自分でできるのに「ママやって」が多い分離不安っ子。そこには、自信のなさと不安の強さが影響しています。肯定の注目を増やしたママの声かけで、子どもの自信と行動力を伸ばしてあげましょう。脳を育てる肯定の注目について、詳しくご紹介します!
1.「ママ〜」が増えたら不安が強くなっている証拠!
「ママがやって」
「ママが決めて」
何でもかんでもママ任せな子どもに困っていませんか?
母子分離不安の子は、自分に自信がないことが多いです。
自信がないから「ママがやって」「ママが決めて」何でもママ頼みになってしまうのです。
もう小学生になったのだから、これくらい一人でできるでしょ。
自分でやりなさい!
やればできるのに自分でやろうとしない我が子の姿に、イライラしてしまうママも多いと思います。
また、「ママやって」の言葉と共に、いつも以上に「ママ〜」の回数が増えてきていると感じたら、それは子どもの不安指数が上がっている合図かもしれません。
「ママ〜」の呼びかけに加えて
・今までできていたことができなくなる
・ネガティブな発言が増える
・なんだか攻撃的になる
このような様子が見られたら、それは子どもの心のイエローサインです!
さらに不安が大きくなってレッドサインにならないように、早めの対応が必要です。
2.自信が持てない分離不安っ子
うちの子も、不安が強く繊細な気質を持つ、母子分離不安っ子です。
不安が爆発して学校に行けなくなったときは、家でも外でも「ママ〜」が絶えませんでした。
今まで自分でできていたことも全部私に頼るようになって、着替えを選ぶのもおやつを選ぶのも、私に聞いてからでないと動けませんでした。
そうなるとママも大変です。
忙しいときは、つい子どもに強く当たったり、口調が荒くなってしまうこともありました。
本来、自分でできる力を持っているはずの子どもが、自信がない、不安が強いことで動けなくなってしまっている。
それは、脳が十分に働けていない状態でもあります。
それならば、ママの声かけで子どもの自信を呼び覚まし、本来の力を発揮できるようにサポートしてあげれば良いのです。
3.声かけのポイントは「肯定の注目」
それでは、分離不安っ子に自信がつき、自主的に行動できるようにするには、どのような声かけをしたら良いのでしょう。
そこで重要になるのが『肯定の注目』です。
肯定の注目とは、
褒める・認める・穏やかな声色・肯定的な語尾・笑顔を見せる・うなずく・肯定的なジェスチャー・明るいテンション・子どもの行動を肯定する言葉などです。
反対に、否定の注目というものもあります。
注意したり、トゲトゲしい声色、怒りのオーラ、ため息をつくなどは、否定の注目になります。
ここで知っておいて欲しいのが、『肯定の注目は目減りして伝わる』ということです。
ママが、これでもか!というくらい肯定の注目をしているつもりでも、子どもに伝わるのは半分程度です。
逆に否定の注目は、割増しで伝わる特徴があります。
そのため、肯定の注目と否定の注目を8:2くらいの割合で使って、ようやく子どもに肯定的な見方が届くようになります。
このようして肯定の注目を増やしていくと、穏やかな会話の中で子どもの良い行動が増えて、好ましくない行動が減っていきます。
肯定の注目を向けられることで、分離不安っ子に自信が芽生え、徐々に自主的に行動できる力がついていきます。
自分で行動できるようになり、そこをママから肯定してもらえると、更に自信がついて自立につながるという、良いサイクルが生まれます。
私の息子も、私が意識して肯定の注目を増やしたことによって、徐々に自信を回復していきました。
そして、「ママが決めて〜」が減って自分で決められるようになっていきました。
思えば、以前の私は、息子に対して否定の注目ばかりして、自信を奪うような声かけを繰り返していたのだと気が付きました。
その積み重ねが、息子の成長の芽を潰していたのです。
ママの言葉は偉大です。
いつも子どもの一番近くにいるママだからこそ、子どもの小さな変化にも気が付き、いち早く対応することができます。
「ママがやって」「ママが決めて」「ママ〜」
子どもにこんな言葉が多く見られたら、それは脳を成長させるチャンス!
ぜひこの『肯定の注目』を増やした声かけを実践し、分離不安っ子の本来の力を引き出してあげてくださいね。
執筆者:
発達科学コミュニケーション トレーナー
長谷川まこ