付き添い登校が当たり前になり、気づけば一日中、学校に…。いつまで続くの?と不安なママへ。母子登校の4ステージと、つらさ・ストレスを軽くするヒントを体験談とともに紹介します。
1. 毎日が綱渡り…子どもの登校しぶりで出勤できない
「今日も学校、無理かもしれない…」
今でこそ普通に登校している息子ですが、少し前までは朝が来るのが、ただただ憂うつでした。
なかなか起きてこない、やっと起きても着替えも朝ごはんも進まない。
そして、全身から「学校に行きたくない」がにじみ出ている…。
当時の私は毎朝、息子の「付き添い登校」が当たり前になっていました。
やっと気持ちを整えて学校へ着いても、校門の前で固まって動けない。
下駄箱まで来ても、やっぱり前に進めない。
先生が声をかけてくれても、私の手を離すことができない息子。
そうしているうちに、私の出勤時間はどんどん削られていきます。
「今日も仕事、無理かもしれない…」そんな不安が頭をよぎる毎日。
ようやく預けられても、会社には遅刻ギリギリ。
焦るあまり、つい息子にきつく言ってしまう自分にも自己嫌悪――。
「早くしなさい!」
「もういい加減にしてよ!」
そんな言葉に、息子はパニックになり、ますます私から離れられなくなりました。
もし預けられなければ、会社に謝罪の電話をしなければなりません。
「ちゃんと働きたい。でも、子どもを置いていけない。」
その葛藤に、私の心はすり減っていきました。
そして、私は結局、仕事を辞める決断をしました。「もっと子どもとの時間を作れば、落ち着くだろう」と思って。
でも――現実は思っていたのと違いました。
付き添い登校はますますエスカレートし、いつしか私は『一日中、学校にいるママ』に。
私のように「その日の子どもの調子」に振り回されている親御さんは少なくないと思います。
この記事では、気づかないうちに進んでしまう付き添い登校の「進行の段階」と、親の心を守るヒントをお伝えします。
親子の限界が来る前に、気づきと対策につながるきっかけになれば幸いです。

2. 気づかぬうちに進む《付き添い登校の4ステージ》
母子登校(付き添い登校)は、ある日突然始まったように見えて、実は小さなサインが積み重なってゆっくり進行しています。
私自身が体験した中で、「こんなステップをたどっていたんだな」と気づいた4つの段階をご紹介します。
【ステージ1:前ぶれ期】
「なんだか最近、甘えが強くなったかも?」
最初は、子どもの小さな変化への違和感から始まりました。
✓着替えや準備を一人でできなくなる
✓お留守番や別行動を嫌がる
✓登園、登校しぶりをする日がある
✓登校時に「ママも一緒にきて」と言い出す
【ステージ2:始まり期】
いよいよ実際に付き添いがスタート。「これは長引くかも…」と親の不安も大きくなってきます。
✓校門・下駄箱で親と離れられない
✓「今日は休む」と言い出す日が増える
✓赤ちゃん返りのような行動が見られる
✓ママを独占したがる
【ステージ3:混乱期】
ママの負担がピークに!家でも学校でも「ママべったり」で日常生活に支障が出てくる時期。
✓廊下で親が待機したり、別室で親と一緒に過ごしたりすることが続く
✓授業にも親が一緒に参加
✓家でもずっと親にベッタリ
✓暴言・暴力・癇癪・体調不良などが頻発する
【ステージ4:不登校期】
子どもも親も限界を感じ、新しい形の関わりが求められます。
✓完全な不登校、または保健室・放課後登校に移行
✓少しずつ「ママと離れる練習」ができるようになることも

3. 付き添い登校は「ママのせい」じゃない
母子登校のつらさやストレスは、経験した人にしかわかりません。
「私が付き添って学校にいけるなら…」と子どものために頑張ってしまう親御さんが本当に多いのです。
でも、声を大にして言いたいんです。
「ママが無理して頑張るほど、状況は悪化しやすい」
「母子登校は、子どもが親に“安心”を求めているサイン」
1人で学校にいけないのは、ママが悪いわけではありません。
社会の「普通」から外れてしまったように感じ、自分を責めてしまうこともあるかもしれませんが、それは子どもがママを「安心できる場所」として信頼している証です。
「今は、安心を満タンにする時期なんだな」
そう思って、少し肩の力を抜いてみてください。
私もかつて必死だったからこそ、今、頑張っているママたちに伝えたい想いがあります。

4. 付き添い登校のストレスが限界…ママの心を守る3つのヒント
①「がんばるママ」をやめてみよう
付き添い登校がつらいのは、子ども以上にママの心がすでに限界だから。
朝の登校だけでなく、仕事・家事・家の中での不安定さ……
全部一人で抱えていたら、誰だってつらくなります。
だからこそ、ちょっと力を抜いてみませんか?
・宿題やらなくても「まぁ、いいか」
・お風呂入りたくないなら「今日はパスで」
・ゲーム三昧の日も「それも必要な時間」
このようにママが少し力を抜くと、子どもも安心して、ふっと心がゆるむことがあります。
②「学校へ行かせること」より「笑顔で過ごすこと」を目標に
つい「今日こそ学校へ!」と気を張ってしまうけれど、本当に大事なのは、親子で笑って過ごす時間です。
たとえば、
「ママも宿題嫌いだったよー」と、一緒に笑い飛ばしたり、
「じゃあ今日はお風呂でアイス食べちゃおっか!」
なんて、《笑える非日常》を取り入れるのも大アリです。
ママと笑いあう経験をたくさん積むことこそが、子どもにとって最高の安心と自信につながっていくのです。
③「一人で抱えない」ための相談先を持つ
学校のこと、子どもの気持ち、自分の限界――母子登校は、すべてを親が背負いがちです。
でも、本当は、頼っていいんです。
*スクールカウンセラー
*教育支援センター
*同じ経験をしたママたち
話せる場所があるだけで、気持ちは大きく違います。
付き添い登校の日々は、ママの体力も心も奪います。
でも、それは「ママのそばが一番安心」という、子どもからのサイン。
その時期は、必ず終わりが来ますし、ママがつらい日は、付き添い登校をお休みしたってもちろん大丈夫!
どうか、お子さんだけではなくご自身のことも大切にして、「今、この瞬間の親子の時間」を楽しんでほしいと願っています。

*付き添い登校(母子登校)が、とにかくつらい…
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