お友だちが好きなのに、不登校になったSくんが不登校を克服したお話をママのAさんに伝えてもらいたいと思います。
1 控えめで優しい息子のやる気を引き出し、成長を後押ししたい!
息子は、家ではじっとしているのは苦手なところもありましたが、やんちゃでも目立つタイプの子どもでもなく、控えめで優しい子でした。
それでも、幼稚園の先生に、遊びの天才ですねと言われるくらい、いろんな遊びを試しては次の遊びにという好奇心旺盛な子でした。
その子が小2の夏休み明けから突然不登校になり、病院を受診しました。
学校へ行けなくなった時には、息子は「なぜ先生は、僕の意思が全く入っていないのに、約束って言葉を使うの?命令と何が違うの?それにどうして従わなければならないの?」と言っていました。
なぜ学校に通い、先生の指示に従わなければならないのか、と疑問を持ってしまった息子。
私は、息子が納得できる答えへと導いてあげる事が出来ませんでした。
それどころか、強引にでも学校へ行かせようとしてしまっていたのです。
当時は、息子の事をどこに相談しても、「いつか自分から動き出すまでじっと我慢しましょう」など、具体的に何をしてあげたらいいのか解決策を見つける事ができませんでした。
私は、この先の見通しが立たない状態に不安を感じていました。
小3の時です。
自閉症スペクトラム症(アスペルガー症候群)と診断を受け、通級指導教室に所属するようになりました。
反復練習を嫌がる。
漢字は、読む事は出来るが書くことが苦手である。
漢字以外でも苦手な事はめんどくさいとやりたがらない。
言葉の使い方には特に気になることは無いが、人の話を、聞いたあと、しばらくして「そっちの意味ね」と言うことが度々ありました。
私には、どの意味と迷ったのか、正直よくわかりませんでした。
待つことが苦手で他の事をやり始めたり、突然走り出したりする。
片づけができず、よく物が行方不明になる。
不安感が強く、慣れない人が多い環境やなれない場所には行きたがらない、行っても慣れるまでに少し時間がかかる。
また、安心できる友達に依存しがちなところがあったり、細かいルールや強制される事を嫌がり、信頼関係のない人からの指導や指示には反発するところがありました。
食事、歯磨き、着替え、お風呂、言っても本人のタイミングが外れると抜いてしまうことがよくあり、生活習慣が習慣化することができませんでした。
ゴミをゴミ箱に捨てられず、置きっぱなし、日付が変わる前に寝ようね、と約束しても、夜中に起きて、ゲームをしたりアニメを見たりしてしまう、脱いだ靴下や外したマスクをその場に放置…
気になる部分がたくさんあり、そこに一つ一つダメだしをしてしまっていました。
良いところ見つけて褒めポイントを見逃さないようになりたい。
自分がイライラしていても、子どもに怒鳴らないようになりたい。
子どもに自信をつけさせてあげたい。
息子は、ギフテッドではないかもしれない。
けれども、私の接し方で、彼のやる気を奪い、彼の能力を潰してしまってきたのだろうな、と、メルマガや様々な記事を読ませていただきながら思っていました。
なので、私が息子のやる気を引き出し、成長を後押しすることができる方法を是非知りたい、身に付けたいと思い、個別相談会に申し込みました。
2 息子の才能を信じる後押しをしてくれました。
個別相談では、とても分かりやすく、丁寧に息子の状態を説明してくださいました。
初めは少し緊張していましたが、にこやかに対応してくださったので、話しているうちに和らぎました。
今まで、息子のよく分からなかった事を解説してくださり、こういうところが凄いんだよ、と認めてくださり、息子の才能を信じる後押しをしてくださったと思います。
自分の対応で、子どもの才能を、潰してしまったりしていないか不安に思っていて、自分を変えたいと思ってはいたものの自分のダメな部分と向き合う勇気がなかなか出ませんでした。
不安感が強く、失敗を恐れてなかなか新しい事に挑戦出来ない、学校へ行って友達と会いたいけど、一人じゃ行けないし、じっと座って静かに授業に参加することができない、待つことが苦手。
