「どうせオレなんて…」自己肯定感が下がってしまった子どもが「自分はやれるんだ!」に変化!安心感を与えるテクニック

親子
怒った時に否定の言葉を投げかけてしまったことで「どうせオレ(私)なんて…」と自信を失くしてしまったお子さんはいらっしゃいませんか?何気に使っている言葉でも自分を否定された気持ちになるお子さんもいます。そんな自己肯定感を失くしてしまった子どもが「自分はやれるんだ!」と思えるようになった経験をご紹介します。
 
 

1.オレなんていないほうがいいんでしょ?

 
 
私の息子は小さい時から癇癪もちでした。
 
 
小学校1年生になった夏、息子の癇癪はひどくなる一方。
 
 
怒ると泣きわめいて叫んでいました。
 
 
また、家族に飛びかかって髪の毛をひっぱたり、蹴ったり叩いたり暴れ放題でした。
 
 
毎日毎日の癇癪で家族も疲労困憊
 
 
家族みんなで息子をせめて暴れるのを無理矢理抑えたり、叱り続けては息子を責める日が続きました。
 
 
家族も「暴れるのは弱い証拠だ」「そんなに暴れるならいなくてもいい」などと否定する言葉をかけていました。
 
 
ある日また癇癪を起こしたため、暴れる息子を力で抑えようとしたり、言葉で言い聞かせようとしていた時のことです。
 
 
泣きながら「もうオレなんかいらないんでしょ?」「ここから飛び降りればいいんでしょ?」「オレなんていなくなればいいんでしょ?」という言葉が…。
 
 
そして、窓を開けて窓によじ登ろうとするのです。
 
 
なんでそんなこと言うの?こんなに一生懸命育てたのに…
 
 
ショックとしか言いようがありませんでした。
 
 
癇癪
 
 

2.否定の言葉と息子の特性

 
 
みなさんは子どもに対して言ってはいけない言葉をがあるのをご存じでしょうか?
 
 
人格を否定する言葉、能力を否定する言葉、存在を否定する言葉のことです。
 
 
・人格を否定する言葉
「あなたはずるい」「いじわるだね」「嘘つき!」「だらしないね」「弱虫」「あなたにできるわけない」「あなたには無理」など
 
 
・能力を否定する言葉
「絵が下手だね」「ぶきっちょなんだから」「音痴だね」「〇年生になったのにできないの?」「もう一回保育園に戻ったら?」「頭が悪いね」「できるはずがない」など
 
 
・存在を否定する言葉
「本当は男の子(女の子)が欲しかった」「橋の下から拾ってきたんだよ」「あなたがいるとイライラする」「出て行って」「そんな子は家の子ではありません」「もう帰ってこなくていいよ」など
 
 
もしかしたら、「あれ?言ってしまったかも…」という言葉も含まれているかもしれません。
 
 
これらの言葉を使って叱り続けると、子どもはだんだんとネガティブ思考になって自分に自信が持てなくなってしまいます。
 
 
そして、できない自分は愛されていないんだ…という不安を持ってしまい、わざと心配させるような行動をとるようになります。
 
 
息子は自閉スペクトラム症(ASD)場面緘黙症と診断されており、ネガティブな記憶が残りやすいうえに、何事も不安に感じやすく、思ったことを言えない特性を持っています。
 
 
小学校に入り不安でいっぱいだった息子は、思ったことを言えずに、それを癇癪暴言・暴力という形でしか表すことができませんでした。
 
 
息子が暴れたときに「暴れるのは弱い証拠」「そんなに暴れるならいなくてもいい」と投げかけた言葉は、人格を否定したり存在を否定する言葉でした。
 
 
否定する言葉を言われ続けた息子は、それをネガティブな記憶として残し、自分はいなくてもいいんだ…と思うようになってしまったのです。
 
 
そして窓によじ登って窓から飛び降りようと心配させるような行動をとりました。
 
 
怒るママ
 
 

3.自己肯定感について

 
 
自己肯定感とは、ありのままの自分を肯定する感覚のことです。
 
 
今の自分を受け入れることで自信や安心を得ることができて、自分の価値や存在意義を肯定することができるようになります。
 
 
何か問題が起こっても乗り越える力を身に付けていく土台となり、他の人を信頼したり、協力しあったりできるようになっていきます。
 
 
自己肯定感が高いお子さんは「自分はできる!」と感じていることが多く、様々なことにチャレンジしようとするパワーがあります。
 
 
そして、失敗しても諦めず乗り越えていこうとします
 
 
逆に、自己肯定感が低いと「どうせ自分には出来ないんだ…」と感じることが多く、すぐに諦めてしまったり挑戦することをしなくなってしまいます。
 
 
自分の意見を言わない、人と比べる、諦めやすい、チャレンジできない、物事を否定的にとらえてしまう…などの特徴がみられます。
 
 
息子は先に述べた通り、息子の特性と今までの経験から自己肯定感が低くなっていました。
 
 
そのため自分に自信がなくなり、何事も否定的に受け止めるようになっていったのです。
 
 
そして「オレなんかいらないんでしょ?」「オレなんかいないほうがいいんでしょ?」と言うようになってしまったのです。
 
 
できた
 
 

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4.自己肯定感をさずける方法

 
 
自己肯定感はひとりで身につくものではなく、産まれた時から無条件に愛されて受け入れられることで芽生えていきます。
 
 
そのため、子どもの存在を丸ごと肯定するような声かけをしました。
 
 
「〇〇大好き」
 
「〇〇がいてくれて嬉しいよ」
 
「ありがとう」
 
「どんな時でも味方だよ」
 
「〇〇は家族みんなにとって大切だよ」
 
などの言葉を伝えるようにしました。
 
 
さらに、癇癪を起こした後の落ち着いた時にギュッと抱きしめながら伝える。
 
 
普段の時間で落ち着いているときに、目を見て伝える。
 
 
「あなたは大事なんだよ」「いなくなると困る」ということが伝わるように体に触れながら言葉にしました。
 
 
徐々に息子は「自分でもできるんだ!」という気持ちを持つことができ、様々なことに挑戦できるようになりました。
 
 
・1人でお遣いに行く
 
・1人で公園に行く
 
・公園にいるお友達に声をかける
 
・行っていなかった学校に行く
 
出来ることが増えていくにつれ、暴れることは少なくなりました。
 
 
いつの間にか「自分はいないほうがいいんでしょ?」と窓によじ登ろうとすることもなくなりました。
 
 
「自分を認めてくれる人がいる」という安心感を得ることができた息子は、自己肯定感が上がり、「あれもやってみよう!」という気持ちを持つこともできました。
 
 
「どうせ自分なんか…」「自分には価値がない…」と感じているお子さんがいらしたら、お子さんを丸ごと受け入れてあげましょう。
 
 
自信をなくして「オレなんかいないほうがいいんでしょ?」と言ってしまうお子さんと、その言葉に傷ついてしまうお母さんがこの世界からいなくなることを願っています…。
 
 
親子
 
 
執筆者:せがわよしか
発達科学コミュニケーション トレーナー
 
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