子どもがやりたくて始めた習い事に「行きたくない」ということはありませんか?そんな時にどう対応したらいいか迷ってしまいますよね。この記事では不安の強いお子さんが前向きに行動できるようになるホームカウンセリングについてお伝えしていきます。
1.「行きたくない」という子どもに振り回されていませんか?
お子さんが「やりたい!」と言って始めた習い事。
最初は楽しそうに通っていたのに、ある時から急に「行きたくない」と言い出したことはありませんか?
そんな時「なんで急に?」「お金を払ってるのに…」と親はモヤモヤしたり、イライラしたりしますよね。
私も同じ経験をしました。
息子が好きで始めた習い事に「行きたくない」と言い始め、時には「来週は行く」と言っておきながら、当日になるとまた「やっぱり行きたくない」と繰り返す状況に悩まされました。
こうした「行く・行かない」の問題に振り回される親にとって、子どもの不安に寄り添い、前向きな行動を促す「ホームカウンセリング」はとても役立つ方法です。
この記事では、私自身がこの方法を通じてどのように子どもとの関係を改善し、息子の「行きたくない」が「行く!」に変わっていったのかをご紹介します。

2.子どもの「行きたくない」に「なんで?」という気持ちが抑えられずにいました
私の息子はもともと不安が強く、年少の秋には不登園になっていました。
それでも、幼稚園で行われていた課外活動の体育教室だけは通えていたのです。
息子は身体を動かすのが好きで、先生にも慣れ親しんでいたので、「体育教室だけでも通えればいい」と思っていました。
ところが、ある日から体育教室にも「行きたくない」と言い始めるようになりました。
前日の夜には「行く」と言っていても、朝を迎えて時間が近づくにつれて「やっぱり行きたくない」と言い出します。
この繰り返しに、私は次第にイライラするようになり、「なんで行きたくないの?」「行けば楽しいのに」と説得したり、「行くって約束したよね」と責めてしまったりしていました。
その背景には
「幼稚園に行ってないんだからせめて体育教室には行ってほしい」
「このままじゃ、どんどん幼稚園から離れちゃう」
「ママが見てるんだから大丈夫」
という私の思いがありました。
私が「行ってほしい」という気持ちが強すぎたことで、息子の気持ちを十分に聞く余裕がなくなり、無理に連れて行こうとしたこともあります。
しかしその結果、息子はますます不安を強め、「行く」という言葉を口にしなくなってしまいました。

3.なぜ子どもは「行きたくない」と言うのか?
子どもが「次は行くよ」と言いながら、いざその時が近づくと「やっぱり行きたくない」となる理由をご存じでしょうか?
これは決して嘘ではなく、子どもの中で不安が高まることで、気持ちが変わってしまうのです。
たとえば、息子の場合は次のような思いが心の中で渦巻いていました。
・「みんなに会うのが怖いな」
・「途中でトイレに行きたくなったらどうしよう」
・「失敗したら先生に怒られるかも」
このように、考えすぎて心が疲れ果て、「行きたくない」となってしまうのです。
不安が高まっている状態では、冷静に物事を判断することができません。
親が「なんで行かないの?」「行けば楽しいよ」と説得すればするほど、子どもは余計にプレッシャーを感じてしまい、逆効果になってしまいます。
そんな時は、次にお伝えする「ホームカウンセリング」が有効です。
お母さんが自分の気持ちをよく聞いてくれて「なんでも話していいんだ」と思えたら、安心を感じることができます。
すると不安が和らぎ、「行ってみようかな」「やってみようかな」という行動につながっていきます。
我が家の場合、私の「行ってほしい」という圧が強く、子どもがなかなか自分の気持ちを言えなかったのだと思います。
そこで私が子どもの話を聞く時に意識するようにしたポイントをお伝えしていきたいと思います。

4. 親の接し方が鍵!不安が強い子どもへの適切な対応とは
「行きたくない」と言う子どもへの対応で最も大切なのは、子どもが「何を言っても受け入れてもらえる」という安心感を得ることです。
そのような環境でこそ、子どもは自分の気持ちを整理し、前向きな行動を取れるようになります。
ここで大切なのは、親の「こうしてほしい」という思いを一旦「保留」することです。
具体的には次のステップを意識します。
1.否定も肯定もしない
子どもが「行きたくない」と言ったら、「そっか~」「そうなんだね」と、感情をそのまま受け止めます。
「なんで?」「行きなよ」といった言葉は避け、子どもの言葉を一旦「預かる」という姿勢で話を聞きます。
2.子どもの話をじっくり聞く
子どもが安心感を持てると、少しずつ自分の気持ちを話し始めます。
「怖かったんだね」「そんなふうに思ってたんだ」と親が共感することで、不安が和らいでいきます。
3.親の気持ちを整理する
親自身も「行ってほしい」という焦りや不安を抱えているものです。
その気持ちを紙に書き出したり、信頼できる人に話したりすることで、子どもにプレッシャーを与えずに済むようになります。
これまで私は、どうしても「行きたくない」の言葉に即座に反応してしまっていました。
これは母である私自身が「このまま幼稚園からどんどん遠ざかってしまうことが怖い」と感じているから、それを防ごうと目の前の問題に目を奪われてしまっていることに気がつきました。
私は、「受容しましょう」「共感しましょう」という対応をよく目にして、「そうだよね、行きたくないよね」と口では言うものの、「でもさ…」とこちらの思いを伝えてしまい、本当の意味での共感はできていなかったと思います。
「受容」の前に大人側の「保留」があることが理解できると、子どもの心の内を引き出しやすくなりました。

5.ホームカウンセリングで不安の強い子どもが前向きになりました
ホームカウンセリングを取り入れたことで、我が家でも次第に変化が現れました。
ある日、息子が「今日行きたくない」と言った時、「そっか、今日は行きたくないんだね」と肯定も否定もせずにそのまま家事をしていました。
すると息子が自分から「やっぱり行く」と言い出したのです。
これは、私が説得や押し付けをせず、息子の気持ちを受け止めたことで、息子自身が安心感を得て自分の中で気持ちを切り替えた結果だと思います。
このように、親が子どもの言葉を受け止め、安心感を与えるだけで、子どもが自分で行動を選べるようになります。
不安が強い子どもにとって、親の「受け止める姿勢」が何よりも大切なのです。
子どもの「行きたくない」にどう対応するかは、親として非常に悩ましい課題です。
しかし、「ホームカウンセリング」を活用し、子どもに「お母さんはいつでも味方だよ」と伝える姿勢を貫くことで、子どもは安心感を得て、自然と自分から行動を選べるようになります。
このホームカウンセリングが、同じように悩むお母さんたちの助けになれば幸いです。

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執筆者: 渡辺 さくら
発達科学コミュニケーション アンバサダー