子どもの発達について実践しているのに、それを台無しにしてしまうのがパパだなんて、悲しすぎます。
息子の母子分離不安の症状がどんどんひどくなり、「一人の力では無理だ!」母子分離不安っ子の育児に行き詰まり限界を感じた私は
母子分離不安っ子の子育てを夫に協力してもらうために、夫への関わり方について抜本的に考え直すことにしました!
◆パパは専門家の意見に納得する。
私の夫は、夫婦で話し合いを持とうとすると、面倒がって、いつも私の話を最後まで聞いてくれません。
また、私の言い方にも問題があり、夫を否定する言葉を使ってしまい、結果、喧嘩になってしまうことも。
ですので、私は夫に息子のことを離す時は、必ず「専門家の意見」として説明をするようにしました。
息子の精神科の受診や発達検査には、必ず夫婦揃って同席しました。
医師の説明、カウンセラーの説明を直接聞くことで、夫は母子分離不安症に対して理解を示してくれました。
実際の発達検査の数値を踏まえて、具体的に医師から説明を受けたことで、夫は脳の発達の偏りについて理解ができたようでした。
脳の特質で、男の人はプロセスよりも「結果」や「解決」を、そして「感情」より「論理」を求める傾向があると言われています。
私がこれまでのプロセスを感情的に話したところで理解を全く示さなかった夫ですが
医師により息子の「ママべったり」が母子分離不安症の症状であるという結果と、そのアセスメントを医学的検知として聞いたことで、納得がいったようでした。
◆パパの行動を肯定する
母子分離不安へ理解を示し、少しずつ息子の特性を受け入れようとはじめた夫。
ここからは分離不安っ子への肯定の声かけをパパにも応用していきます!
肯定の声かけと言っても、夫に対して甘い言葉で
「よくできたね~。」
「そうだよね~。そんな気持ちだったんだね~。」なんて言うわけにもいきません。
バカにされているとしか思われないですよね。
そこで、私は恥ずかしい気持ちをぐっと我慢して
「ありがとう」と感謝の気持ちをスモールステップで伝えるようにしました。
息子が癇癪を起こしても、すっとその場を外れてくれる夫に「ありがとう」
息子が学校から帰ってきたら、おかえりと迎えてくれる夫に「ありがとう」
ほんの些細なことですが、きっと夫なりに息子のことを考えて行動してくれているのだろうなと気づいた時には「ありがとう」を伝えるようにしています。
夫も子どもと一緒です。
「ありがとう」と肯定されるたびに、パパは成功体験を積むことができ、子育てに対して自信へと繋げていくことができます。
そして、その自信が子どもへの肯定の言葉かけと繋がるのです。
我が家では、夫の理解を得て、母子分離不安症の息子への対応を夫婦で考えていけるようになってから、子どもへのよい効果はすぐ出始めました。
夫がありのままの息子を受け入れることができるようになったので、息子はパパにも自分の気持ちを少しずつ伝えることができるようになったのです。
少々遠回りはしましたが、息子と夫との関係は修復し、今では一緒にお留守番をできるまでになりました。
母子分離不安症という先の見えない問題にもがき苦しみ、ようやく解決できた当事者だから言えることがあります。
母子分離不安っ子が「ママがいい!」ばかりで、ママだけが問題を抱えてしまいがちですが、どうかママだけで苦しまないでほしい!
勇気を出して、ぜひパパにも協力をしてもらいましょう。