さて、今日は日曜日。
「ひろこ先生の本棚!」
の日です!
少し頭を休めて
新しい価値観に出会う日にしてくださいね^^
初めて読む方のために説明しておくと、
「ひろこ先生の本棚」コーナーは
私が、小児科医の視点から、
凸凹キッズの母親の視点から、
そして、脳科学と発達診断のプロ!
としての視点から
選りすぐりの1冊をお届けする企画。
今日ご紹介するのは
こちらの本です!
いい子に育てると
犯罪者になります
岡本 茂樹 著
まあ〜ショッキングなタイトルですが、
最近、「ママカルテ」の個別相談や
レクチャーの中で
「うちの子、犯罪者になったら
どうしようって考えてしまうんです」
というママの悲痛な声を
聞いてきたから、
以前からずっと気になっていた
こちらの本を
読んでみました。
まだ3月ですが、
間違いなく、今年私が読んだ本の中で
NO.1になりそうなくらい
新しい価値観を与えてくれた
本になりました。
著者である岡本茂樹さんは
立命館大学教授として
研究や教育活動を続けながら
刑務所での受刑者更生に
関わってきた方。
こちらの本は、
タイトルにもある
「いい子」
である事の本当の意味と
その危険性について書いた本なんです。
前書きにはこんな風に書いてあります
(以下引用)
意外なことに、刑務所への出入りを
繰り返す累犯受刑者には
「いい子」だったものが多い
自分の感情を素直に出さず、
幼少期から無理を重ね、
親の期待する役割を演じることに
耐えられなくなった時
積もり積もった否定的感情が
「犯罪」と言う形で爆発するのだ。
(引用終わり)
途中、いろんな受刑者の方の
お話や手紙が出てきます。
その方たちの幼少期の体験に
思いを馳せて涙がでたり
こんな対応、
私もしてきたかもしれないと
胸がチクリと痛んだりしながら
読み進めました。
読み終えてみて、
著者の岡本さんが書かれている
「子どもの成長過程で生まれる
寂しさとストレス」
を感じる子どもが
一人でも少なくなってほしいし、
私たち親が、なんの疑いもなく
子どもに対して使っている言動や
気持ちの行き違い。
「子どもの心を受け止める言葉」が
足りない子育て。
それを自分からまず
無くしていきたい。
そして、それを「ママカルテ」と
「発コミュ」を通じて
たくさんのママに広げていこう。
そう心に決めました。
今、4月のシェア会に向けて
「いい子」「いいママ」であることについて
研究しているのですが、
一緒にシェア会をする二人のママとも
いつもお話しているのが
「やっぱり、大人の生きづらさの原点は
幼少期にあるよね」
と言うこと。
今、思い当たる気がして
ドキッとしたママいませんか?
こちらの本でも、
幼少期の子育てでどんなことを
目指したらいいのかを
教えてくれていますが、
私が普段から大切にしている
「うれしい」「ありがとう」を
大人が使う習慣をつければ
結局子どもたちにもその習慣は
引き継がれていくのだな、と
改めて感じました。
「発コミュ」で学んだ考え方で
私が大切だと思って
自分の子育てに実践していること。
そして、
「ママカルテ」と「発コミュ」を通じて
私がママたちに伝えていること。
それは間違いじゃないのだ!と
背中を押してもらえたような、
そんな気持ちになれる本でした。
子どもが問題行動を起こした時、
私たちは慌ててしまって、
とりあえずその行動を収めよう!
としてしまうけど、
見方を変えれば
親が子どものホンネを知るチャンス
でもあるんです。
そこで適切な対応をしないと
子どもの本当の気持ちを知る機会を
失うことになります。
子どもが問題行動を起こすのには
必ず理由がある、
そして、問題行動は、しんどい気持ちを
発散する側面を持っています。
どうか、子どもが気になる行動を
やってしまった時に
「うちの子犯罪者になるんじゃない?」
って心配するのではなくて、
「なぜこんなことしたのかな?」という理由を
考えるようにしてあげてください。
今日の1冊は
読んだ人の価値観を変え、
生き方を変え、
子どもへの接し方を変えることができる。
そんな本をご紹介しました。
「わが子が犯罪者になったらどうしよう!」
と悩むママの参考になる
1冊。
気になった方は、ぜひ読んでみてくださいね。