私はかつて分離不安症でした。過去を思い返すと学校に行けなかったことなどたくさんの苦しい思い出もあります。しかし、私は分離不安だったことを不幸だとは一切思っていません。母子分離不安だった経験を振り返り、大人になった今だからこそ伝えられること。シリーズでお伝えしていきたいと思っております。シリーズ4は母子分離不安っ子の自立について執筆します。
1.母子分離不安っ子の自立した姿が想像できない…。
母子分離不安っ子を育てているママなら、誰もが思ったことがあるでしょう。
「この子、自立できるのかな?」
「大人になって、自分一人でやっていけるのかな?」
母子分離不安とずっと付き合いながら、40年生きてきた私の答えは…
半分YESで、半分NO。
母子分離不安っ子は、大人になって自立はできても、一人では生きていけないかもしれません。
こう答えると
「え?これからもずっとママべったりが続くの?」と心配になるママもいるかもしれませんね。
でも大丈夫ですよ!安心してください。
育て方次第で、安心材料が「ママ」だけでなく、いろんな人物、いろんな環境に広がって行きますから。
母子分離不安の子どもは、安心できる環境では十分に力を発揮することができます。
母親から離れて、自立だってできるし、自分の強みを生かしていろんなことに挑戦だってできます。
いろんな人物や環境を安心材料としながら、たくさんの人に愛され、幸せな未来を生きていけるのです。
シリーズ4では【母子分離不安っ子がどうやって母親から離れ、自立していったのか】を皆さんにお伝えしていきます。
大人になった分離不安っ子だからこそわかることがあります。
分離不安は決して不幸なことではありません。
今、分離不安で苦しんでいる子どもたちへ。
今、分離不安の子どもの気持ちがわからず苦しんでいるママたちへ。
私が分離不安だった過去をお伝えすることで、皆さんのお力になれたら嬉しいです。
▽▽▽シリーズ1~シリーズ3はこちら▽▽▽
2.ついに母子分離不安っ子が親の元を離れることができた!
シリーズ3でお伝えしていますが、楽しい思春期生活を送ることはできていたものの、実際、母親が部活に参加していたので、ほぼ毎日母親と一緒だった私。
そんな究極の母子分離不安っ子だった私が、ついに母親の元を離れる瞬間がやってきました!
大学生でできた彼氏の存在が、母子分離不安を卒業するきっかけになったのです。
彼の存在は、私の母子分離不安としての人生を180°変えてくれました(笑)。
母親への依存は、いい意味で彼氏への愛情に変わっていったのです。
彼氏ができたことで、18年間ママべったりだった私はすんなりとママから離れることができるようになりました。
なんと一人暮らしまで‼
さすがに、母親もこれまでべったりだった娘が、全く自分のところに帰ってこなくなったことに寂しさを感じていたようですが
母は親離れできた私と少し距離をおき、いつも温かく応援してくれていました。
親離れができた私は、自分の人生において、彼氏だけでなく、自分の居場所・安心材料となるもの(例えば、友達・サークル活動・バイトなど)を自分の力で見つけていけるようになりました。
気づけば、どこに行っても私は安心材料に囲まれており、不安に負けることない人生を歩むことができるようになっていました。
しかし、親離れしたとは言え、本当に苦しい時、悲しい時、助けてくれるのは母ですし、私にとって今も絶対的な安心基地は、家族であり、母親です。
3.母子分離不安っ子は安全基地を作ることができる
子どもであっても、大人であっても、不安傾向が強い人は特に「心の拠り所」となる安全基地という存在が必要です。
子どもの場合は両親や保育者などが愛着対象となることが多いですが、大人になるにつれて愛着対象は変わっていきます。
友達、先生、恋人など安全基地になる対象は様々です。
相手を信頼し、辛いことも悲しいことも嬉しいことも。
すべて受け入れてくれる安全基地となる他者の存在は大きな心の支えとなります。
母子分離不安だった子は、上手にこの安全基地を作ることができるように育ちます。
なぜなら、母子分離不安っ子は、ずっと母親の愛情に包まれ全てを受け入れられて育ってきたため、相手の気持ちを受け入れることができる子に成長しているからです。
大人になった母子分離不安っ子は、お互いの気持ちを理解し共感しあえる良好な人間関係を作っていくことができます。
要するに、母親が肯定的に子どもを受け入れて育てていくことが、大人になって他者と信頼関係を結ぶことに繋がっていくのです。
4.母子分離不安っ子の将来を心配しているママへ。大人になった分離不安っ子からのアドバイス
分離不安だった私だから伝えることができる!
今現在、分離不安の子どもの将来を悲観しているママたちへ大切なアドバイスがあります。
◆母子分離不安っ子の全てを受け入れることが未来の幸せに繋がると信じて!
今は…「いつになったら自立してくれるのだろう?もういい加減、親ばなれしてほしい。」
そう思ってしまうのも仕方がありません。
ママべったりの毎日にうんざりしてしまう気持ちも十分わかります。
しかし、母子分離不安であるお子さんを否定することだけはしないでほしいのです。
「母子分離不安であるあなたでも、どんなあなたでも愛している。」
母親が全てを受け入れることさえできれば、子どもは絶対安心の中で親と離れていても生きていけるようになります。
また、受け入れられて育った子は、自分も相手のことを受け入れることができるため、いい人間関係を築くことができるようになり、結果たくさんの安全基地を親以外の場所で作ることができるようになるのです。
全てを受け入れてもらい、育った母子分離不安っ子の未来は明るいのです。
◆親離れしないからといって、焦らない!
親離れするタイミングは様々です。
幼少期からすんなり離れていく子どももいれば、私のように成人間近になってからしか離れられない子もいます。
そもそも、親離れしないで生きていく選択も全然アリだと思うのです。
あなたの周りにもいませんか?ずっと親と一緒に生きている人が。実は、私も親と一緒に生きている人の一人です。
今も親の近くに住んでいますし、育児も仕事も親に手伝ってもらいながら生きている甘えんぼです(笑)
しかし、親と一緒に過ごしているからって、自立していないわけではありません。
しっかり自分の力で自立し、今も尚、安全基地を増やしながら、幸せに生きています。
◆親離れした時は、後を追わない
どんな動物も植物も親の手を離れていきます。それが生存するための本能だからです。
特にずっとママべったりだった母子分離不安っ子の親離れには、親自身が寂しさ、そして喪失感に似た感情を持ってしまうこともあるでしょう。
しかし、寂しい気持ちはグッと堪えて!自立の妨げにならないように、そっと遠くから見守ってあげてほしいのです。
そして、子どもの力を信じ、やりたいと言うことは思い切ってやらせ、甘えたくなった時や困った時はいつでも受け止める姿勢を忘れずにしましょうね。