毎日、同じことを何度も何度も言っているのに、全然切り替えができないお子さんに困っていませんか?怒りたくないのに、気持ちを切り替えられずにゲームやYouTubeをやめられない姿を見るとつい「いい加減にして!」と思ってしまいますよね。子どもがさくっと次の行動に移れるママの声掛けのポイントをご紹介します。
1.切り替えができない子どもに困っていませんか?
皆さんはさっきから何度も声をかけているのに、
・ずっとYouTubeを見ている
・ちっともお風呂に入らない
・なかなか朝の準備が進まない
・返事すらない
といった切り替えができない子どもの様子にイライラすることはありませんか?
つい「ねえ!聞いてる?」「何回言ったらわかるの?!」「早くして!」と怒ってしまうということもあるのではないでしょうか。
そんな子どもが1、2回声をかけるだけで、または声をかけなくても自分からさくっと行動してくれるようになったら、ママもとても嬉しいですよね。
2.何度言っても切り替えて行動しない子どもにイライラする日々
私には発達凸凹がある子どもがいます。
以前は何回声をかけても切り替えができず、全く動き出す気配がありませんでした。
・何度「ご飯できたよ」と呼んでもYouTubeを見ていて、返事もない。
→「ねえ!ご飯できたよって言ってるでしょ!早く食べようよ!!」
・「お風呂入ろう!」と何度声をかけても遊びに夢中で、「はーい」と言うだけで全然立ち上がらない。
→「もう!寝るのも遅くなっちゃうじゃん!ママ先に入ってるからね!」
そんな切り替えができない子どもの様子に、私はだんだんイライラしてきてつい怒ってしまっていました。
そして「今日もイライラしてしまった…」と落ち込んでいましたし、何より大好きな自分の子どもなのに通じ合えない、コミュニケーションがうまく取れないことが、とても悲しかったです。
子育てなんて全然楽しくないとしょっちゅう思っていました。
3.子どもが切り替えられない理由
何度もママが声をかけても、子どもがさくっと次の行動を起こせないのには理由があります。
それは、ママの声がちゃんと子どもに届いていないからです。
みなさんはどんなシチュエーションの時に子どもが聞いていないと感じるでしょうか?
我が家の場合は、私が台所で家事をしながら呼びかけたときに特に届いていないと感じていました。
家事の効率を優先していた私は、手を止めて子どものそばへ行って話しかけず、たいてい子どもの背中に大声で声をかけていました。
大声で言っているので声は聞こえているはずなのに、何度言っても返事もなく、私が怒りだしたころ、
子どもは「え!ごはん出来てたの?」と驚いているのです!
その反応に私もびっくり!…なんてこともありました。
その時、子どもはゲームやYouTubeなど好きなことに集中していました。
発達凸凹っ子の中には、注意の散漫さがある一方で、短時間でものすごい集中力を発揮したり、自分の興味があること・好きなことには時間を忘れて没頭したりといった、「過集中」の状態になりやすい子がいます。
その状態になると、ママの声だけでなく周囲の他の音にもほとんど気が付かなくなるほど集中しています。
そのためママがいくら声をかけても、子どもの耳にはまったく届いていないのです。
わが子もおそらくこの状態だったのでしょう。
背中から聞こえてくる私の声は、理解するどころか気づいてもいなかったです。
このような状態ではいくら声をかけても、行動を切り替えられませんよね。
4.さくっと切り替えて行動できるようになるママの声掛けテクニック
このような様子の我が家でも、子どもがさくっと行動してくれるようになった声掛けの簡単テクニックをご紹介します。
さらにこの方法ならママもイライラせずに子どもを待てるようになりますよ。
ステップ1
子どもの近くへ行って笑顔で「○○くん♪ご飯できたよ〜」と優しい口調で声をかけます。
子どもの脳は、言葉の中身よりも表情や雰囲気などの非言語情報の方が先に処理される傾向があります。
だから、何を言うかよりもどんな感じで話しかけるかの方が大事です。
笑顔で、優しい口調で、ゆっくりと話すことで子どもの耳が開いてくれます。
ステップ2
提案に乗ってこないときは、見て見ぬふりをして3分や5分など時間をおきます。
ステップ3
数分後、また同じ口調で「○○くん♪ご飯できたよ〜」と全く同じことを言います。
ママの声に反応するまで、これを繰り返します。
この方法を使う時は、ママもはじめから何回も声をかけるつもりでいるので
子どもがたとえ1,2回で反応しなくても「はいはい、想定内ですよ。」といった具合にどんと構えることができます。
ポイントは、笑顔で、同じ口調で全く同じことを繰り返し言うことです。
どんどんエスカレートして強い口調にならないように気を付けてくださいね。
この方法で声をかけるようになってから、我が子はこれまで全く返事をしなかった集中している場面でも、3~4回言えば「はーい」と返事をしてくれるようになりました。
そのうちに1~2回で気持ちを切り替えてYouTubeやゲームをやめられるようになったのです。
私が声をかける前に自分からさくっと切り替えて行動できることもあります!
子どもに自分の声が届いていると実感できると、ママもとても嬉しくなり、自然と笑顔で優しく話せるようになります。
ママが笑顔でいると子どもも安心できるので、さらに声が届きやすくなるといういい循環が生まれますよ。
何度言っても子どもが動かなくて困っているママの参考になれば嬉しいです。
執筆者:よしみつ りこ
発達科学コミュニケーション リサーチャー