体調は戻った。なのに、なぜ動かない?

朝起きられない

さて今日は

 

「体調は戻った。

なのに、なぜ動かない?」

 

というお話です。

 

起立性調節障害を発症して、

最初の1〜2か月。

 

朝は起き上がれない。

立つとめまいがする。

食欲もない。

少し動くだけで、ぐったりする。

 

そんなお子さんの姿を見て、

「今は学校どころではない」

「まずは身体を治してあげよう」

そう決めて、

病院へ通い、薬を飲み、

水分や塩分、睡眠を整える。

 

学校にも事情を伝え、

無理に起こすことをやめる。

 

すると少しずつ、

起きられる時間が早くなってきた。

食事も取れる。

家では笑う。

ゲームもできる。

友達と連絡を取ったり、

休日には外出できる日も出てきた。

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「ああ、よかった。

体調が戻れば、そろそろ学校にも

行けるようになるかもしれない」

ママは、そう思います。

 

けれど

一週間待っても、

一か月待っても、

学校の話になると表情が曇る。

 

「明日は行こうかな」と言っていたのに、

朝になると布団から出てこない。

 

勉強の遅れが気になっているはずなのに、

教科書を開こうとしない。

 

進路の話をすると、

「分かってる」と不機嫌になる。

 

家では、元気そうに見える。

好きなことならできている。

 

それなのに、

学校や勉強には、いつまでも動かない。

 

そんな姿を見ていると、

「まだ体調が戻っていないのかな」

「もう少し待ったほうがいいのかな」

「それとも、さぼり…?」

と思う一方で、

 

「このまま待っているだけで、

本当に動き出すの?」

という不安も大きくなってきます。

 

ゲームをして笑っている姿を見ると、

「その元気があるなら、

少しぐらい勉強できるんじゃない?」

と言いたくなる日もありますよね。

 

けれど、ここで知っておいて

ほしいことがあります。

 

身体の症状が落ち着くことと、

学校や勉強へ向かって

自分から動き出せるようになることは、

同じではありません。

 

身体が回復してきても、

子どもの頭の中には、

 

「行って、また具合が

悪くなったらどうしよう」

「久しぶりに行ったら、

みんなに何か言われるかもしれない」

「勉強が分からなかったら恥ずかしい」

「一度行ったら、

明日からも行かなければならなくなる」

「やってみて、またできなかったら嫌だ」

というネガティブな予測が

残っていることがあります。

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子ども自身も、

そこまで言葉にできているとは

限りません。

 

ただ、学校や勉強を意識した瞬間に、

身体が重くなる。

 

イライラする。

考えたくなくなる。

ゲームや動画へ逃げたくなる。

 

そして、その場から避けると

いったん不安が下がる。

 

すると脳は、

「動かなければ、

嫌な思いをしなくて済む」

「避ければ安心できる」

という反応を覚えていきます。

 

だから、ママから見ると、

「さっきまで元気だったのに」

「やる気がないだけでは?」

と感じるような状態が起こるのです。

 

もちろん、発症直後に

安心して休ませることは必要です。

身体がつらいときに、

無理に学校へ行かせなかったこと。

 

起こすことをやめ、

子どものペースを守ったこと。

 

それは間違いではありません。

その時間があったから、

身体も心も安心を取り戻せたのです。

 

けれど、回復が進んできた子の中には、

安心させ、休ませるだけでは、

次の一歩につながらない子がいます。

 

必要なのは、

「もう元気だから行きなさい」

と急に背中を押すことでも、

「本人がその気になるまで、

何も言わずに待とう」

と、すべてを本人任せに

することでもありません。

 

身体が回復してきた次の段階では、

「全部できなくてもいい」

「ここまでならできる」

「自分で選び直してもいい」

「うまくいかなくても、

また考えればいい」

という新しい考え方と経験を

少しずつ増やしていく必要があります。

 

今までの関わりが

間違っていたのではありません。

 

あのときは、

安心して休ませる関わりが必要だった。

 

けれど、子どもの回復段階が変われば、

必要な関わりも変わります。

 

ママが知らなかったのは、

休ませ方ではなく、

休めるようになった、その次に

どう関わればいいのか

なのです。

 

体調は戻ってきた。

家では元気に過ごせている。

それでも動き出さないときは、

「まだ治っていない」と決めつける前に、

 

身体の回復の先に、

どんな不安やネガティブな予測が

残っているのかを見てみてください。

 

では、

わが子は、まだ安心して休む段階なのか。

それとも、

小さな挑戦を始められる段階に

入っているのか。

 

明日は、

「待っていれば動き出す子」と

「待つだけでは進みにくい子」の違いを、

具体的なサインからお話ししますね。

 

今日はここまでです。

 

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