「合宿に行きたくない」と不安がる小学生に悩んでいませんか?起きてもいないことを心配してしまう理由と、合宿まであと少しでも安心して挑戦できるようになる親の関わり方をお伝えします。
1.「合宿に行きたくない…」起きてもいないことを不安がる子どもにもどかしくなっていませんか?
もうすぐ合宿や宿泊学習。
楽しみにしている子もいる一方で、
「行きたくない…」
「もし〇〇になったらどうしよう」
「夜、眠れなかったらどうしよう…」
そんなふうに、まだ起きてもいないことをあれこれ心配して、不安そうに話すお子さんに困っていませんか?
もしかすると、あなたも
- 合宿まであと少しなのに「行きたくない」と言われて焦っている
- 「行けば楽しいのに」「やる前から諦めないでほしい」ともどかしく感じている
- 何事も逃げずに挑戦して、一歩成長してほしい
そんな気持ちで、この記事を読んでくださっているのではないでしょうか。
私も同じでした。
発達障害グレーゾーンで不安の強い娘は、新しい場所や初めてのことがとても苦手。
習い事の一泊二日の合宿が決まったときも、「行く前からネガティブなことばかり言って…」と、もどかしくてたまらない日々を過ごしていました。
けれど、ある関わり方を続けたことで、娘は自分から「合宿に行きたい」と言い、一人で参加できるようになったのです。
もちろん、合宿の前日に魔法のような声かけをしたわけではありません。
娘が一歩踏み出せたのは、毎日の小さな関わりの積み重ねがあったからです。
もし合宿までまだ少し時間があるなら、今日からでも始められることがあります。
この記事では、わが家の体験談をもとに、不安の強い子どもが安心して一歩踏み出せるようになった関わり方をご紹介します。

2.「やる前からネガティブな娘」にもどかしさを募らせていた過去
わが家の娘は、とにかく不安が強いタイプです。
初対面の人に「こんにちは」と声をかけられても、緊張して固まってしまい、挨拶を返せないこともあります。
何か新しいことに誘っても、「やだ」「行かない」「無理」と返ってくることが少なくありませんでした。
だから、習い事のバスケットボールで一泊二日の合宿があると聞いたときも、「うちの子にはまだ早いかもしれない」と思いました。
けれど同時に、私は娘が本当は行きたい気持ちもあることを知っていました。
バスケットボールは大好き。
仲間と過ごす時間も楽しそう。
だから、単に「行きたくない」のではなく、「行きたい。でも不安の方が大きい」
そんな気持ちだったのだと思います。
合宿は、親から離れて過ごしたり、新しい経験をしたりと、大きく成長できる機会です。
きっと行くことができたら、「できた!」という自信にもつながるはず。
「本当は行きたいくせに、どうしてやる前から『無理』って決めつけるの?」
「起きてもいないことばかり心配して足踏みしないで、飛び込んでみたらいいのに!」
と、娘の気持ちが見えるからこそ、私はもどかしくてたまらなかったのです。
以前の私なら、なんとかそのブレーキを外してあげたくて、
「せっかくの機会なんだから頑張ってみたら⁈」
「大丈夫だって!行ったら絶対楽しいよ!」
と説得しようとしていました。
しかし、そのような時は決まって、こちらが熱くなればなるほど娘は「行きたくない!」と頑なになり、しまいにはパニックになって癇癪を起こしてしまう…。
発達科学コミュニケーション(発コミュ)を学び、
「行きたい気持ちがあるからこそ、行けない不安と葛藤しているんだ」
と気づいた私は、「説得して背中を押す」のをやめ、「どうすれば『やってみようかな』と自分でブレーキを外せるだろう」と考えるようになりました。
子どもは、不安がなくなったから挑戦するのではありません。
「自分なら大丈夫かもしれない」と、心の準備が整ったときに初めて、自分から一歩を踏み出せるのです。

3.「行きたい。でも怖い。」不安が強い子どもの心の中
実は、この「起きてもいない不安」には、 発達の特性が関係していることがあります。
特に自閉スペクトラム症(ASD)の傾向がある子どもは、「初めてのこと」や「先が見えないこと」に強い不安を感じやすいと言われています。
例えば合宿なら、
- どんな部屋で寝るのかな?(イメージできなくて怖い)
- 夜、眠れなかったらどうしよう?(対処法が分からなくて怖い)
- 困ったときは先生にちゃんと話せるかな?
大人なら「行けば何とかなる」と思えることでも、見通しを立てるのが苦手な子どもにとっては、一つひとつが大きな不安になることがあります。
また、不安の強い子は、以前に困った経験や失敗した経験を長く覚えていることもあります。
「前に宿泊行事で眠れなかった。」
「知らない子とうまく話せなかった。」
そんな経験があると、「また同じことが起きるかもしれない」と結びつけてしまい、不安がさらに大きくなってしまうのです。
だからといって、
「行けば慣れるよ。」
「行けばきっと楽しいよ。」
「せっかくなんだから頑張って。」
と正論で背中を押すだけでは、不安は小さくなりません。
かえって「ママは自分の怖さを分かってくれない」と閉じこもってしまいます。
だからこそ必要なのは、正論で励ますことではなく、
- 子どもが抱えている不安を小さくすること
- 「できそう」「やってみようかな」と思える安心を少しずつ増やしていくこと
です。
その積み重ねが、子どもの挑戦する力につながっていきます。

