ASDグレーゾーンの朝起きられない子どもが、5分でご機嫌に起きられるようになったご褒美作戦!

親子
お子さんが朝起きられない、起こすと逆ギレされてしまい、毎日起こすのが嫌だなと思っているママはいませんか?朝起きるのは大人でもつらいもの。朝が苦手なASDグレーゾーンの子どもでも怒らずご機嫌に起きられるようになった、ご褒美作戦をお伝えします。
 
 

1.毎朝、なかなか起きられないASDグレーゾーンの子どもに、疲れ果ててしまう日々になっていませんか?

 
 
朝は、明るく挨拶を交わし、穏やかに過ごしたいものですよね。
 
 
でも実際は、お子さんをやっと起こして、学校へ登校させるだけに沢山のエネルギーを使ってしまい、疲れ果てていませんか?
 
 
我が子も朝が苦手
 
 
前の日に「明日は6時に起こしてね!」と言われ、子ども自身でもアラームをセットしているのに、私の声掛けにも、アラームにもまったく反応しません。
 
 
いよいよ登校時間が迫ってくると、
 
 
「なんで起こしてくれなかったの?」
 
 
「6時から起こしてるなんてママのウソだ」
 
 
「こんなに時間がないのはママのせいだ!」
 
 
と、怒りをぶつけてきます。
 
 
何度も何度も声をかけているのに、なぜか毎朝怒っている子どもの反応を目の前にすると、ママとしては悲しくもなり、イライラしてしまいますよね。
 
 
そんな朝が噓のように解消した、ご褒美作戦をご紹介します。
 
 
起きない子
 
 
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2.「毎朝しんどい…」から始まる1日をどうしたら変えられるのか、悩む日々でした。

 
 
我が子は低学年の頃は、普通に起きられていましたが、中学年になるにつれて、だんだん朝が弱くなっていきました。
 
 
毎晩、次の日の起きる時間を教えてくれるので、5~10分くらいの間隔で声をかけに行きます。
 
 
自分でも起きる意思があるようで、アラームをセットしています。
 
 
しかし、毎日、何度同じように声をかけても、
 
 
「起きる!」「わかってる!」「あともうちょっと」「起きてくからあっちへ行ってて!」
 
 
の繰り返し。
 
 
身体を少しトントンたたいて起こそうとすると
 
 
「やめて!」「触らないで!」
 
 
と怒ります。
 
 
そのような状態を1時間以上続け、いよいよ登校時間が迫ってくると、
 
 
「もう時間だよ」「今7時〇〇分になったよ!」「間に合わなくなっちゃうよ?」
 
 
という声掛けになっていきますが、子どものお怒りモードも更に増していきます。
 
 
起きるとは言いながら起きてこない、起こそうとすれば嫌がってお怒りモードという繰り返しに、
 
 
「学校へ行くのか行かないのかハッキリしてほしい」
 
 
「起きるのか起きないのかハッキリしてほしい…」
 
 
と、毎朝自分の気持ちを整えて、なんとか気持ちよく起こしたい思っている私も、いつの間にかイライラしてしまいます。
 
 
やっと意識がはっきりしてきて時間がないことに気付いた子どもは、
 
 
「なんで起こしてくれなかったの!?」
 
 
「起きられてないんだから、ママは起こしていない」
 
 
「遅刻も起きられなかったのもママのせい!」
 
 
「ひどい!」
 
 
「行くから送って!!」
 
 
そして最後は、子どもはお怒りモードのまま車を降りて登校。
 
 
私は「2時間近く起こし続けたあげく、運転手みたい」と悲しい気持ちにも襲われ、
 
 
やっと朝が終わる頃、心の切り替えに負担がかかるほど、疲れてしまっている自分がいました。
 
 
しかし、帰ってくれば「朝はごめんなさい」「明日は頑張って起きるね」と言ってくれます。
 
 
本当は子どももわかっているんですね。
 
 
一旦そのような言葉に救われますが、また次の朝がくれば、すっかり忘れてしまったように同じ状態。
 
 
そのような繰り返しに、「謝ってくれたのは嬉しいけど、今だけだよね!」と思ってしまう。
 
 
実際に子どもに言ってしまうこともありました。
 
 
こうなってしまうと、どんどん自己嫌悪にも陥ってしまいます。
 
 
子どもを登校させるまで、一日のうちの2時間も費やさなければいけなくなっている毎日を変えたい。
 
 
嫌な気分からスタートする毎日とは決別して、
 
 
親子で怒り合ってしまう朝を、笑って
 
 
「おはよう」「行ってきます」「行ってらっしゃい」
 
 
が当たり前に言い合える朝に変える方法はないのかと、日々悩んでいました
 
 
イライラする女性
 
 

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3.繰り返しの行動が習慣化する脳の仕組み

 
 
