叱らなくても大丈夫!動画・ゲームばっかりのADHDキッズに効果的なルールの決め方

動画とゲームばっかりの子どもが、お家のルールを守れず困っていませんか?ADHDキッズがやめられないのは、わがままではなく、脳の特性が原因かもしれません。子どもが動画とゲームをやめて、スムーズに次の行動へ移れるルールの決め方をご紹介します!
 
 

1.動画とゲームばっかり!ルールを守らない息子との親子バトル

 
 
我が家には5歳の注意欠如・多動症(ADHD)グレーゾーンの息子がいます。
 
 
息子は赤ちゃんの頃から動画が大好き。
 
 
動画を見せると長時間でも機嫌よく過ごしてくれるので、外出時や家事などで静かに過ごしてほしい時に、「電車に乗っている間だけ」「掃除が終わるまで」のように親の都合に合わせてついつい見せてしまっていました。
 
 
最初の頃は、動画を消してもぐずることなく問題に感じることはありませんでしたが、3歳頃から徐々に動画に執着するようになっていきました。
 
 
朝起きるとすぐに「動画を見たい」と要求したり、おもちゃで遊ぶのを拒否して動画を見たがったりと、動画への強いこだわりを見せるようになっていったのです。
 
 
見せすぎは良くないと思っていたので、「30分だけ」「〇回だけ」のようにルールを決めていたのですが、約束の時間になって動画を消すと、大声で泣きわめき、10分以上気持ちを切り替えることができない状況に…。
 
 
優しく気持ちを落ち着かせようとしても、厳しく叱っても、息子は泣き叫び続けて話ができる状況にならず、外出先では周囲に迷惑をかけないように私が息子に負けて動画を再開させてしまうことも多々ありました。
 
 
4歳になってからは、スマホやゲーム機で簡単なゲームができるようになり、動画だけでなくゲームへの執着も強くなり始めました。
 
 
気付けば、一日中動画とゲームばっかりするようになっていて、
・保育園やお出かけ前に動画を消すことができない
・ゲームをやめる約束の時間になってもやり続け、ご飯や寝る時間に影響が出る
・無理にやめさせようとすると酷い癇癪を起こす
のように生活に支障が出るようになっていきました
 
 
 
 
未就学で動画・ゲームに執着する状況になっていることに焦りを感じ、ルールを守れない時は強く叱りつけたり、1週間禁止するなどの制限をするようにしました。
 
 
しかし、禁止期間中も「動画見たい!」「ゲームやりたい!」と泣きながら要求したり、禁止期間が明けても、すぐにルールを破って怒られることを繰り返すので、どのように対応すればいいのか分からず、悩む日々を送っていました。
 
 
実は、息子が動画やゲームに強く執着してしまうことは、性格や単なるわがままではなく、ADHDグレーゾーンの脳の発達の問題が大きく関係していたのです。
 
 
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2.わがままじゃない?ADHDキッズが動画・ゲームに執着する原因

 
 
何故、ADHDグレーゾーンの子どもは動画やゲームに執着してしまうのでしょうか。
 
 
ADHDグレーゾーンの子どもは、脳の「前頭葉」という感情や行動をコントロールし、次の行動へ切り替える働きを担う部分の発達がゆっくりな傾向があります。
 
 
この働きが十分に育っていないと、楽しいことをやめて次の行動へ移るのが難しくなります。
 
 
特に動画やゲームは、脳に「楽しい」という刺激を送り続ける仕掛けがたくさんあります。
 
 
「もっとやりたい!」という感情を強く引き起こすため、ADHDグレーゾーンの子どもが次の行動へ切り替えるハードルがさらに高くなります。
 
 
 
 
そのため、無理にやめさせようとすると感情を処理しきれず、癇癪を起こしてしまうこともあるのです。
 
 
ADHDグレーゾーンの子どもがルールを守れずゲームばっかりになるのは、単なるわがままではなく、脳の仕組みの問題で感情と行動を切り替えることに苦手さを抱えていることが多いのです。
 
 
子ども自身の力でコントロールすることが難しいため、無理やりやめさせたり、強く叱りつけたりすると、「また怒られた」という失敗体験から、「自分はダメだ」と自信をなくし、気持ちが沈みやすくなったり、怒りやすくなったりという新たな問題に繋がることも…。
 
 
だからこそ、子どもが「ルールを守れなくて叱られる」という失敗体験を繰り返さないように、親が工夫してあげることが大切です!
 
 

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3.ADHDキッズが”動画・ゲームばっかり”を卒業できる効果的なルールの決め方

 
 
ADHDグレーゾーンの子どもがルールを守れるようになるコツは、「子どもと一緒にルールを考える」ことです。
 
 
多くのご家庭で、動画やゲームをする時間や回数を親が決めているのではないでしょうか。
 
 
脳に入ってきた情報を整理することが苦手なADHDグレーゾーンの子どもは、他の人が決めたルールに合わせて行動をすることが難しいことがあり、動画やゲームをやめる時間になっても感情や行動を切り替えられないという状況になりやすいです。
 
 
逆に、自分で決めたルールだと「やるべきこと」として脳が認識しやすく、スムーズに次の行動へと切り替えられるようになります。
 
 
自分でルールを決めることが難しいお子さんの場合は、
「今日の動画は、20分にする?それとも30分にする?」
「ゲームは、3回にする?5回にする?」
のようにお母さんがあらかじめ現実的な範囲の選択肢を用意して、子どもに選んでもらうようにしてください。
 
 
 
 
動画とゲームばっかりだった我が家の息子は、自分でルールを決めるようになってから1か月ほどで、「終わりの時間だよ」の声かけ1回でさっと次の行動へ移れるようになり、3カ月経つ頃には声をかけなくても自分でやめられるようになっていきました。
 
 
もちろん、効果が出るまでの期間は子どもの特性や家庭環境によって大きく異なります。
 
 
すぐに成果が見える子もいれば、時間をかけて少しずつ変化していく子もいます。
 
 
大切なのは「自分で決めたルールを守れた」という成功体験を積み重ねていくことです。
 
 
成功体験の積み重ねで、動画とゲームへの執着をなくせるようサポートしてあげてくださいね!
 
 
 
 
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執筆者:みやもとひろこ
(発達科学コミュニケーション STELLA*Schoolアンバサダー)
 
 
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