「最近、私が何も言わないから息子が“今はお母さんが何でも言うことを聞く”と友達に話していたらしいんです。舐められている気がしてしまって……このままでいいのか、整理できなくなってきました」
これは、実際に届いた相談です。
思春期の子どもを育てていると、「言わなければ舐められそう」「言えばキレられる」そんな板挟みの感覚に陥ることがあります。
検索で「子ども 舐められる 母親」「思春期 子ども 舐められる」と調べている方も、少なくありません。
「舐められている」と感じるとき、まず整理したいこと
この相談のご家庭では、次の変化が起きていました。
・怒鳴らなくなった
・管理や口出しを減らした
・親子の衝突が減った
この変化のあと、「何も言わない=舐められるのでは」という不安が出てきています。
ここで大切なのは、事実と解釈を切り分けることです。
衝突が減ったこと自体は事実。
「舐められている」という感覚は、解釈です。
「何も言わない子育て」は、負けではありません
「何も言わない」は、言いなりでも弱さでも放棄でもありません。
今の関わりは、脳のストレス刺激を下げて、関係を切らさない選択です。
中高生が「今はお母さんが何も言わない」と表現するとき、それは軽視や支配というより、
・揉めない
・怒鳴られない
・空気が安全
という状態を、言葉にしているだけのことが多くあります。
言葉そのものより、今、何が起きているかを見ていきたいところです。
なぜ、何も言わなくなっても暴言は残るのか
「何も言わなくなったのに、暴言はまだある」
「言うことは聞かない」
そう感じると、やり方を間違えたのではと不安になります。
ここで知っておいてほしいのは、関係が切れなくなったからこそ、溜まっていたものが出ているという状態があることです。
安全ではない関係の中では、人は本音も荒れも出せません。
何も言わない関わりは、どこまで続けていいのか
方向性は合っています。
その上で、「何も言わない」を続ける段階ではありません。
今は、関係を壊さない関わりに切り替えた上で、親が「それは引き受けない」と決める行動を、少しずつ入れていく段階です。
我慢を続ける時期でもなく、戦い直す時期でもなく、親が「自分の責任」に戻る時期です。
思春期に必要な境界線は、どこに引くのか
やり方はシンプルです。
・短く
・淡々と
・感情を乗せず
「それはOKじゃない」
「それは聞けない」
理由説明は広げません。一文で終わらせます。
反論が返ってきても、説得もしません。納得させようともしません。
その場を閉じます。
これは、支配ではなく、自分のエリアに戻る行為です。
「舐められる子育て」から抜ける視点
多くの親は、「言う・言わない」の二択で悩みます。
ただ、問題はそこではありません。
感情で境界線を引いているか
それとも
行動として境界線を置いているか(事実)。
この違いが、親子関係の安定を分けます。
境界線とは、気持ちの強さではなく、行動として線が存在しているかどうかです。
「思春期の子どもに舐められている気がする」
「何も言わない子育ては間違っているのか」
そう感じたときの考え方と関わり方を、一冊にまとめています。
▶『たった一本の境界線
― 親子で笑うって、どうしてこんなに難しいの?』
正解を押し付ける内容ではなく、自分で判断できる状態に戻るための小冊子です。