という、本人の困り感を、6年生になるまでに、解決する方法を身に付けたいと思い、思い切って申し込みました。
3 不登校になっても、お友だちの助けで克服出来ました。
受講して、1か月がたった頃、息子が学校に行くようになりました。
最初は、週1回、中休みから掃除終了までだったのが、第3回レクチャー後から、週3から4回朝からラストまで行けるようになりました。
今までは、苦手というか興味がなかった授業には、参加できなかったのですが、苦手な授業に参加したり、係の仕事も行ったりするようになっていきました。
母子登校でずっと近くで待機はしていますが、少しずつ一人で参加する時間も増えていきました。
そして、不登校になっていた頃は、夜中に隠れてゲームや漫画を読んだりしていたのが、それもなくなり、生活リズムが整うようになっていきました。
本で読んだり、話を聞いたりして知識はあったものの、具体的にどのようにすればよいか分からなかったのが少しずつ分かり、取り入れることができるようになってきました。
これさえやれば大丈夫みたいなものが欲しかったけれど、結局は、肯定するという事一つをとっても、その子に合った方法を見つけていくことが大切なんだということが分かりました。
ただ、頭ではわかっていても、いざその場になるとうまくできないことが多く、まだまだだな、と感じているのに、子どもの変化が大きいので、ちょっと信じられないような戸惑いも感じています。
学校に行きたくないと言い出した時
当時は、行かせなければいけないと真剣に信じていたので、強引に学校へ連れて行ったり、本来学校へ行っている時間は、学習しなくちゃいけないと思い、遊びを禁止したりしていました。
今なら、好きなことをさせながらエネルギーが溜まるのを待ち、少しずつ行動を促す声掛けをして活動を増やすことに注力します。
どうしても、叱りつけたり、ダメだしをしてしまっていたのですが、肯定の声替えの方法がわかるようになりました。
そして、行動を習慣化ができずにしょうがないのかな?とあきらめていたのが、アクションチャートを使うと、行動を習慣化することができるようになったことが特によかったです。
そして、4回あるレクチャーで、定期的に報告をするので、その都度振り返りができたところもよかったです。
それから、3か月後、息子は、学校から帰ってくるとお友だちと遊ぶようになり、門限を破るようになりました。
門限を破ることは、もちろん良くないことだけど、友だちと一緒に楽しそうに過ごす息子に成長を感じることができました。
そして、夏休みになると毎日のように色々なお友だちを誘い、遊びまわる息子の姿が見られるようになり、頼もしく感じていました。
夏休み明けに一度、学校でお友だちとトラブルになり行けない時期もありましたが、
これもまた、お友だちに助けられ、1ヶ月程度で再登校するようになりました。
5 今を生きるのが精いっぱいだった子が未来について話し出しました。
そして、現在では、中学に行ったらサッカー部に入りたいと少し先の話もするようになりました。
今を生きるのが精いっぱいだった息子が、少し先の未来について口に出せるようになった事がとてもうれしいです。
そして、彼の成長を感じましたし、ほっと安心出来ました。
兄と練習をしたり、どんなトレーニングしたらいいと思う?
友達に上手いねって言われちゃった、など、サッカーについて楽しそうに話す姿を見ることができる。
それだけで、ちょっと幸せです。
これからは、学校に通いたいという彼の希望を叶えるために、学校と交渉して特別な配慮をしてもらいながら、学校に通うサポートをしていきます。
そして、今後も本人が望むことをどうやったら叶えられるか、一緒に考えながら、サポートしていきたいと思っています。
SくんママのAさんにお話をお聞きして記事にまとめました。
執筆者:神山彰子
▼生きにくさを解消し、友だちの中で過ごして欲しい!
そんなママにオススメの一冊です▼