さて今日は、
「強すぎるこだわりや繊細さを、
放置してはいけない理由」
というお話です。
不登校や起立性調節障害の
お子さんのママから、
こんなお話を聞くことがあります。
「うちの子、ちょっと
こだわりが強いんです」
「繊細で、周りの言葉をすぐ気にします」
「でも、成長の途中だから、
そのうち落ち着きますよね」
「大人になったら、
少しはよくなりますよね」
そう思いたくなる気持ち、
私もとてもよくわかります。
実際に私も
息子のこだわりの強さや
娘の繊細さに、
「まあ大人になったら
良くなるでしょ」
と思っていた一人だから。
だって、わが子の
強すぎるこだわりや繊細さを
真正面から見るのは、怖いからです。
「このままで大丈夫なのかな」
「この子、社会でやっていけるのかな」
「周りからどう見られているんだろう」
そんな不安が出てくるからです。
私の息子も、
不安がこだわりとして出るタイプでした。
たとえば、学校で体育座りを
させる先生が苦手でした。
何度も行進をさせられることにも、
強い怒りを感じていました。
「なんでそんなことを
しなきゃいけないのか」
「そのやり方はおかしい」
そう感じると、
何度も先生に物申すことがありました。
息子の言い分も、
私には理解できる部分がありました。
たしかに、本人にとっては
理不尽に感じたのだと思います。
納得できないことを、
ただ黙って受け入れるのが
苦しかったのだと思います。
けれど一方で、
私は母として怖かったのです。
その言い方では、
周りに迷惑をかけてしまう。
先生との関係が悪くなるかもしれない。
友達から面倒な子だと
思われるかもしれない。
「正しいことを言っているつもりでも、
その伝え方では孤立して
しまうかもしれない」
そんな不安がありました。
でも、それを息子に言うと、
一気にピリピリする。
「お母さんまでわかってくれない」
「自分が間違っているってこと?」
そんなふうに受け取られてしまう。
だから私も、
どう関わればいいのかわからなくなる時が
ありました。
ここで知っておいてほしいのは、
こだわりが強い子は、
ただ自信満々でわがままを
言っているわけではない、
ということです。
一見、強く見える子もいます。
「絶対こうじゃなきゃ嫌だ」
「これはおかしい」
「自分は間違っていない」
そう言い切るので、
周りからは頑固に見える。
けれど実はその奥に、
自信のなさや不安が
隠れていることがあります。
自信があるからこだわるのではなく、
不安だからこそ、
自分のルールにしがみついている。
想定外が怖いから、
いつものやり方に固執する。
失敗が怖いから、
納得できないことを強く拒否する。
自分を守るために、
こだわりが強くなっていることが
あるのです。
これは、繊細な子も同じです。
繊細な子は、
周りの表情や言葉をよく見ています。
先生の一言。
友達の反応。
教室の空気。
きょうだいの態度。
ママの表情。
そういうものを、
とても敏感に受け取ります。
最初は、
「気がつく子」
「優しい子」
「空気が読める子」
に見えるかもしれません。
けれど、不安が強くなってくると、
その繊細さはだんだん苦しさに
変わります。

「嫌われたかもしれない」
「変に思われたかもしれない」
「また失敗するかもしれない」
「どうせ自分はうまくできない」
そんなネガティブ思考が増えていきます。
そして、
行動する前に止まるようになります。
発表できない。
友達に声をかけられない。
教室に入れない。
遅刻して行けない。
勉強に手をつけられない。
「気にしすぎだよ」
「そんなに心配しなくていいよ」
「大丈夫だよ」
そう言いたくなります。
私たち親は、
安心させたくて言っているのです。
けれど、不安が強い子の脳には、
それだけでは届かないことがあります。
なぜなら、
本人の中では本当に怖いからです。
周りから見れば小さなことでも、
本人の脳の中では、
危険信号として強く反応している。
だから、
「大丈夫」と言われても、
大丈夫だと感じられないのです。
ここが大事です。
こだわりや繊細さは、
「そのうちよくなるだろう」と
放置していても、
自然に整うとは限りません。
もちろん、成長とともに落ち着く部分も
あります。
けれど、
不安が強く、ネガティブ思考が
増えている子の場合、
そっと見守るだけでは、
むしろ脳の反応が
強化されていくことがあります。
なぜなら、
避ければ避けるほど、
脳はこう記憶してしまうからです。
「やっぱりこれは危険だった」
「避けたから助かった」
「次も避けた方がいい」
こうして、
こだわりはさらに固くなり、
繊細さはさらに不安に
結びついていきます。
だから、放置してはいけないのです。
ただし、
無理やり直すという意味ではありません。
「そんなこだわり、やめなさい」
「気にしすぎ」
「もっと強くなりなさい」
そうやって押し込めることでも
ありません。
必要なのは、
こだわりや繊細さの奥にある
脳の反応を見立てることです。

この子は、何が怖くて固まっているのか。
どんな場面で不安が強くなるのか。
どんなマイルールで自分を
守ろうとしているのか。
どんな言葉なら受け取れるのか。
どのくらいの一歩なら、
「大丈夫だった」と記憶できるのか。
ここを見ていくことです。
こだわりは、
整えれば才能になります。
納得するまで考える力。
違和感に気づく力。
物事を深く掘る力。
自分の基準を持つ力。
これらは、
本来とても大きな強みです。
繊細さも同じです。
人の変化に気づく力。
場の空気を読む力。
小さな違和感を察知する力。
丁寧に考える力。
これも、才能です。
けれど、
不安と結びついたままだと、
その才能は発揮されません。
こだわりは、孤立につながる。
繊細さは、自己否定につながる。
慎重さは、挑戦できなさにつながる。
本来の力が、
子ども自身を苦しめる方向に
使われてしまうのです。
だから必要なのは、
こだわりを消すことではありません。
繊細さを鈍くすることでもありません。
その子が、
自分の脳の使い方を覚えていくことです。
「自分はこういう場面で不安が強くなる」
「納得できない時に、言い方が
強くなりやすい」
「失敗が怖い時に、先に拒否したくなる」
「周りの反応を気にしすぎると、
動けなくなる」
そうやって、
自分の反応を知ること。
そして、
安心の中で少しずつ違う行動を選ぶこと。
これが、
こだわりや繊細さを才能に
変えるサポートです。
今、わが子が、
こだわりが強い。
気にしすぎる。
すぐ不安になる。
マイルールが強い。
注意するとピリピリする。
周りの反応を怖がる。
そんな姿があるなら、
「そのうちよくなる」と放置する前に、
一度、脳の反応として見立てて
ほしいのです。
そのこだわりは、
わがままではなく、
不安から自分を守るための
反応かもしれません。
その繊細さは、
弱さではなく、
まだ使い方を知らない才能かも
しれません。
大事なのは、
責めることでも、
放っておくことでもなく、
その子の脳に合った順番で、
安心と挑戦の記憶を
積み直していくことです。
こだわりや繊細さを、
子ども自身を苦しめるものにしない。
その子らしい才能として使えるように、
家庭の中で整えていく。
それが、
不安で動けない子がもう
一度動き出すために、
今、必要なサポートです。
お子さんの才能に気づいているママこそ
その才能を放置しないでください。
混線した脳の配線を
整えてあげる。
この視点でお子さんの力に
変えてあげましょう。
今日はここまでです。


