小学生になっても『ママべったり』母親に依存する子どもの様子が心配…。もしかすると、お子さんは【母子分離不安】かもしれません。母子分離不安は『甘え』ではありません。ご家族が『甘え』と捉えてNGな対応をしてしまうと、状況は悪化する一方です。本記事では母子分離不安の子どもにしてはいけないNG対応をご紹介します。
1.小学生になっても『ママべったり』な子どもの様子が心配…。
幼い子どもが『ママべったり』で離れられない様子は、かわいらしいと許容できる方も多いですよね。
しかし、中には小学生や中学生になっても『ママべったり』が続き、母親への依存がどんどん強くなっていくお子さんもいらっしゃいます。
✓母親に依存が強く一時もママから離れられない
✓母親と離れられず、学校に行くことを嫌がる(もしくは母子登校をしている)
✓子ども同士でなかなか遊ぶことができない
✓父親などの他の家族との留守番ができない
小学生や中学生になっても、このような様子がお子さんに見られて
これらの様子に当てはまるお子さんは、もしかすると『甘え』ではなく、母子分離不安かもしれません。
2.【母子分離不安】母親に依存する理由
◆母子分離不安とは?
母子分離不安とは、母親と離れることに対して、継続的に強い不安を感じる状態のことを言います。
分離不安は、ほとんどのお子さんが正常な成長過程の中で見られることです。
生まれてまもない赤ちゃんは、まだ自分で欲求を満たすことができません。
母乳やミルクを与えてくれたり、オムツを替えてくれ欲求を満たしてくれる1番近くに感じている大人=母親に依存して生きています。
子どもは成長するにつれて、段々自我が芽生える時期になると、母親から離れる経験を繰り返し、練習することで極端な不安を感じなくなっていきます。
母子分離不安は、大体、3歳くらいまでは発達上、当たり前のことだとされていますが、ある程度の年齢になってからもひどく分離不安が続くようであれば、注意が必要です。
分離不安が続く原因は様々ですが、お子さんの生まれ持った特性や環境によるストレス、また親子関係が複雑に絡み合って、分離不安を悪化させている場合が多いようです。
なかなか母子分離不安がなくならない。むしろ、ひどくなっているような気がする。
分離不安が長く続いたり、分離不安による苦しみで社会生活に支障が伴う場合は、子どもの不安障害の一つ『分離不安症』と診断がつくことがあります。
◆母子分離不安症の診断がつくことも…
母子分離不安症とは、不安障害の1つに分類されます。
アメリカ精神医学会の診断と統計マニュアル:DSM-5では、『分離不安症/分離不安障害』の名称で記載されています。
DSM-5で示されている『分離不安症』の診断基準の一部をご紹介します。
A.愛着をもっている人物から離れることに対して、過剰な恐怖または不安を示す状態。
以下のうち少なくとも3つに当てはまる。
①家または愛着をもっている人物(母子分離不安の場合は母親)からの分離が予測される時や離れた時に過剰な苦痛を感じる状態が続く。
②愛着をもっている人物を失うかもしれない、または、その人が死んでしまうかもしれない、危険が及ぶかもしれないという過剰な心配が続く。
③愛着をもっている人物から分離される、運の悪い出来事(例:迷子になる、誘拐される、事故に遭う、病気になる)を経験するという過剰な心配が続く。
④分離への恐怖のために、家から離れ、学校や幼稚園に行くことへの拒否が続く。
⑤1人でいること、または愛着をもっている人物がいないで、家または他の状況で過ごすことへの抵抗や拒否が続く。
⑥家を離れて寝る、または愛着をもっている人物の近くにいないで就寝することへの抵抗または拒否が続く
⑦愛着をもっている人物から分離することに関する悪夢を繰り返し見る。
⑧愛着をもっている人物から分離される、またはそれを予想した時に、頭痛・腹痛・吐き気などを症状を訴えることが続く。
B.これらの症状は、子どもでは少なくとも4週間、成人では6カ月以上持続する。
C.その障害は社会的障害を引き起こしている(学校に行けない、会社に行けないなど)
D.その障害は他の精神疾患によってはうまく説明されない。
これらの症状に当てはまる場合、精神科や発達外来の医師の判断において 「分離不安症」と診断がつくこともあります。
3.小学生になってから、母親に依存するようになった娘
私には小学3年生になる娘がいます。
娘は生後6ヶ月から保育園に通いはじめました。
保育園にすぐに慣れることができ、たくさんの先生との関わりの中で、保育園生活を安心して楽しめていた娘。
