外出のたびに「ママ、トイレ」と言われてしまう…。何度も対応する中で「いつまで続くの?」と感じていませんか?不安と頻尿の関係を知り、親子で振り回されにくくなるための見方と関わり方をお伝えします。
1.外出するとすぐに「ママ、トイレ」という子どもに困っていませんか?
今日は楽しみにしていたお出かけ。
玄関を出ようとすると「ママ、トイレ」。
さっき行ったばかりなのにな…。
車に乗って出発すると5分も経たないうちに「ママ、トイレ」。
行った先でもトイレのことばかりが気になり、落ち着かない。
こんな経験ありませんか?
子どもの場合、5歳以上で1日10回以上、または排尿間隔が2時間未満だと「頻尿」と言われています。
環境の変化やストレスが原因となることもあります。
ネット検索すると「叱らない」「我慢させない」「見守る」という言葉が並んでいますが、正直、
「さっき行ったばかりなのに」
「これ、いつまで続くんだろう」
と感じ、対応するたびに親も少しずつ疲れていきます。
この記事では、春先になると毎年頻尿になる我が子の体験談をもとに、「ママ、トイレ」に振り回されにくくなるための見方と関わり方をお伝えしていきます。

2.不安が増すと頻尿になる我が子
私の息子はこの春、小学一年生になりました。
新しい先生、友達、教室。
さらに今回は、幼稚園とは違い、環境もルールも大きく変わる「学校」に入っていく時期でもあります。
そんな変化の影響もあってか、この春休みも外出しようとすると、すぐに
「ママ、トイレ」
「(お出かけ先に)トイレあるかな?」
と不安が止まらない様子でした。
実はこの様子、今年だけではありません。
進級のタイミングになると、毎年同じように不安が強くなります。
最初は病気を疑い受診もしましたが、異常はありませんでした。
そこで改めて息子の様子を観察していく中で、ひとつの共通点が見えてきました。
それは、環境の変化が迫ると、不安が「トイレ」という形になって現れるということです。
ひどい時は、本来であれば車で30分で行ける場所に、何度もトイレに立ち寄るので、到着するのに1時間以上かかることもありました。
確かに教科書通り、
「行きたいと言う時には我慢させずに行かせて安心させる」
「一過性のものなので見守る」
これは大事な関わりです。
でも、渦中にいると先が見えず、ママに負担がかかるのも事実ですよね。
では、この「何度もトイレに行きたくなる状態」、どう捉えたらいいのでしょうか。

3.その「ママ、トイレ」は何を意味しているのでしょうか
不安を感じたとき、すぐに安心できることは大切です。
でもここで、ひとつだけ立ち止まって考えてみたいんです。
「トイレに行けば安心できる」という経験を、繰り返すほど、どうなるでしょうか。
不安になるたびにトイレに行く。
行けば安心する。
でもまた不安になると、同じように「トイレ」と言う。
このやりとり、気づかないうちに繰り返していることも少なくありません。
いままでの私は、子どもを不安にさせないことが大事だと思っていました。
だから「トイレ」と言われたら、すぐに連れて行くようにしていました。
でも振り返ってみると、不安を感じたらすぐに解消してあげる関わりが、「不安があると耐えられない状態」をつくっていたのかもしれません。
「安心させてあげたい」という気持ちから選んできた関わりでしたが、結果的に、「安心できる状況じゃないと大丈夫でいられない状態」につながっていた可能性があります。
そしてもうひとつ、見方を変えてみると、「ママ、トイレ」は、困った行動ではなく、「いま不安が大きくなっているよ」というサインだったのかもしれません。
そう考えると、目指す方向も少し変わってきます。
「どうやって不安をなくすか」ではなく、
「不安があっても、少しのあいだ自分で大丈夫でいられる時間を増やす」
そんな関わり方です。

4.関わり方を少し変えてみるという選択
ここから先は、「不安があっても、少しのあいだ自分で大丈夫でいられる時間を増やす」ためにしてきた関わりをご紹介します。
まず前提として、これは無理に我慢させるための関わりではありません。
お出かけ中、子どもに「ママ、トイレ」と言われたとき。
すぐに行くのではなく、「安心にたどり着くまでの時間を、ほんの少しだけ延ばす」ようにしました。
たとえば、
「あそこのコンビニの方が広いからあっちにしようか」
「きれいなトイレがありそうなところ探すから、ちょっとだけ待てる?」
そんなふうに声をかけて、ほんの少しだけ「今すぐじゃない時間」をつくります。
ここで大事なのは、「どれだけ我慢できたか」ではありません。
「すぐに行けなくても、大丈夫でいられた時間があったかどうか」です。
実際にやっていく中で、子どもとのやりとりも少しずつ変わっていきました。
「すぐには止まれないから、もうちょっと待てそう?」
「うん、いけそう」
そんなふうに、子ども自身が「どれくらいなら大丈夫か」を考える場面が増えていきました。
一方で、いつもスムーズにいくわけではありません。
「今じゃないとダメ!」と言われて、そのままトイレに行く日もあります。
だからこそ、この関わりには条件があります。
・毎回やらなくて大丈夫
・できそうな1回だけでいい
・子どもに余裕があるときだけでいい
大切なのは、延ばすことではなく、子どもが「自分で大丈夫と感じられる時間」を一緒に積み重ねていくことです。

5.少しずつ変わっていった我が子の様子
私もいつもうまくいったわけではありません。
「もうダメ!」と言われて、そのままトイレに向かう日もたくさんありました。
でも、余裕がありそうなときにだけ、ほんの少し「今すぐじゃない時間」を入れていくと、少しずつ変化が見えてきました。
「ママ、トイレ!」と言っても、その後に「やっぱり大丈夫そう」。
そんなふうに、子ども自身が言うことも増えていきました。
✓目的地まで行けた
✓途中で1回で済んだ
✓家まで我慢できた
そんな経験が積み重なっていきました。
ここで見ていたのは、トイレに行く回数ではなく、「大丈夫でいられた時間が増えているかどうか」です。
そしてもうひとつ大きかったのは、私自身の見方の変化でした。
「またトイレ?」と振り回されるのではなく、「いま不安が大きくなっているんだな」と受け取れるようになると、必要以上に焦ったり、イライラしたりすることが減っていきました。
すぐに安心できることと、行けなくても大丈夫でいられることは、少し違う力です。
そして「ママ、トイレ」は、困った行動ではなく、子どもが今の状態を教えてくれているサインです。
そう受け取れるようになると、子どもの行動に振り回される時間は、少しずつ減っていきます。

\“どう関わればいいか迷う”ママへ/
「待つ?手伝う?」と悩みやすい場面での関わり方を
不安が強い子が「自分でやる」を少しずつ増やしていく
視点と具体的な声かけにまとめました。
執筆者:渡辺 さくら
発達科学コミュニケーション アンバサダー




