遠足に行きたくないのは不安が大きい状態
「遠足に行きたくない」と子どもに言われると、 せっかくの学校行事なのに、どうして行きたくないの?行ったら楽しめるはずなのに。そう思ってしまいますよね。
遠足などの学校行事に「行きたくない」と言う子は、楽しみな気持ちがあっても、不安が大きくなって参加をためらっていることがあります。
不安が強い子どもは、普段と違う予定や見通しの立たない出来事に、脳の扁桃体が強く反応します。すると、楽しみよりも不安が大きくなり、「行きたくない」と感じるのです。

親からすると、
- みんな行くのに
- 楽しいイベントなのに
- 行ったら平気なのに
と思いやすいですよね。
実際に、私の娘も小学校低学年のころ、毎年遠足を嫌がっていましたが、 私は「行ったら楽しいよ!」「大丈夫!」と励ましていました。
そして、遠足に行けば「楽しかった」と帰ってきていました。
だから私は、「やっぱり大丈夫なんだ」と思っていたんです。
ところが、次の年も娘は「遠足に行きたくない」と言いました。
行けば楽しめるから大丈夫。
そう思っていた私は、娘が遠足の前に感じている不安に目を向けられていなかったのです 。
「遠足に行きたくない」と言われた時に、本当に大切だったのは「行く・休む」を決める前に、まず「何が不安なのか」を知ることだったのです。
「行けたかどうか」だけでは、安心できたかは分からないのです。
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なぜ遠足や学校行事に行きたくないの?子どもが嫌がる理由
娘の場合、不安の理由は大きく2つありました。
初めての場所や見通しが立たないことが不安
娘は、初めての場所、経験、見通しが立たない事に強い不安を感じていました。
遠足や学校行事は普段と違い、先が分からない事が増えます。
例えば、
- どこでお弁当を食べるのか
- 誰と並ぶのか
- バスはどんな感じか
- トイレはどこにあるのか
こうした細かいことが見えないだけで、不安が大きくなるのです。

大人から見ると小さなことでも、不安の強い子どもにとっては安心を左右する大事な情報なんです。
特に不安が強い子は、不安を感じる反応が先に働きやすい特徴があります。そのため、まだ起きていないことを頭の中でどんどん心配してしまうのです。
過去の嫌な記憶を引きずっている
以前の遠足や学校行事で嫌だった経験がある子もいます。
娘の嫌だった経験は、レジャーシートでお弁当を食べていたら蟻が登ってきた事でした。
他にも
- 仲良しの友達と離れた
- 先生に急かされて焦った
- 歩いて疲れてしまった
こうした嫌な記憶が残ると、「また同じことになるかもしれない」と感じやすくなり不安が大きくなります。
不安が強い子は、嫌だった経験を忘れにくい傾向があります。だから「前は行けたよね?」だけでは、不安は消えないのです。
このように不安が重なり、楽しみより不安が大きくなると「行きたくない」と感じてしまうのです。
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不安が強くなり動けなくなった子どもへの関わり方
遠足などの学校行事に不安を抱えて行きたくないと感じる子どもには適切な関わりが必要です。
私が行ったことは3つあります。
不安なことは何なのか?気持ちを受け止めること
子どもの不安は何なのか?を知ることから始めました。なぜなら、子どもの不安を知ることで、その不安を一緒に減らす方法を考える事ができるからです。
まずは安心して不安を話せる状態を作りました。
「遠足に行きたくない」と言われると
「行ったら楽しいよ!」
「大丈夫だよ!」
と言いたくなりますが、自分の気持ちは一旦保留し、
「そっか、行きたくないって思うんだね」と子どもの気持ちを受け止めました。

そして、
「何が一番心配なのかな?」
「どんなことが嫌なのかな?」
と聞いてみました。そうしたら、
「前にお弁当を食べていたら蟻が登ってきたから怖くて嫌だった」
「どんな所がわからないから心配」
という事がわかりました。
「それは嫌だったよね。不安になるよね」
「初めてだとドキドキするよね」
と気持ちを受け止めました。
すると、子どもの頭の中が少しずつ落ち着いていきます。不安を否定しないことが、結果的に行動に繋がっていくのです。
事前に見える化して安心を増やす
行き先の様子がわからない事も不安だとわかったので、行く所はどんな場所かを写真で見せました。
娘の行く場所は、以前に家族でも行った事がある場所だったので、行った時の写真を見せて、「ここに行くんだね!行った事がある場所だよ」と伝えました。
「ここ面白かったよね」「ここでご飯食べるのかな?」と行った時の楽しかった思い出を一緒に話したり、見通しを立てました。
不安は、「分からない」が減るだけでも軽くなります。
おすすめなのは、
- 行き先の写真を見る
- YouTubeで現地動画を見る
- 先生から流れを聞く
- 持ち物を一緒に確認する
などです。
可能なら、事前に一度行ってみるのも安心につながります。
「ここに行くんだね」
「ここでお弁当食べるんだね」
とイメージできるだけで、子どもの不安はかなり変わります。
遠足や学校行事の中に小さな楽しみを作る
不安を知り、事前準備をした後にやった事は、遠足での楽しみを作る事です。
なぜなら、不安が大きい子どもには、安心と一緒に楽しみがあると、行動に繋がりやすいためです。
私が行った事は
・友達と一緒に遠足のおやつを買いに行く
・好きなお弁当の材料を一緒に買いに行く
です。

また別の行事の時には先生に「可能であれば仲のいい友達と一緒だと安心に繋がります」と伝えた事もありました。
こうした関わりを続けるうちに、娘は遠足への不安だけでなく、楽しみも感じられるようになりました。そして、少しずつ「行ってみようかな」と思えるようになり、「遠足に行きたくない」と言わなくなっていきました。
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遠足に行きたくない子どもは「安心の準備」で変わっていく
娘は、以前は、遠足があると聞くと「行きたくない」と言っていましたが、今では遠足前に友達とお菓子を買いに行くことを楽しみにするようになりました。
「 遠足=不安」だけではなく、「ちょっと楽しみ」も入ってきて遠足を楽しみにするようになったのです。
子どもは、不安がゼロになってから動けるわけではありません。 安心が不安を上回ると、動けるようになります。
遠足や学校行事に行きたくない子どもには、慣れれば平気と押し切るより、安心できる準備が必要だったのです。
- 不安を見える化する
- 気持ちを受け止める
- 小さな楽しみを作る
こうした積み重ねで、子どもの脳は「大丈夫だった」という経験を少しずつ増やしていきます。

「行きたくない」の言葉はそれだけ不安を抱えているサインです。 「大丈夫だよ」と言う言葉ではなく、安心を増やしていくことが、結果的に子どもの力になっていきます。
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遠足に行きたくない子どもについてよくある質問
休むことも選択肢の一つです。ただし、行くか休むかを決める前に、まず子どもが何を不安に感じているのかを知ることが大切です。
不安を受け止め、見通しを持てるようにしたり、先生に相談したりすることで、参加できそうな方法が見つかることもあります。
無理に参加させるのではなく、子どもの状態や気持ちに合わせて考えていきましょう。
甘えではありません。
不安が強い子は、普段と違う環境に敏感です。
「嫌がる=わがまま」と決めつけず、背景にある不安を見ることが大切です。
絶対にダメではありません。
ただ、最初に励ますより、先に不安を受け止める方が子どもは安心しやすくなります。
「楽しめるように一緒に準備しよう」という関わりの方が、遠足に行きたくない子どもには届きやすいです。
<執筆者>
Niccoto Project 発達科学コミュニケーションアンバサダー
澤村祐依




