「どうせ無理」「できない」と否定的な言葉を繰り返す子どもに悩むママへ。その言葉の裏には不安や困りごとが隠れていることがあります。我が家の体験をもとに、安心して一歩を踏み出せる肯定の関わり方を紹介します。
1.「どうせ無理」「できない」否定的な言葉ばかり…ママは不安を感じていませんか?
前向きな子に育ってほしいと願っているママほど悩んでしまいますよね。
私の息子も、以前はこんな言葉をよく口にしていました。
「つまらない」
「ねえ、何したらいい?分からない」
「無理!できない!」
「どうせ僕には楽しいことや、いいことなんてない」
私は、そんな息子を見ると、
「そんなことないよ。頑張れば、頑張った人にはいいことがあるんだよ。」
「やってみたら?やる前から諦めずにしてみたらいいのに…」
と子どもにやる気を出してもらおうと励ます声かけをしていました。
遊びに行った時も、初めての場所では、つまらなそうな表情をして、初めての事は全く挑戦せず、いつも見ているばかり…
他の子どもは、どんどん挑戦して楽しんでいる姿を目の前にすると、
「どうして他の子と同じようにやってみようって思えないんだろう?」
「どうして楽しめないんだろう?」
と、複雑な気持ちでいっぱいでした。
当時の私は、息子のネガティブな言葉を「前向きに変えてあげなければ」と思っていたのです。

2.子どものネガティブ思考が強くなるのはなぜ?言葉の裏にある不安
もともと、否定的な言葉・ネガティブ思考が多かった息子ですが、小学校1年の5月の連休明けより、行きしぶりが本格的になると、自分を否定するような言葉も増えていきました。
それだけ、息子にとって学校へ行くことが辛かったのだと思います。
当時の息子は、自分の感情やつらさをうまく言葉にして伝えることも難しい状態でした。
そんな息子から、
「学校行きたくない…」
と私にやっとの思いで打ち明けてくれたのに、私は息子を励まそうと
「そんなこと言わないで、友達ができたら楽しくなるかもよ」
「もう少ししたら慣れるんじゃない?」
と無理に背中を押していました。
今振り返ると、私が子どもが学校へ行かなくなったらどうしよう…と不安で、息子の「つらい」という気持ちを充分に受け止められていなかったのだと思います。
子どもの「どうせ無理」「できない」という言葉は、単なる弱気ではなく、
「失敗したくない」
「これ以上つらい思いをしたくない」
「どうしたらいいのか分からない」
という、不安や困りごとの表れであることもあります。
だからこそ、否定的な言葉だけを変えようとするのではなく、その言葉の奥にある気持ちを見ることが大切なのです。

3.「どうせ無理」「できない」が出たときにママが意識したい3つのこと
では、子どもから否定的な言葉が出たとき、ママはどう関わればいいのでしょうか?
私が意識するようになったのは、次の3つです。
①すぐに否定しない
「そんなことないよ!」
「できるよ!」
と、すぐに前向きな言葉へ変えようとするのではなく、まずは子どもの言葉をそのまま受け止めます。
「そう思ったんだね」
「難しいと感じたんだね」
と返すだけでも、子どもは「自分の気持ちを分かってもらえた」と感じやすくなります。
②「今、この子は何に困っているんだろう?」と考える
「どうせ無理」と言っているとき、本当に「やりたくない」だけなのでしょうか?
「失敗するのが怖いのかな?」
「何をしたらいいのか分からないのかな?」
「以前うまくいかなかった経験があるのかな?」
と、その言葉の奥にある困りごとを考えてみます。
③安心して過ごせる時間を増やす
不安が強い状態では、新しいことに挑戦すること自体が大きな負担になることがあります。
だからこそ、まずは家など安心できる場所で、「できた」「分かってもらえた」という小さな経験を積み重ねることを意識しました。

4.子どものネガティブ思考に届く「肯定の関わり」8選
私は息子が登校しぶりをはじめた時に発達科学コミュニケーションと出会いました。
そして、パステル総研のニコッと!塾を見ていた時でした。
私は主宰の吉野加容子さんが仰った「子どもの心を壊してまでやらせなきゃいけないことなんてこの世にひとつもない!!」という言葉が胸に刺さりました。
その時、私が息子にかけている言葉やさせていることは息子の心を壊しているのではないだろうか?!と気づいたのです。
そして、夏休みの間、私は徹底的に肯定する関わりを意識して過ごしました。
① 褒める
「できたね!」
「最後までやったね!」
結果だけではなく、取り組んだことにも注目します。
② やっている途中で励ます
「今やってるね」
「ここまでできてるよ」
できあがった結果だけではなく、途中の行動にも声をかけます。
③ 感謝する
「手伝ってくれてありがとう」
「教えてくれてありがとう」
子どもの行動が誰かの役に立っていることを伝えます。
④ 興味や関心を示す
「それ何作ってるの?」
「どうやって考えたの?」
子どもが興味を持っていることに、ママも関心を向けます。
⑤ 実況中継する
「今、○○してるね」
「ここを見てるね」
評価するのではなく、子どもの行動をそのまま言葉にします。
⑥ スキンシップをする
子どもをハグしたり、背中をさすったりすることもありました。
言葉だけでは伝えにくい「安心」を届ける方法の一つです。
⑦ 同意する
「そう思ったんだね」
「それは嫌だったね」
すぐに正しい答えへ導くのではなく、まず子どもの感じ方を認めます。
⑧ ジェスチャーで伝える
言葉をたくさん使わなくても、笑顔やグッジョブなどのジェスチャーで「見ているよ」「いいね」と伝えることもできます。
大切なのは、褒める言葉をたくさん言うことではなく、 子どもが「自分のことを見てもらえている」「受け止めてもらえている」と感じられる瞬間を増やすこと。
私はそこを意識するようになりました。

5.肯定の関わりで息子に起きた変化
夏休みの間は親子ともに、学校という大きなストレスから離れ、家では安心して過ごせる時間を増やしながら、私は肯定する関わりを意識しました。
その結果、2学期の始業式には、以前のように強くしぶることなく登校することができました。
そして、しばらくして気づいたことがあります。
夏休み前によく聞いていた「いなくなりたい」「どうせ…」という否定的な言葉は1回も聞いていないことに気づきました。
2学期からは、以前より苦手なことにも取り組むようになり、担任の先生にも「苦手だけど、できるだけやってみるよ」と自分の気持ちを伝えることができるようになりました!
当たり前のこと、小さなできた!!に気づき、その時のポジティブな感情をセットにして記憶することで、自分の成功体験が少しずつ上書きされ自信がついていきます。
もし今、お子さんの否定的な言葉、ネガティブ思考に悩んでいるなら、「どうしたらこの子を変えられる?」 ではなく、
「この言葉の奥で、この子は何を感じているんだろう?」と一度立ち止まってみてください。
子どもの言葉を変えようとするのではなく、その言葉の奥にある不安や困りごとを見る。
その視点の変化が、親子の関わり方を変える最初の一歩になりますよ。

執筆者:たるみ あや
発達科学コミュニケーション アンバサダー



