お子さんの癇癪にどう対応したらいいのか分からない、子育てに関する本やサイトを参考に癇癪に反応しないようにしているけれど、なんかうまくいかない、もっと自分たちに合う方法はないのかなと迷ってはいませんか?この記事では、癇癪に反応しない対応がうまくはまらない繊細な子どもに効果があった対応方法をご紹介します。
1.お子さんの癇癪への対応に迷っていませんか?
✔︎ちょっとしたことですぐに癇癪をおこしてなかなか泣き止まない
✔︎気持ちを代弁してみても聞いていなさそう
✔︎抱っこしたり触れたりして落ち着かせようとしてもママの手を振り払って暴れてしまう…
皆さんは、お子さんの癇癪に悩まされていませんか?
癇癪が起こらないように気を配ったり、先回りして対応してあげたりしているママもいるのではないでしょうか。
あるいは、子育てに関する本やサイトを参考にして対応しているのに、なんか上手くいかないな、この対応でいいのかなと悩まれているママもいらっしゃるかもしれません。
癇癪が日常化すると子ども本人もママも本当につらいものです。
癇癪がなくなったら、起きたとしてもすぐに気持ちを切り替えられるようになったら、子どもとの時間がもっと楽しいものになりますよね。
2.癇癪に振り回されて対応を迷っていました
私も以前は、当時4歳の次男の癇癪にとても悩んでいました。
⚫︎幼稚園に行きたくない
⚫︎ゲームで勝てなかった
⚫︎遊ぼうと思ったおもちゃを他の子にとられた
⚫︎自分の席に他の家族が座っていた
私から見たら本当に些細なことでもひどい癇癪になったりすることが良くありました。
その当時、私はすでに発達科学コミュニケーションを習っていたので、癇癪には見て見ぬふりをして落ち着くのを待って(ディスタンシング)、落ち着いたら肯定の声掛けをするという対応をとっていました。
しかし、我が家の次男の癇癪はディスタンシングではなかなか治らず、落ち着くのに時間がかかりました。
その間に不安が強く繊細な長男もイライラしてきて、きょうだい喧嘩に発展し、2人とも癇癪をおこすこともしばしば…。
結局、介入してしまいうまく見て見ぬふりができませんでした。
さらに、ようやく落ち着いたと思って「落ち着けたね」と声をかけると、思い出したようにまたワーっと泣き出してしまうことも。
ディスタンシングをすることで逆に癇癪が激しくなっているように感じましたが、これを乗り越えれば落ち着くのかなと思い、しばらくはこの対応を続けてみました。
しかし、パパへの暴言・暴力やきょうだい喧嘩がどんどん増えるばかりで、癇癪がなくなることはありませんでした。
次男はとても優しく、こちらまで嬉しくなるようなチャーミングな笑顔が私も大好きなのですが、次男からどんどんその笑顔が消えていきました。
もちろん、ママが癇癪に取り合わず見守ることで癇癪がおさまる子もたくさんいると思います。
私が家族の気持ちが気になって、ディスタンシングを徹底できなかったことも、うまくいかなかった原因かもしれません。
しかし、不安が強く繊細なタイプのわが子と私にはディスタンシングはあまりあっていないのではないのか、この対応で本当にいいのだろうか…と迷い、子育てに自信を無くしていきました。
3.繊細っ子が癇癪を起こしやすい理由
なかなか効果が見られなかったのには、実は次男の脳の特性も関係していたのです。
そもそも癇癪はなぜ起こるのでしょうか。
人の感情は、脳の内側にある「扁桃体」というエリアが関係しています。
扁桃体は、人が生命を維持するためのとても大切な働きをし、脳に入ってきた刺激を「安全か危険か」判断する仕事をしています。
一方外側の脳は、話を理解したり、思考したりといった理性的に行動するための働きをしています。
扁桃体が「安全」だと判断すると脳は「快」の状態になり、「危険」だと判断すると「不快」の状態になるのです。
繊細っ子は、この扁桃体が活発に働き、刺激に対して危険だと判断してしまいやすい脳の特性を持っています。
恐怖・不安・緊張・怒りなどを感じやすいのはそのためです。
扁桃体が活発に働いている時には、理性的に感情をコントロールしたり、話を理解したりする外側の脳の機能が下がってしまいます。
だからひどい癇癪が起こるようになり、ママの声掛けも理解できない状態になってしまうのです。
また、私がとった対応は不安を感じやすい繊細っ子の次男にとっては、「ママに突き放された、ママはわかってくれない」と感じ、より不安をあおり扁桃体を活発に働かせる結果となっていました。
4.繊細っ子にはディスタンシングよりもたくさんのハグが効果的
「ディスタンシングは私たち親子にはあまり合わないかな」と感じた我が家で行ってみた対応をご紹介します。
脳が「不快」と感じることで癇癪が起こるならば、できるだけ脳が「快」と感じる時間を増やそうと考えました。
そこで行ったのが、スキンシップです。
大人でも緊張したときや不安を感じるときに胸に手を当てると自然と落ち着いてきますよね。
肌は「第3の脳」や「露出した脳」ともよばれ、皮膚から受ける刺激が脳に与える影響は非常に大きいと考えられています。
また、心地よい感触を脳が感じると、脳内ではオキシトシン「幸せホルモン」という物質が分泌され、リラックスすることができます。
・朝起きたらまずハグをする
・そばに呼んで、近づいてきたらハグをする
・次男の素敵な行動に気が付いたら、肯定の声掛けと一緒にハイタッチをする
・寝る前にマッサージをする
といった具合に、癇癪が起きていないときにたくさん触れ合うようにし、肯定の声掛けを一緒に届けることも意識しました。
スキンシップ意識して行うようにしてから次男の笑顔が増えていき
・自分の席に誰かが座っていた
→「座りたいからちょっとずれてくれる?」と優しく伝えられるようになった
・ゲームで勝てなかった
→「もう一回やろう!今度はこうしてみる」と気持ちを切り替えられるようになった
このように次男の言動が変わり、癇癪の回数もぐっと減りました。
癇癪が起きた時も、私が呼んだら近くに寄ってきてくれるようになったり、触っても手を振り払われなくなったり、泣き方も軽く短い時間で落ち着けるようになったりしました。
そして私自身も、癇癪が起きても次男に触れて包み込んであげられるので、落ち着いて息子を待てるようになりました。
また肯定の声掛け+スキンシップをすることで私も心が穏やかになり、子どもたちに大好きな気持ちを自然と伝えたくなりました。
これからも毎日、肯定の声掛け+スキンシップをたくさんしていこうと思います。
癇癪に取り合わずに見守る対応がなんかしっくりこないな、もっと自分たちに合う方法はないのかなと悩んでいるママの参考になれば嬉しいです。
執筆者:よしみつ りこ
発達科学コミュニケーション リサーチャー