パパが怖くて話せないお子さんはいらっしゃいませんか?息子はパパに「一緒に遊びたい」と言うことができませんでした。パパ怖いと感じてしまった息子の特性と、「でも…」「だって…」とイライラしながら答えるパパの会話がスムーズに行くように、私が取り組んだ方法をご紹介いたします!
1.パパに話せないお子さんはいらっしゃいませんか?
ママや兄弟・姉妹には何でも話せているのに
・パパに遊んでと素直に言えない
・パパの機嫌を見ている
・パパが帰宅すると静かになる
というお子さんはいませんか?
お子さんから「〇〇したいってパパに言ってきて!」と頼まれたことのあるママもいらっしゃるのではないでしょうか。
私の息子は普段は家族の誰に対してもたくさんお話ししてくれます。
3人姉弟の末っ子ということで、早いうちからペラペラと喋っていました。
でも、パパにあることを伝えるときは私からパパに伝えてもらうという行動をとるようになっていました。
あることとは『パパと一緒に外で遊びたい』ということ…
なかなか息子が自分の気持ちを伝えることができなかったため、パパは息子にイライラすることが増えていきました。
パパの会話の特徴として
・眉間にシワを寄せていることが多い
・「はぁ?」「え?」と怖さを感じる言葉から会話が始まる
・「でも…」「だってさ…」という否定的な発言が多い
ということが目立っていました。
さらに…
「なんで自分で言えないの?」
「頼みたいことあるなら自分で言うのが普通でしょ?」
「自分で言えないんだったら言うことはきかない!」
パパは怒りながらそう言うことが多く、息子はその反応に怖さを感じていました。
そう言われ続けた息子は、どうせ言っても無駄でしょ?遊んでくれないんでしょ?という考えになってしまい、自分の口から伝えられなくなりました。
そして、私に依頼するという行動に出たのです。
2.パパを「怖い」と感じる息子の特性
私の息子は、自閉スペクトラム症(ASD)と場面緘黙症と診断されています。
◆ASDの特性
一般的な脳の特性として、感情が生まれるものは記憶に残りやすいとされています。
例えば、普段の何気ない出来事は忘れることがあっても、家族と旅行したり楽しい思いをしたことは記憶に残っていますよね?
嫌な気持ちになった出来事も記憶に残っているはずです。
ASDの子たちはそもそも記憶が残りやすい特性があり、しかも叱られた記憶がずっと残っている子が多いんです。
叱ったりイライラ感を出し否定的な態度で接することで、ネガティブな記憶が強く残ってしまうということです。
息子の中では、遊んでほしいと言った時にイライラされ「怖い」という感情を抱き、『パパに頼みごとをしても否定される』と記憶されたようです。
◆場面緘黙症の特性
場面緘黙症とは、家で普通に話せているのに特定の場面で話せなくなってしまうことです。
中には全く話せないお子さんや動くことができなくなるお子さんもいらっしゃいます。
場面緘黙症の影にASDが隠れている子が多いという研究結果もあります。
実は根底にASDがあり、その二次障害として緘黙の症状が出てくると考えられています。
不安の強いASDのお子さんがストレスを内側に内側に貯めていって、ある日二次障害として緘黙症状が表に出てくるのです。
家以外の保育園や学校で話せないだけでなく、家族内でも話せる人と話しにくい人がいるタイプの子もいます。
息子はパパに話せないタイプでした。
息子の2つの特性から、何かお願いした時に、否定的な態度で接することが多かったパパに「怖い」と感じてしまった息子の脳は、それをネガティブな体験として記憶しました。
ASDから緘黙の症状が出てしまった息子は、パパにネガティブな記憶があるために、話しにくくなってしまった…と考えられます。
3.息子とパパの会話をスムーズにしたママの対応
息子が一番不安に思っていることは、怒られるか怒られないか…
そこで、私は次のことを実践しました。
◆①息子の特性をパパに伝える
まず、息子の特性をはっきりとパパに伝えました。
怒られたり否定されることに対して「怖い」と思ってしまい、言いたいことが言えない状況であること。
それは学校の先生に対してだけでなく、私たち親に対してもそう感じていること。
そのために、私を通してパパに伝えようとしていること。
最初は納得していないようでしたが、パパの態度が原因で息子が癇癪を起こした時などに度々説明していきました。
◆②息子の心配事を先回りしてパパに伝える
息子はパパと遊びたいと伝えたときに、「でも、寒いから…」「だって、雨降ってるから…」と否定から始まる会話をとても嫌がっていました。
そのため、息子がパパと一緒に遊びたいけど伝えられないときに、
「一緒に遊びたいって言われて怒るパパなんていないよ~」
「キャッチボールしたいって言って、すぐにダメって言うパパいないから大丈夫!」
「公園に行きたいって言って、嫌な顔するパパいないよ!」
と、息子を諭すように話しながら、パパに聞こえるように大きめな声で話すことを続けました。
否定される前にこういう人いないよね?と釘を打っておけば、すぐに否定することはできません。
そうすることで息子のお願いごとに対して、すぐに嫌な顔をしたり、すぐに言い訳することは減りました。
息子がお願いごとをした時にパパの反応を気にしなくてもいいように、ちょっと先回りしたことで、息子とパパの会話が以前よりスムーズになったと思います。
私を通さなくても、パパと一緒に遊びたいという気持ちを自分で言えるようになりました。
ただパパの疲れが貯まっていたり、体調不良の時もあります。
その時はパパの様子を見ながら言い方を変えたり、息子にも「今日はパパ腰が痛いから遊ぶならゲームにしようか?」と提案することも。
①息子の特性をパパに伝えることにより、息子は「怖い」と感じる事が苦手であると分かってもらう
②息子の心配事を先回りしてパパに伝えることにより、「でも…」「だって…」の会話を減らす
①②を実践し、息子は怖がらずに話しかけることができるようになり、パパはイライラせずに対応できるようになりました。
以前より家族の雰囲気も良くなったと感じます。
パパには話しにくいというお子さんがいらっしゃったら、なぜ話しにくいのか原因を探してみましょう。
そうすると、どこを工夫すればよいか見えてくるはずです!
家族内の会話がスムーズになるように私の体験を参考にしていただければ幸いです。
執筆者:せがわよしか
発達科学コミュニケーション トレーナー