お家でできる!体幹が弱い発達障害っ子の姿勢改善が叶うママのサポート法

「姿勢の崩れが気になる…」とお悩みのママ。発達障害っ子の姿勢の悪さは体幹の弱さが原因であることが多いです。日常生活の中ですぐにでも取り入れられる方法がありますので、ママも一緒に楽しみながら、発達障害っ子の姿勢改善を継続的に行っていきましょう!
 
 

1.体幹の弱い発達障害っ子の困りごと

 
 
皆さんのお子さんは、椅子に座ったときに、体がぐにゃんと曲がってしまったり、立っていてもすぐにふらふらと動いてしまうことはありませんか?
 
 
「いつも姿勢が悪い!」
 
「だらしない子だな…」
 
 
と思って、注意したくなりますよね。
 
 
他にも
 
 
・まっすぐ座れない、机に頬杖をつく、肘をつく、背もたれに寄りかかる、立っている時にふらふらしている。
 
 
・よく人や物にぶつかる、まっすぐ歩けず一方に寄って行く、机と机の間を通ろうとするとぶつかる。
 
 
自分のお子さんに当てはまる様子はありますか?子どもの普段の様子から、これらが見られる場合には体幹の弱さが考えられます。
 
 
一見「だらしないなぁ」と子どものやる気の問題で片付けたり、「ちゃんとさせよう」と思い、姿勢を正す注意をして終わりになってしまいますが、実は親が見るべき視点はそこではないのです。
 
 
周りからだらしない姿勢と言われても、子どもにとってはこれが一番楽でとりやすい姿勢であり、その姿勢の感覚しかわかりません。
 
 
なので、正しい姿勢って何?それしかできないのだから、だらしないをどう判断したらいいの分かりません。そもそも感覚が鈍いのです。
 
 
そして、発達障害の子どもは体幹が弱いがために、体の動かし方が分からず、やろうと思ってることができなかったり、意識して体を動かせないのであらゆる場面で困りごとに繋がっていくことになります。
 
 
体幹が弱く姿勢を保持でない子どもは、やる気がないと勘違いされ、集中力が続かず何も達成できない。字を書くだけで疲弊してしまう。ケガが増える、など日常生活の中で様々な困りごととして表れてきます。
 
 
では、発達障害の子どもが姿勢保持のために体幹を強くするには何が必要なのでしょうか。
 
 
 
 

2.発達障害っ子の姿勢の崩れを緩和する2つの感覚

 
 
姿勢を維持するためには、「姿勢を感知する能力」「背中の筋肉を程よい緊張状態にする能力」の2つが必要となります。
 
 
ここで重要となる感覚が、「固有受容覚」と「バランス感覚」です。
 
 

①◆固有受容覚

 
 
固有受容覚とは、筋肉や関節の動きを感知する感覚です。
 
 
「自分の体をどのように動かせば机の上のものを取ることができるのか」など、体の動かし方に関する感覚だと思っていただければ良いです。
 
 
この固有受容覚があるから、座っているときも自分の体を安定させることができます。
 
 
ですから、「じっと座っていられない」「ふらついてしまう」「よく物にぶつかる」などの困りごとの裏には
 
 
・自分の姿勢を安定させることが難しく、楽な姿勢(崩れた姿勢)になってしまう
 
・適切に手足を動かすことが難しく、ふらふらしてしまう
 
・空間を捉えることが難しく、物にぶつかってしまう
 
 
など、固有受容覚の困難さがあると考えられます。
 
 
 
 

②◆バランス感覚(=平衡感覚)

 
 
自分の姿勢を感知したり、目の動きなどをコントロールするのに関わっている感覚です。
 
 
体制が崩れたり、転んだりしないように、バランスをとるのが主な働きで、目が覚めているときは常にこの感覚が使われています。
 
 
この感覚がうまく働かないと、本来ならば無意識にできるはずの姿勢や視線の調節ができなくなるので、姿勢が崩れていても自分では分かりません。
 
 
このように、普段私たちが無意識に使っている感覚がうまく働かないことが、姿勢が崩れる原因となっている可能性があるのです。
 
 
他の子と同じようにできないことは、発達障害の子どもにとって大きなストレスとなります。
 
 
自分では気をつけているつもりでも、どうしても姿勢が悪くなったり、じっとしていることが難しかったりする中で、何度も「姿勢が悪い!」と注意されることは、子どもの自己肯定感を下げることにつながってしまいます
 
