ADHDキッズは、好きなことに過集中しやすい脳のはたらきによる特性があります。ゲームに依存する子どもの姿にイライラしたり不安を感じているママへ。特性を理解し、親子の気持ちが少し楽になる関わり方をお伝えします。
1.常に頭の中はゲームのことでいっぱい!家でもどこでもゲーム三昧の息子に悩む日々
注意欠如・多動症(ADHD)の息子はとにかくゲームが大好き!まるでゲーム依存のようにやめにくい状態が続いていました。
起床すると、朝食を食べることはそっちのけでゲーム開始。
食事だけでなく、着替えや洗顔など、生活に必要なことはすべて後回しにして、ゲームの世界に没頭する子どもでした。

ゲームの終了時間を決めてもルールを守らず、熱中するあまり予定の時間通りに外出できないこともしばしば。
出発時間がどんどん迫っていき、私のイライラは限界に達し「早く準備をしなさい!」「いつまで待たせるの!」と最終的には叱りつけていました。
私にピシャンと強い口調で叱られやっと動き出した息子でしたが、
「わかったよ! やめればいいんでしょ 」と吐き捨てて、怒りながら準備を始めました。
出かける準備が終わり車に乗り込んできた息子でしたが、車が発進した途端 、またゲームを再スタート。
「今の今までずっとゲームしていたのにまだやるの!?」とため息しか出ませんでした。
2.ルールを守れず親子バトル!なぜADHDキッズはゲームに依存してしまうの?
ADHDキッズは、好きなことに熱中しやすい特徴を持っていることが多いです。
理由は2つあります。
・過集中
興味のあることに、ものすごく集中することがあります。
すると、周りの声が聞こえなくなったり止めるタイミングがわからなくなったりします。
この状態が続くと、ゲーム依存のように見えることもあります。
・ 感情のコントロールが苦手
感情を調整する脳の働きには個人差があり、ADHDキッズは、感情の切り替えがスムーズにいかないことがあると言われています。
そのため、ゲームが楽しいと「まだやりたい」という気持ちが強く残りやすいことがあります。

また、今の感情に影響を受けやすく、気持ちをリセットして次の行動へ移ることが難しいことがあります。
この2つの理由から、子どもがゲームの世界から抜け出しにくい状態になりやすいのです。
たとえ時間のルールを守りたい気持ちがあっても、依存しているように見える行動を自分の力だけですぐに止めることは難しいことも多いです。
3.叱られるたびに自信喪失…子どものやる気のなさや無気力の状態から脱出する必要性とは
ゲームが楽しいという気持ちから切り替えられず行動できないことが増えると、叱られる経験が重なって子どもの自信は少しずつ下がっていってしまいます。
ルールを守れなかったり、周囲から見ると自己中心的に見える行動が続くと、「ゲームに依存しているのでは」と受け取られ、子どもが注意を受ける場面が増えやすくなります。
しかし、ルールを守れないのは脳のはたらきによる特性からきているものなので、本人もなぜできないのかわからないのです。
このようなできないことが繰り返されると、どんどん子どもの自信は低下していきます。

そして、そこからやる気のなさや無気力な状態に繋がり、楽なゲームがやめられなくなってしまうのです。
ゲーム以外のことはやろうとしない無気力状態に陥っているときは、生活の中でやるべきことが後回しになりやすく、ルールをめぐるやり取りが増えることで親子関係がぎくしゃくしてしまうこともあります。
「自分はどうせルールを守れないんだ」とネガティブな感情が積み重なる前に、いち早く自信を回復してあげる関わりが必要です。
4.失った自信がみるみる回復!ルールを守れるようになるママの声かけアプローチ
子どもの自信を回復していくためには、「やめなさい!」と叱る前に、まず声が届く状態をつくり、小さな成功体験を積むことが大切です。
ここでは家庭ですぐに取り入れやすい2つの関わり方を紹介します。
①気づかせる
まずは、声をかけていることを子どもに気づかせます。
私たちがいくら声をかけても子どもが無反応だと、こちらもイライラ怒りたくなりますよね。
しかし、子どもがゲームに過集中の状態の時は、ママは声をかけていたつもりでも本当に聞こえていないことが多いです。
ゲーム中の子どもは、画面を見ることや音を聞くことに意識が向いています。
そのため、その状態でママが声をかけても、頭の中がゲームでいっぱいになっているので声に注意を向ける余裕がなく、聞き取れないことがあるのです。
そんなときは、別の感覚を入れて気づきやすくしてあげます。
例えば、 肩をトントンとしてから声をかけたり、横に座って目を見て伝えたりします。
そうすることで、ママの声はグンと子どもの脳に届きやすくなります。
②守れた行動を褒める
子どもに声が届いていることを確認したら、絶対に守れそうな小さなルールを決めます。
ここで大切なのは、「やめる」「我慢する」といったハードルの高いルールではなく、“確実にできる行動レベル”まで小さくすることです。
例えば、「ゲームをする前に『やっていい?』と聞く」といったルールです。
ゲームを途中でやめることは難しくても、始める前の一言なら守りやすいからです。
ルールを守れたら「やっていいか聞けたね!」「ちゃんとルール守れたね!」とすぐに伝えましょう。
ママから褒められる成功体験を積み重ねていくことで、少しずつ自信がついてきます。
その自信がやる気を引き出し、やるべきことに取り組む追い風となってくれますよ。

朝から晩までゲームに依存していた息子でしたが、 私と決めた小さなルールを守り成功体験が増えていくことで自信を取り戻していきました。
そして、次第に私が声をかけなくても、ゲームからやるべきことに行動を移せるようになっていったのです。
「子どもにルールを守ってゲームをして欲しい」そう思ったら、ぜひ今日から実践してみてください。
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執筆者:青木華音
(Nicotto project 発達科学コミュニケーションアンバサダー)
ゲームに依存している子どもは、ルールを守れた成功体験を積み重ねることで、少しずつ自分で切り替えられるようになります。「こんな時はどう声をかけたらいい?」そんな場面別の悩みに答えるメルマガを配信しています。ぜひ、日々の子育てに役立ててください。