4.合宿まであと1週間。今からできる「安心」を増やす3つの関わり
合宿までのカウントダウンが始まっている今、ママができる3つの具体的な関わり方をご紹介します。
① 「できた」をたくさん伝えて、安心の土台を育てる
発コミュでは、子どもが安心して挑戦できる土台を育てるために、子どもの「できた」を見つけて、肯定的な声かけをたくさん伝えることを大切にしています。
「肯定のシャワー」を毎日たっぷりと注いであげましょう。
「たくさん褒めなくちゃ」と思う必要はありません。
ポイントは、日常の中で当たり前にできていることを、そのまま言葉にして伝えることです。
例えば、
- 朝、自分で着替えた →「自分で着替えてるんだね」
- ご飯を残さず食べた →「最後まで食べられたんだね」
- 外に出るのを嫌がらなかった →「今日はお外に出る気持ちになったんだね」
- お手伝いをしてくれた→「お皿運んでくれて、ありがとう。助かったよ」
そんな小さな積み重ねが、「自分もできる」「自分は役に立っている」「愛されている」というブレない「安心や自信の土台」につながっていきます。
② 「前もできたじゃん!」で安心できる記憶を思い出す
不安が強くなると、子どもは「自分は何もできない」と思い込みがちです。
そんなときは、過去の「大丈夫だった経験」を具体的に思い出させてあげます。
「そういえば、〇〇のキャンプのときも行く前はドキドキしていたけれど、帰ってきたら『楽しかった』って言ってたよね」
「この前、一人でおばあちゃんの家に泊まれたね。」
「起きていない不安」を小さくしてくれるのが、「過去に乗り越えられた事実」です。
過去の成功体験を一緒に振り返ることで、「今回も大丈夫かもしれない」という安心につながっていきます。
③ 前日は「頑張って」よりも「お守りになる言葉」を
いよいよ合宿が近づくと、つい「せっかくだから挑戦しておいで!」「頑張ってね!」と励ましたくなるかもしれません。
ですが、すでに不安いっぱいの子には、「頑張って」はプレッシャーになってしまうことがあります。
そこでおすすめなのが、逃げ道や解決策を提示してあげるお守りの言葉です。
「困ったら先生に相談すれば大丈夫だよ。」
「どうしてもつらくなったら、ママに電話してもいいからね」
「行くって決めるだけでも、もう十分すごい挑戦だよ」
そんなふうに、「いざとなったら助けてもらえる」「逃げ道がある」というメッセージを伝えるようにしました。
子どもは、不安がなくなったから挑戦するのではありません。
「不安はある。でも、大丈夫かもしれない。」
そう思えたとき、自分から一歩を踏み出せることがあります。

5.不安の強い子どもが、一人で合宿に参加できました!
毎日、娘の「できた」を見つけて伝え続けていくうちに、少しずつ変化が見られるようになりました。
そしてある日、習い事のバスケットボールの他チームの子も参加する一泊二日の合宿に自分から 「私も行きたい。」 と、自分から言ったのです。
もちろん、不安がなくなったわけではありません。
合宿の日が近づくと、「大丈夫かな…」と心配そうに話すこともありました。
それでも、自分で荷物を準備し、一人で合宿に参加することができました。
帰ってきたときの娘の誇らしげな顔を、今でもよく覚えています。
あの表情を見て、無理やり背中を押して行かせるのではなく、本人が「やってみようかな」と思えるまで安心感を育てて本当によかったと心から思いました。
もし今、合宿を前に「起きてもいないことばかり心配して…」とお子さんにもどかしさを感じていても、焦らないで大丈夫です。
合宿までの残りの期間、ぜひ今日から「できていること」を言葉にして伝える関わりを試してみてください。
その小さな積み重ねが、「やってみようかな」と思える安心につながり、合宿だけでなく、この先のさまざまな挑戦への一歩につながっていきますよ。

\“どう関わればいいか迷う”ママへ/
「待つ?手伝う?」と悩みやすい場面での関わり方を
不安が強い子が「自分でやる」を少しずつ増やしていく
視点と具体的な声かけにまとめました。
執筆者:中川 まさみ
発達科学コミュニケーション トレーナー