 
そんなふうに、子どもが自分を責めたりしないためにも、これらの感覚を養っていくことはとても大切です。
 
 
日常の中で簡単に、しかもお家でママがサポートしながら体幹を鍛えていくことができますので、ぜひ楽しみながらトライしていって欲しいと思います。その方法は次でご紹介します。
 
 
 
 

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3.姿勢が崩れやすい発達障害っ子の体幹を遊びで鍛える!

 
 
今回ご紹介する遊びは特に療育に行かなくてもお家でママができるサポート=遊び(トレーニング)になります。
 
 
難しい決まりごとはありませんので、お子さんの好みに合わせてチャレンジしてみてください。また良かったら子ども一人にさせるのではなく、ママも一緒に楽しみながらやってみてくださいね。
 
 

◆①体幹を鍛える遊び

 
 
「体幹を鍛える」と聞くと、腹筋や背筋などの筋力トレーニングを想像されるかもしれませんが、子どもが普段からよくする遊びの中にも、体幹を鍛えられる遊びは数多くあります。
 
 
体幹の直立性は、棒にぶら下がったり、何かに登ったり降りたりするときに鍛えられるため、鉄棒やジャングルジム、木登り、アスレチックなどの運動は、とても効果的です。
 
 
「鉄棒に何秒ぶら下がっていられるか、ママと競争しよう!」
 
 
などと、楽しく運動することで、より効果が高まります。
 
 
公園にある遊具で手軽に体幹トレーニングができるので、親子でチャレンジしてみてください。
 
 
 
 

◆②バランス感覚(=平衡感覚)を鍛える遊び

 
 
平均台や最近流行りのスラックライン、ブランコなどは、不安定な足場の上で遊ぶので、バランス感覚がよく鍛えられます。
 
 
特にブランコは、体全体を使ってバランスをとるので、平衡感覚の発達促進にはぴったりです。
 
 
その他、ダイエットに用いられることが多いバランスボールなどを使った運動も、バランス感覚を鍛えることにつながります。
 
 
ママはダイエット、子どもはバランストレーニング、と楽しく取り組むことで、親子のコミュニケーションにもなりますね。
 
 
このような運動を日常的に取り入れることによって、徐々に姿勢を保つ体の土台が発達していきます。
 
 

◆③ビーズクッションを使う

 
 
腰を立ててまっすぐ座り続けることが難しい子には、「ビーズクッション」を椅子の上に乗せて使用することをおすすめします。
 
 
中身がビーズなので、座るとお尻や太ももの形に合わせてクッションが変形します。
 
 
すると、両太ももと腰回りがしっかりと支えられた状態になるので、姿勢を保ちやすくなります。
 
 
クッションの大きさは、子どもの体格や好みに合わせて選びましょう。
 
 
勉強中や食事の時間など、一定時間椅子に座っている必要があるときに継続して使うことで、徐々に自分の力で姿勢を保持することができるようになっていきます。
 
 
また、ビーズクッションの代わりに「バランスディスク」を使うことも有効です。
 
 
姿勢が悪い子は、一見「だらしない」「やる気がない」と思われがちですが、その裏には発達障害の子どもの抱える特性が関係しているのです。
 
 
そんな子どもたちの困りごとにしっかりと目を向けて、気持ちに寄り添い、適切なサポートをしていきたいですね。
 
 
「うちの子、体幹が弱いかも!」と思ったママは、今回ご紹介した遊びや道具をとり入れてぜひ実践してみてくださいね。
 
 
 
 
 
 
執筆者:
発達科学コミュニケーション トレーナー
長谷川まこ
 
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