失敗することを極端に嫌がる子どもに、戸惑うことはありませんか?そのような子の中には、自分が笑われたと感じたときに強く怒る子もいます。この記事では、笑われることを嫌がる子どもの背景にある理由と、関わり方のヒントをお伝えします。
1.失敗を極端に嫌がる子どもが笑われたとき
失敗することを極端に嫌がる子どもに、戸惑ったことはありませんか?
- 間違えそうなことは初めからやらない
- 負けそうになるとやめてしまう
- うまくできないとイライラし出す
そんな姿を見ていると、「そんなに失敗を怖がらなくても…」と思うことがあるかもしれません。
わが家の息子にも、失敗を極端に怖がる時期がありました。
そして、そんな息子を見ていて気になっていたことがもう一つありました。
それは、自分が笑われたと感じたときに強く怒ることです。
この記事では、笑われることを嫌がる子どもの背景にあるかもしれない理由と、親としてできる関わりのヒントをお伝えします。

2.「バカにされた」と感じる息子
以前の私は、息子の失敗を「かわいいな」と思って笑ってしまうことがありました。
すると、「今、笑ったでしょ!」「バカにしてる!」と、息子が怒り出すことが何度もありました。
最初はそこまで深く受け止めていませんでした。
「そんなつもりじゃないよ」
「バカにしてないよ」
そう伝えていれば、いつかはわかってくれると思っていたのです。
けれど、笑うたびに同じことが起こりました。
「絶対バカにしてる」と強く言い張り、話を聞こうとしません。
「少し笑っただけなのに、どうしてこんなに怒るのだろう?」
「笑ったり、笑われたりするのも、コミュニケーションの一つなのに…」
そう思うのと同時に「こんなことで怒っていて、将来大丈夫なのだろうか」と不安を感じていました。

3.怒りの裏にあった「失敗への怖さ」
その後、発達科学コミュニケーションを学ぶ中で、あることを学びました。
それは、自閉スペクトラム症(ASD)の特性をもつ子の中には、「失敗」を強く怖がる子がいる、ということです。
うまくできなかった自分を「ダメな自分」と感じてしまうのです。
ほんの小さなミスでも、自分の中では大きな失敗として感じてしまうことがあります。
そんな状態のときに、大人が笑うとどうなるでしょうか。
たとえ悪気がなくても「やっぱり失敗ってダメなことなんだ」と失敗をよりネガティブに受け取ってしまうことがあるのです。
息子はもともと失敗を嫌がる傾向がありました。
その背景には、私の関わりも影響していたのかもしれません。
今思えば、私は無意識のうちに「失敗=ダメなこと」と伝えていたように思います。
例えば、飲み物をこぼしたときや、おもちゃを壊してしまったとき、私は思わず強く反応してしまうことが多くありました。
そのような積み重ねの中で、「失敗=怒られること」「失敗=よくないこと」という意味付けが、息子の中で強くなっていったように思います。
息子は、失敗したときに笑われることを「自分へのマイナスの評価」として受け取っていたのではないか、と気づきました。

4.私が気をつけた2つのこと
息子の失敗の捉え方を知り、私は次の2つのことを意識して関わるようにしました。
①「失敗しても大丈夫」という関わり
これまでの私は、息子が何か失敗すると表情を曇らせたり「何やってるの⁉︎」と叱ってしまっていました。
そんな私が息子の失敗に反応しないことは、簡単なことではありませんでした。
ですが、できるだけ息子が何か失敗しても、大きく反応しないように心がけました。
その代わりにしたのは、「事実だけ」を伝えること。
「お水こぼれたね」
「おもちゃ、壊れちゃったんだね」
責めるのではなく、評価するのでもなく、ただ起きたことを言葉にしました。
そして必要があれば、「残念だったね」「困ったね」と気持ちを添えるようにしました。
②子どもの失敗を笑わない
「笑われる」というのは、大人にとっては軽い冗談でも、子どもにとっては「バカにされた」と感じることがあるからです。
大人でも場合によっては、自分が笑われたら楽しい気持ちはしないはずです。
子どもは、まだ人とのコミュニケーションを学んでいる最中です。
すぐに「笑われても平気な子」にしなくてもいい。
まずは、「失敗しても責められない」という安心を積み重ねることをしました。

5.私自身の変化と、息子の小さな変化
息子の失敗に大きく反応しないようにしてから、数カ月。
まず変わったのは、息子ではなく私でした。
以前の私には、
「こんなことで怒っていて、将来大丈夫なのだろうか」
「失敗を怖がるままで、この先やっていけるのだろうか」
そんな将来への焦りや不安がありました。
そのため、「今のうちになんとかしなければ」という気持ちが先に立ち、強く言ってしまうことがあったように思います。
けれど、失敗に大きく反応しないと決めてから、私の心が少しずつ穏やかになっていきました。
私自身が息子の失敗を見ても「まぁいいか」と思えるようになっていったのです。
そして息子にも、少しずつ変化が見られるようになりました。
- 「失敗しちゃった」と自分から言える
- 「誰でも失敗するよね」と口にする
- 失敗しそうでも、挑戦する姿が見られる
息子の中で、「失敗=ダメなこと」という意味づけが、少しずつ変わっているのかもしれない、と感じています。
もし、「笑われるのを嫌がる子どもを何とかしたい」と感じているママがいたら、伝えたいです。
「笑われても平気な子」に今すぐしようとしなくても大丈夫。
子どもの怒りの裏には、見えにくい「意味づけ」が隠れていることがあります。
子どもを変えるよりも、まずは、子どもの「見え方」を知ること。
ママや周囲の人の関わり方で、子どもの受け取り方はゆっくり形づくられていくのだと思います。

執筆者:三谷 のぞみ
発達科学コミュニケーション アンバサダー