よく気がつき、自分で考えて行動ができる子だったので、幼いころから全然手がかからず、俗に言う『いい子』で育ってきました。
保育園の先生からも習い事の先生からも「〇〇ちゃんは何の問題もありません。とてもいい子でみんなのリーダーとしてお手本となる存在です」と言われてきました。
そんな誰もが認める「いい子」だった娘ですが、年長組に進級してまもなく、体調不良が続いたことををきっかけに、はじめて「保育園に行きたくない」と言い始め、登園をしぶるように。
理由を聞いても「ママといたい!」の一点張り。
その頃から保育園ではいい子なのに、家では人が変わったかのように甘えたり癇癪を起こすことが多くなってきました。
母親を独り占めしたいがために、感情をきょうだいにぶつけて、私からひどく叱られることもしばしば。母親への依存はきょうだいへの敵対視や父親への拒否にも繋がっていきました。
問題行動を叱れば叱るほど、娘の荒ぶる感情はエスカレートするばかり。
様子を見れば、落ち着くものだと信じていましたが、状況が段々悪化する一方でした。
特に母親への依存はひどい時には、私のトイレに中までついてくることも…((笑))
そんな状況の中、小学校へ入学。
しばらくは安定した生活が送れていたものの、ゴールデンウィーク明けに突然、登校拒否がひどくなり、その後母子登校でしか学校に通えなくなってしまいました。
4.母子分離不安の子どもに絶対にしてはいけないNG対応
ここでお子さんが母子分離不安で悩んでいるママへ。
大切なアドバイスをさせていただきますね。
母子分離不安の状態で母親に依存している子どもには、絶対にしてはいけない『NG対応』があります。
ここからお伝えすることは究極の『NG対応』ですので、母子分離不安のお子さんを子育て中のママは、できるだけ心がけるようにしてくださいね!
◆子どもを拒否することだけはしないで!
究極のNG対応は『子どもを拒否すること』です!
母子分離不安の場合、お子さんが母親に依存し離れられなくなってしまっているので
✓仕事ができなくなる
✓外出ができなくなる
✓自由が効かなくなる
✓学校に行けなくなる
✓母子登校をしなければいけなくなる など
母親にとって不都合な状況になってしまうため、ストレスを感じてしまってもしょうがないことでしょう。
「もう、いい加減にして!」
「ママ、ママばかり言わないで!気が狂いそう」
「少しでいいから一人にして!」
そう思ってしまう気持ちも十分に理解できますが、子どもが分離不安であることを否定するような言葉を使うことは絶対に避けてください。
母子分離不安は決して『甘え』ではありません。
不安で不安でしょうがない子どもにとって、最後の砦、心の安全基地が『母親』なのです。
不安の極限の状態で安全基地がなくなった子どもは、どこに心の拠り所を持っていけばいいのでしょうか?
ママから否定されたり、拒否されると、心の拠り所がどこにもなくなってしまいます。
拒否されることで、子どもは本能的に自分の安全を守るため、もっと母親への依存を高めていきます。
要するに、拒否や否定などのNG対応は、母子分離不安の症状をもっと悪化させてしまうのです。
5.母親への依存が辛く『NG対応』をしてしまうママへ
母子分離不安の子育ては、孤独との闘いでもあります。
時には、母親への依存がひどく、上記のような拒否や否定などの『NG対応』をしてしまうこともあるでしょう。
もし、母子分離不安の子どもへの対応、母親への依存を改善する方法を見つけられず困っている方がいらっしゃいましたら…
ぜひ、母子分離不安の専門家「いたがきひまり」さんの個別相談に申し込んでみてはいかがしょうか?
私の娘は、子どもが学校に行けなくなった後
・母子分離不安の悪化
・頭痛・腹痛などの体調の悪化
・感覚過敏が現れなど
状況の悪化が見られたため、「この状況はヤバい…」と母子分離不安の専門家「いたがきひまり」さんに相談をしました。
その後、発達科学コミュニケーションをふたばスクールで受講することを決意。
いたがきひまりさんの元で、母子分離不安の子どもの関わり方をみっちり3ヶ月間でマスターしました。
子どもの特性を知り、子どもへの関わり方を変えていくと、娘の私への依存は少しずつ改善に向かい、2学期の新学期からは母子登校を卒業。
娘のペースで学校に楽しく通えるようになったのです。
今、以前の私のように、子どもの母子分離不安にどう対応したらいいかわからないママがいたら…
どうか一人で悩みを抱え込まないで。
罪悪感を一人で抱えないで。
ふたばスクールは、『誰にも否定されない。母子分離不安で悩むママたちのための温かい居場所』です!