お子さんの不登校について、祖父母は理解してくれていますか?不登校は親御さんにとって長期休みで実家に帰省する場合や、祖父母が近居の場合に、子どもが不登校である状況を伝えるべきかどうか、考えてしまいますよね。 本記事では、祖父母に伝える場合、伝えない場合のメリット・デメリットをご紹介します。
1.祖父母は子どもの不登校を理解できる?
皆さんは、子どもが学校に行けていないことを祖父母に伝えていますか?
「不登校に対して理解をしてくれないかもしれない…。」
「学校に行っていないことに否定的な意見を言われそう。」
「これまでの育児に対して批判されそう。」
不登校という事実を祖父母に伝えるには、親もそして子ども自身も大きな負担となっているケースが多いようです。
親にとって、不登校という問題に頭を抱えているのに、さらに祖父母問題が加わってくると、大変なストレスになってしまいますよね。
多くの祖父母世代は『学校は行くのが当たり前』という感覚を持っています。
そのため、祖父母世代は『学校に行かない選択肢』を簡単に受け入れることはできないでしょう。
しかし、祖父母からの理解が得られると、祖父母との良好な関係を築くことができ、子どもも親も安心して生活をすることができるようになります。
本記事では、祖父母に不登校について伝えるメリット・デメリットをご紹介します。
2.「祖父母に話したらどうなった?」ふたばスクール生徒さんの経験談
私の運営するコミュニティには、お子さんの不登校で悩んでいるママさんたちが多くいらっしゃいます。
今回は生徒さん、3人の経験談をご紹介します。
◆Aさんの場合
私の息子は小学校1年生の頃、学校に一人で行けなくなってしまいました。
その後、付き添い登校を続けたものの、とうとう学校に全く行けなくなってしまい、不登校となりました。
わが家は夫の実家に近居しています。
同じ生活圏内で暮らしているため、息子の学校帰りや私の仕事帰りにも偶然会うことがある状況でした。
学校に行けていないことには祖父母も薄々気づいていたようなので、自分から説明をしようと決め、義母には状況をすべて話しました。
その結果、ひととおり息子の状況を心配するような質問があったものの、「何かできることがあればサポートするから」という、心強い返事をもらうことができました。
頼れる家族がいることは、働きながら不登校の息子を育てる私にとって、この上ない安心感を得られています。
わが家の場合は、祖父母に状況を話して本当によかったと思っています。
◆Bさんの場合
私の息子は小学校3年生から不登校になってしまいました。
私の両親はすぐ近くに住んでいて、日頃から会う機会は多かったので、息子がなんとなく学校に行けていないことには気づいていたのだと思います。
幸い、私の両親は職業柄、発達障害の方々と関わる機会があったため、発達障害への理解があったこと、
そして幼い頃から息子の特性を理解してくれていたこともあり、意外と抵抗なく、不登校へ理解を示してくれました。
「全面的にサポートする」という心強い言葉をかけてくれ、私自身、本当に話してよかったと思いました。
それからは、私が仕事で家にいない日は、祖父母宅で過ごすようになりました。
あえて祖父母は学校のことには触れず、時には気分転換に釣りに連れて行ってくれたり、散歩に出かけてくれたりしてくれて、息子にとって祖父母との時間はいい気分転換になっているようです。
◆Cさんの場合
私の娘は小学校4年生から学校に行っていません。
夫の両親は遠方に住んでおり、コロナ渦だったこともあり、帰省をすることがなかったので、娘が不登校である事実は伝えていませんでした。
しかし、コロナにおける規制が解除され、娘が小学校5年生になった頃、やむを得ず帰省することに…。
不登校であるという事実を知った祖父母は
「なんで学校に行かないのか?」
「学校に行かないと、仕事にはつけない。将来はどうするのか?」
「学校に行かないなんて、甘やかしすぎだ。」
など不登校に対して理解を示してくれることはありませんでした。
娘はそれから「絶対、おじいちゃんちには行きたくない!」と言っています。
3.祖父母に話すメリットとデメリット
◆祖父母に話すメリット
①理解が得られる場合には強力なサポーターになる
おじいちゃん・おばあちゃんは、子どもたちにとって特別な存在です。
親には話せないことや言いたくないことであっても、祖父母には話すことができる、というお子さんもいます。
祖父母とお子さんの信頼関係がある場合は、お子さんの不登校の原因を特定できるような会話がなされる可能性もあります。
また、親の立場でも祖父母のこれまでの経験から得られるアドバイスや視点が不登校の問題解決に役立つことがあります。
そのため、お子さんにとっても親御さんにとっても、祖父母と信頼関係がある場合には、強力なサポーターとなってもらえるメリットがあります。
②親の心の安定が図れる
親は子どもが不登校になっていることでストレスフルになりがちです。
そのため、祖父母に悩みを話すことで、ストレスが軽減します。
親御さんだけで抱え込むよりも、家族全体で力を合わせて対処することで、親御さんご自身の負荷軽減も期待できます。
◆祖父母に話すデメリット
①過度な心配
祖父母の時代は『学校に行くことが当たり前』の時代。
そのため、孫が学校に行けていないという状況に対して『過度な心配』をされてしまう可能性があります。
「勉強は大丈夫なの?」
「話ができるような友だちはいるの?」
等、祖父母の心配は尽きず、親御さんが質問攻めにあうことも考えられます。
②アドバイスの過干渉
孫を心配するあまり、 祖父母から多くのアドバイスを受ける可能性があります。
このアドバイスが、親や子どもの意向にそったものであれば問題ありませんが、
そうでない場合、そのアドバイスに振り回されてしまったり、不登校の根本的な解決まで遠回りしてしまう場合もあります。
4.子どもの不登校、祖父母に話す?話さない?
子どもの不登校について祖父母に話すかどうか、どちらが良い選択肢かは一概には言えません。
ふたばスクールの生徒さんの経験談のように、祖父母に話して不登校への理解に繋げることができると、子どもにとっても親御さんにとってもメリットとなることも事実です。
しかし、祖父母との関係が複雑である場合や、祖父母の健康状態が心配される場合は、情報を共有すること自体が負担となることもあります。
祖父母との関係性もふまえ、祖父母の反応や対応がどのような影響を及ぼすかも予測したうえで、決定した方がよいでしょう。
親は何よりもまず子どもに寄り添い、子どものニーズを理解し、適切なサポートを提供したうえで、家族全体のコミュニケーションのバランスを考慮していくことが大切です。
結論として、祖父母に話すか話さないかは状況により異なりますが、親が子どもの成長を最優先に考え、家族全体で協力しながら取り組むことがポイントです。