悩む日々を解消させたかった私は、ある脳の特性を学びました。
 
 
脳は、繰り返される行動が重要なこととして記憶されてしまう」ということ。
 
 
良い行動も悪い行動も、繰り返されればそれが定着してしまうということです。
 
 
大人でも、子どもに怒り続けることが毎日繰り返されていると、本当は怒りたくないのについ怒ってしまうというようなことも、子育てではよくあることではないでしょうか。
 
 
また、ASDグレーゾーンの子どもは、ポジティブな記憶より、ネガティブな記憶の方が残りやすいという特性があります。
 
 
子どもの脳の中でこのようなことが起こっているとすれば、ポジティブな記憶を多く残し、怒りモードにならないで起きることを定着させなければなりません。
 
 
そのきっかけをどうすればいいか悩んでいたところ、夏休みまであと3週間という時、子どもから「switchのゲームカードがほしい」と言ってきました。
 
 
朝起こすということが1日の一番大きな負担になっていた私にとって、子どもの行動を変えるきっかけになるかもしれない!と思いました。
 
 
そこで、「一学期が終わるまで、起きるときに怒らず、時間に自分で家を出ることがクリアできたら考える」と約束をしました。
 
 
物で釣るのは、その時限りになるのではないかという不安が出てくるものですが、目的は、気持ちのいい朝を送ることができるようになること
 
 
ご褒美作戦は、ご褒美を利用して、子どもが朝にお怒りモードにならずに起きることを定着させるための手段と考えました。
 
 
その行動を繰り返し行うことで当たり前になっていくことが狙いです。
 
 
Try!
 
 

4.出来た行動を肯定することで、行動の定着を狙う!

 
 
ご褒美を利用して、良い行動を定着させることに着眼した私は、2つのことを徹底して心がけました。
 
 

①「やさしく」「ゆっくりなペース」で、出来た行動を肯定する。

 
 
朝の最初の声掛けは「おはよう!」と明るく笑顔で声をかけに行きます。
 
 
当たり前のことですが、まだ目を覚ましていない子どもには、この声だけのコミュニケーションがとても大切です。
 
 
ちょっと辛そうな時や、「眠いー」などの言葉が返ってきたときは、「朝は眠いよね」「まだ寝たいよね」と共感の言葉を返します。
 
 
ママはイライラしてくると、どうしても話すスピードが早くなってしまうもの。
 
 
朝は時間を気にして早口になりがちですが、「やさしく」「ゆっくり」を徹底します。
 
 
そうこうしていると「まだ寝たい!でも起きる!」と言い出したりして、サッと身体を起こして、起きてきたりするようになりました。
 
 
起きられた時には、「できたね」「今日イイ感じだよ!」と、“お怒りモードにならずに行動できた”ことを褒めます
 
 

②実況中継で、出来ている事だけを肯定する声掛けを!

 
 
とにかく、”朝のできた”を実況中継で肯定していく声掛けをしました。
 
 
「今日はすんなり起きられたね!」
 
 
「今日優しい気持ちで朝を過ごせたね」
 
 
「もう着替えてたんだね!」
 
 
「朝ごはん食べ始めたんだね」
 
 
朝、時間に家を出るようになり、
 
 
「行ってらっしゃい(笑顔で)」
 
 
「頑張ったね!」
 
 
「いい感じだよ」
 
 
「ママもとっても嬉しいよ」
 
 
等と声をかけて、学校へ送り出しました。
 
 
良い行動を肯定して、とにかくポジティブな記憶を増やします
 
 
「起きる時間!」「遅れるよ!」と、ママが言いたくなるネガティブな声かけは一旦封印して、
 
 
やさしくゆっくり共感して、肯定の声掛けをしていくことが、朝の負の連鎖から早く抜け出す手段です!
 
 
OK
 
 

5.ご褒美作戦を使って、出来なかったこともできるようになりました!

 
 
2つの取り組みで朝起きることがスムーズになっていくことで、それまでは
 
 
「もう時間だから髪の毛整えなくていいの!?」
 
 
「こんな時間からやったら間に合うの?!」
 
 
と時間を気にしては支度を促す声掛けをしていたことが、 娘から
 
 
「〇〇に出るから、〇〇分に食べ終わらないと!」
 
 
「〇〇分に出るから、髪の毛やる!」
 
 
と言い出し、自分で時間を意識して考えて行動できることにも繋がっていることに気付きました。
 
 
また、ご褒美を気にして行動していたのは最初だけで、一学期の終わりには、子どもから触れてくることもなく、行動できるようになっていました。
 
 
いい流れを作ることができると、脳の働きも積極的になり、新たないい行動が作られることも実感しました。
 
 
ご褒美作戦は、その時良い行動をさせるために使うのでなく、良い行動に繋がるための手段にすることができます。
 
 
お子さんが動き出すきっかけに、是非取り入れてみてください。
 
 
親子
 
 
 
 
 
執筆者:野口 れいこ
発達科学コミュニケーション リサーチャー
 
 
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