「もう小学生なんだから!」
「前も言ったよね!? 何度言ったらわかるの?」
「怒ったってダメなものはダメ!」
小学生になっても、宿題やゲームなど、ちょっとしたことで癇癪を起こす子どもに、ついこんな言葉をかけていませんか?
何度も説明しているのに、同じことで怒る。
ダメなことはわかっているはずなのに、また繰り返す。
そんな姿を見ると、「どうしてわかってくれないの?」と思ってしまいますよね。
ですが、実は小学生の癇癪を考えるうえで、とても大切な視点があります。
それは、「わかっている」と「できる」は違うということです。
今回は、小学生になっても癇癪が続く理由と、子どもが自分で気持ちを立て直せるようになるための関わり方についてお話しします。

小学生なのに何度言っても癇癪を繰り返すのはなぜ?
小学生になると、子ども自身もいろいろなことを理解できるようになってきます。
例えば、
-
宿題は嫌でもやらなきゃいけない
-
ゲームには終わりの時間がある
-
わからないことがあったら誰かに聞けばいい
-
嫌なことがあっても、人を叩いてはいけない
こうしたことを、頭ではわかっている子がほとんど。
それなのに、いざ嫌なことが起きると、
「もう嫌だ!!」
「うるさい!!」
と大声で怒る。
物を投げたり、手が出たりする。
一度怒り始めると、なかなか気持ちを切り替えられない。
ですが、これは必ずしも、何がいけないのかわかっていないから起きているわけではありません。
本人だって、落ち着いているときには「怒っちゃダメ」「叩いちゃダメ」と理解している。
それでも、いざその場面になるとできなくなってしまうんです。

小学生の癇癪は「わかっているのにできない」がポイント
では、なぜ頭ではわかっているのに、行動に移せないのでしょうか?
その背景の一つに、感情や行動をコントロールする力の発達が関係しています。
例えば、
「怒っちゃダメ」
「嫌だけど宿題をやらなきゃ」
そうわかっていても、強いイライラや悔しさがあふれた瞬間に、
自分の気持ちを落ち着かせる。
違う行動に切り替える。
「手伝って」
「わからない」
「ちょっと疲れちゃった」
と、自分の気持ちや困っていることを言葉で伝える。
こうしたことが、まだ難しい子もいるんです。
だから、何度
「怒らないの!」
「ちゃんとやって!」
と言い聞かせても、その場では自分でうまくコントロールできず、同じことを繰り返してしまう場合があります。
そして、本人自身も「わかっているのにできない」ことで苦しくなっていることがあるんです。
だからこそ、ただ何度も注意するのではなく、子どもが実際にできるようになるための関わり方が必要なんです。

癇癪をおさめるだけではなく、自分で立て直す力を育てる
私自身も、ADHD・ASDの息子が小学校1年生だった頃、毎日の癇癪に悩まされていました。
息子が怒り始めるたびに、
「どうしたら早く落ち着かせられる?」
ということばかり考えていました。
ですが、あるとき気づいたんです。
私が毎回息子の癇癪をおさめられるようになるだけでは、十分ではないんだと。
小学生になると、学校でも、友達と遊ぶときでも、ママがずっと隣にいるわけではありません。
先生だって、いつも隣について気持ちを落ち着かせてくれるわけではありませんよね。
だから、本当に必要なのは、
嫌なことや思い通りにならないことがあっても、息子自身が自分で折り合いをつけ、落ち着いて次の行動へ進める力。
この力を育てていくことだったんです。
「大きくなれば癇癪は落ち着く」と待つだけでいい?
幼児期の癇癪は、成長とともに少しずつ落ち着いていくことがあります。
その背景には、言葉で気持ちを伝える力や、感情をコントロールする力、行動を切り替える力などが発達していくことも関係しています。
つまり、大切なのは、単に年齢を重ねることだけではなく、自分の感情や行動を調整する力が育っていくこと。
年齢が上がれば、誰でも自然に癇癪がなくなるとは限りません。
だから、小学生になっても癇癪が続いているなら、
「そのうち大きくなれば落ち着くかな」
と待つだけではなく、
癇癪という形で爆発するのではなく、自分で気持ちを伝えたり、立て直したりできる力を育てていくこと。
ここが大切なんです。
小学生の癇癪を落ち着かせるための「おうち脳トレ」
そこで私がおすすめしているのが、
小学生以上の癇癪っ子専用「おうち脳トレ」です。
特別なプリントやゲームをするわけではありません。
毎日の親子の会話や生活の中で、その子が苦手としている力を少しずつ育てていく関わり方です。
例えば、
朝の支度でも怒る。
宿題でも怒る。
ゲームをやめるときも怒る。
お風呂に入るときも怒る。
そんな子もいると思います。
ですが、全部を一気になんとかしようと思わなくて大丈夫です。
まずは、毎日の生活の中で、特に癇癪がひどい時間に注目すること。
そして、その時間に何がきっかけで怒り始めるのか、どんなときなら落ち着いて行動できるのかを見つけていきます。
怒っている最中に何度も言い聞かせるのではなく、落ち着いている時間の関わり方を変えていくことも大切です。
私が最初に変えたのは、毎日1時間以上荒れていた宿題時間
実は、私が息子の癇癪に悩まされていたとき、中でも一番ひどかったのが宿題の時間でした。
小学1年生だった息子は、毎日宿題のたびに大荒れ。
1時間以上も癇癪が続くことがあり、まさに地獄絵図のような毎日でした。
だから私は、朝も、ゲームも、お風呂も、すべての癇癪を一度に何とかしようとするのではなく、まずは宿題時間の関わり方から変えていきました。
そこで大切にしたのは、息子を何とか宿題に向かわせることだけではなく、自分で考えて行動する力を育てること。
小学生になっても癇癪が続いているからといって、これから先もずっと同じ状態が続くと決まっているわけではありません。
子どもの苦手に合わせて、毎日の関わり方を変えていくことで、少しずつできることを増やしていけます。
「何度言ったらわかるの?」
そう言いたくなったときこそ、
「わかっていないのかな?」ではなく、「わかっていても、まだ難しいのかな?」
そんな視点で、お子さんの様子を見てみてくださいね。
子どもが自分で気持ちを立て直せるようになるための第一歩になるかもしれません。

